湖畔人です。
気になったテレビ番組5、6回目の枠を使って、ドラマで気になった美しいシーン四つのご紹介と、別ドラマでも一つ良いシーンがあったのを思い出しましたので、それのご紹介をさせて頂こうと思います。
一昨日のNHK大河『麒麟がくる』にはとても印象に残る美しいシーンが四つございました。
一つ目は、西村まさ彦さん演じる明智光安が、夕日の中、縁側で、これまで大切に育て来たメジロを夕空に放つシーンがとても美しかったですね。大きな運命に翻弄されながらも、非力ながら自分に出来る限りを尽くして来た男が、つらい運命を静かに受け入れる美しいシーンでした。こうした場面は、長い人生の中、たまに訪れる事もございます。
二つ目に気になったシーンは、本木雅弘さん演じる斎藤道三が、毎晩寝る前に戦で亡くなった家臣達の名を唱えて来たのだが、その家臣達の名前を段々思い出せなくなったので引退を決意した、と言うシーンです。部下や仲間を何時までも大切に思う、そのリーダーとしてのあるべき心構えを見させて頂きましたね。
三つ目に気になったシーンは、同じく道三が日を背負いながら明智十兵衛光秀に対し言ったシーンで、"美濃も尾張も無い、皆一つになればよい、近江も大和も、さすれば誰も手出しが出来ぬ大きな国が出来る、お前がそれを作れ、とそう父親に言われて育ったが、自分には出来ず、美濃どまりであった、信長とならお前にも出来るかもしれない、大きな国を作れ、さらばだ"、と言い、負けるのが判っている息子との戦さに出て行くシーン。これにもシビレましたね。大義、と言う言葉が頭に浮かびました。
最後は、木村文乃さん演じる明智十兵衛光秀の妻、煕子(ひろこ)が、国が二つに割れ、叔父が道三に加担すると決めて、次は自分がどちら側に付くか決めねばならない状況にあり、苛立っていた光秀に対し、”十兵衛様の下す決断がどうであれ、明智の家族も領民も皆、領主である十兵衛様に従うと覚悟はとっくに出来ています”と光秀に対し目力と凄みを持って伝えるシーンが、侍の妻の肚の座り具合と覚悟の強さを見させられているようで、これにも大変シビレました。
良いシーンが沢山あった回だったかと思います。
ついでに思い出したのですが、
嘗てシビレた大河のシーンとして思い起こされるのは、10年前にやっていた『龍馬伝』の中で、近藤正臣さん演じる山内容堂が、大政奉還を将軍に提案する為に建白書を書く決断をするシーンですね。歴史を動かす大きなボタンの一つが押される重い瞬間なのですが、容堂は静かに、まるで瞑想でもするかのように、一晩寝ずに思いを巡らせ、そして明け方に独り決意をし、墨をすり、明け方の光の中、筆を滑らせ建白書を書き上げるシーンにはホントシビレましたね。ずーっと前のドラマのワンシーンなのですが、何故か未だに鮮明に憶えています。歴史が動く瞬間を見させられるようで、とてもシビレましたね。近藤さんの演技には凄味がありましたね。
次の記事は、その時に流れていたこれまたスゴイ音楽について書こうと思っています。
では。
湖畔人