写画へのいざない

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麦屋町昼下がり

2007-06-06 20:59:35 | 愛読書より

   ・・・無人の町に、昼下がりの白熱した日射しが照りつけていた・・・

 藩中随一とうたわれている剣の遣い手、牛岦V次郎が、密会した妻女とその相手を斬り殺し、更に逮捕に向かった徒目付2名を斬殺して、麦屋町の料理茶屋に立て籠もっているという。
 討手を命じられ、これ、また、不伝流の俊才剣士 片桐敬助が、奇しき宿命の糸にむすばれ牛墲ニ対峙する。

 男の闘いの一部始終を緊密な構成、乾いた抒情で鮮烈に描き出す、藤沢周平の秀作の一篇。

 平成4年10月に執筆、一時間もあれば読みきってしまう短編だが、何回も読み返してしまうほどの面白さで・・・お奨め。

 ストーリは大分異なるが、男の心意気と炎天下昼下がりの決闘ということで、半世紀前の不滅の名作である「真昼の決闘」の映画が、何故かダブル。
 今となっては確かめようがないが、作者も恐らく意識して書いたように思うのだが。

コメント
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