アクアマリンふくしま復興日記というブログをご存知でしょうか?
あの大震災の後の「アクアマリンふくしま」の復興過程ならびに現在までの様子をきっちりと紹介されていた素晴らしいブログでしたが、間もなく閉鎖されるとのこと。
その原因が大変腹立たしいのでここに紹介しておきます。
以下の引用は7月23日付けの記事(http://blogs.yahoo.co.jp/fukushimaaqua/archive/2012/7/23)の一部です。ワタシも科学者の端くれです(だった)ので大学に在籍する似非科学者の主張には我慢がならないものですから。
是非全文をお読みになっていただきたいと思います。できればこちら(http://blogs.yahoo.co.jp/fukushimaaqua/folder/303788.html)に初めから目を通していただき、著者を応援していただければと存じます。
以下引用(行間のみ調整)。
「生物多様性」の問題とは別に私が問題だと思っているのは「ホタルは0.5μSv/hの放射線を浴びると光らなくなる」と主催者は主張し、ホタルが復興に結びつくと信じてプロジェクトを行っている点です。
「ホタルは0.5μSv/hの放射線を浴びると光らなくなるので、ホタルの光るところは放射線が低い」とアピールしたいようですが、本当なのでしょうか?
我々は昨年3μSv/hの土地でホタルが光っていることを確認しています。
そこで、6月12日に直接、そのホタルの専門家に会いに行きました。
以下、聞き取り調査の結果です。
●0.5μSv/hでホタルが光らなくなるとの研究は茨城大学との共同研究で行ったとのこと。
データを頂きたいと申し出ましたが、「文部科学省から止められているから出せない」と断られました。なぜ止められているのか理解はできませんが、論文としては発表されていないようです。
●実験自体は7年前に行ったそうで、放射線源にラジウム鉱石を使用したとのこと。
●0.5μSv/hで発光細胞が破壊され始めるのであって、光らなくなるわけではないことも、認めていました。では、実際に光らなくなると思われる線量はどれぐらいであるか質問したところ20mSv/hで光らなくなるのではないかとも。
実験内容があまりに不審な点が多かったため、今度は茨城大学の放射線が専門の教授にお問い合せしました。
以下、回答です。
ホタルの件ですが、生物学的にそのようなことはありえません。ヒトの細胞でも0.5マイクロシーベルト毎時の条件では死ぬことも機能変化することもありません。昆虫の細胞は、基本的にヒトの細胞よりも放射線に強いので、そのようなことはないはずです。マイクロがない線量率ならば(つまり0.5シーベルト毎時で何日も飼えば)あり得るかもしれませんが、そんな施設は本学にはありません。
茨城大学の放射線生物学者は、小生以前には環境放射線をやっていた人がおりました(すでに定年退職済み)が、その方がそのような実験データを出せる手法をお持ちであったとは思えません(そもそもそれなりの線量率が出せる放射線源は小生が着任するまでは茨城大学にはありませんでした)。また、ラジウム鉱石で照射するなんて専門的な実験とは申せませんし、それだけのラジウム鉱石は茨城大学にはありません(これは小生が本学の放射性物質の安全管理責任者として、把握している事実です)。7年前には小生は茨城大学に来ておりましたが、少なくとも理学部(理工学研究科の理学系)ではそんな実験をしたという話はありませんし、文科省からの研究費でそのような実験があったとも聞いておりません。
基本的に文科省の研究費で公表不可ということはありませんから、もしあれば、学内ですぐに追求を始めます。
とのことでした。
最初、茨城大学さまにご迷惑が掛かると悪いので、大学名は伏せようと考えていましたが、公表しても構わないとの事でしたので、お名前をださしていただきました。
ありがとうございました。