
守ってあげると言われてしまえば
手をふりほどいて
どこまでも走って
そのまま死んでしまわないと
いけない気持ちになるけれど
守ってあげると言ってみれば
生きていてもいいような気持ちになるから
そのたやすさが
悲しみのふりをしてわたしを安心させる
〜川上未映子「守ってあげたい」〜
あなた
が
望むコト
を
してあげたいけれど
あなた
が
ほんとう
に
望むコト
は
あなたにしか
計り知れなくて
あなたにしか
叶えられなくて
あなたが
臨むしかなくて
歯痒いけれど
恥ずかしいけれど
わたしは
よこに
立っているだけ
せめて
行く手を
阻まないようにするだけ
わたし
が
望むコト
を
時には
あなた
に
伝えてみたい
気もするけれど
なんとなく
なんとはなく
それ
は
叶った時
に
伝えるよう
に
している
から
伝えられた時
には
歓び
も
ひとしお
たとえ
伝えられないまま
萎れていくような
望み
なら
きっと
それは
そもそも
栄養不良
な
望み
だ
と
ただ
の
わがまま
だった
と
そのよう
に
想えて
そのよう
に
消化できるコト
も
どことなく
どことはなく
悦びひとしお