第89話. 騙されるべからず 亡国の危機

2018-04-01 23:30:27 | ★政治 外交 歴史
湖畔人です。

北のトップが電撃訪中し習氏の後ろ盾を得ましたね。中国に対し六か国協議への復帰と、それを通した半島の非核化へ段階的実現への意思表示をしました。但し条件付きです。また、北はIOCのバッハ会長にも次の東京五輪への参加表明をし、韓国からは友好を示す芸術団が訪朝してみたりと、米国の強硬的布陣に対し、もし米国が北に対し強硬的軍事対応でもするような事があれば、その場合、米国は国際社会から非人道的国家のレッテルを貼られる事になるが、米国にはその覚悟があるのか?、と米国を牽制するような、そうした雰囲気の醸成に北が成功しつつあるように見えます。皆、北の本心を知ってか知らずか、要らん事ばかりしてくれます。IOCは中韓から、個人として、もしくは組織として何んらかの経済的サポートでも受けているのでしょうか?彼らには北の人権侵害も、北の核の危険性も関係ないのでしょう。政治とスポーツは切り離すのがオリンピックの精神なのかと思いきや、結果的に随分政治的な動きをして、隣国を危機に陥れる、そうした政治的なアクションをしてしまっている事をバッハ会長は自覚しているのでしょうか?多分、どなたかの意思を受け、その希望を実現すべく動いているのでしょう。本当に余計な事ばかりしてくれます。胡散臭い存在です。
さて、こうした動きに対し、これは危険なサイン、過去の失敗の繰り返しになる可能性が高い、騙されてはいけない、と、私が良く参照させていただいている保守系の情報誌のオンラインサイトが警告をしています。
彼らによれば、この状況は15年前と酷似しており、同じような結果が現れる可能性が高い、まるでデジャブのようだ、と指摘しています。 彼らによれば、2002年、アメリカの共和党政権は、北に軍事攻撃を含む強硬的対応をしようとしていた所、韓国が横槍を出し、北に救いの手を差し伸べ、もし北を攻撃したら韓米同盟は破棄だとゴネ始め、結果アメリカは動けなくなり、その内、アメリカはイラク戦争で身動きが取れなくなり、中国に助けを求めた所、六カ国協議の提案があり、その結果、2003年には、北が核の核放棄の共同声明の約束までする事とはなったが、ただしその共同声明には、条件があり、“『約束対約束、行動対行動』の原則に従い、前記の意見が一致した事項についてこれらを段階的に実施していく”という条件が付いており、所謂非核化の「段階的」な実施を意味していた。要は、敢えて時間が掛かるようにし、その間、開発を進める時間稼ぎをしたと言う事です。これは今の状況と全く一緒であり、タカ派の米大統領がいる(その時はブッシュさん今はトランプさん)、韓国左派政権の横槍がある、そして、中国を議長国とした「六カ国協議」を組み、そして「段階的」な非核化交渉(時間稼ぎ)とあまりに今の情勢に似通っている、と指摘します。そして、その2003年の共同声明後に起きた事は、北はまず核の放棄のポーズをとり続け、本気度の証明の為にわざわざ減速炉の冷却塔の爆破まで実施し(そこまでやったら誰でも信じます)、非核化の手順を段階的に踏んでいるポーズをとり続け、その度に、制裁解除を要求し開発の為の資金と物資を手に入れ、資源や食料の支援などを六か国協議から引き出し自国民に向けた最低限の食糧と燃料を確保し核開発を継続して行った。ただアメリカが、査察を実施しようとした所、北はそれを断固拒否し、以降、協議は平行線と辿る事となった。そして、そうこうしているうちに米政権はより妥協的な弱腰な民主党オバマ政権となり、そのとたん、北朝鮮は「六カ国協議」の合意を反故にし、強硬的に核とミサイル開発を再開させ、そして2009年4月にはテポドン発射へと続いていった経緯があった。結局、北は核放棄のポーズをとり、段階的核の放棄と言いつつ時間を稼ぎ、その裏では核の開発を続け、経済的支援をも引き出し、いざ査察をしようとするとゴネ、強硬的な共和党が去り、弱腰の民主党政権が出て来ると本性を剥き出しに約束を反故にして来た。北はそうした壮大な騙しをして時間稼ぎをして核戦力の完成度を高めて来ていたのだ。その結果、北は核兵器を手に入れ小型化と弾道ミサイルさえ完成すればアメリカですら手が出せなくなる、そうした状況の出現を許してしまった。北の核戦力の完成は後数ヶ月と聞く、今また六カ国協議等と言っていたら、もう取り返しがつかない状況下に置かれる、何度も同じ手で騙されてはならない、次の失敗は亡国を意味する、決して同じ過ちを繰り返してはならない、と、その保守メディアは言います。

ですから、今回も北と中共は、トランプ政権の任期が終わるまで、段階的非核化をしているポーズをとり、その間、北は核を完成させ、米国を核で攻撃できる所まで力を付ける、2020年の選挙でトランプ氏が敗れ、また民主党政権に成れば核で米国を脅し、半島から米軍を追い出す、米軍が半島を出たら、中共と北は半島と台湾と香港と日本をその勢力下に置き、中朝同盟による社会主義的専制により東アジア全域を支配する、と言う恐怖のシナリオが実行されると思われます。そのシナリオの実現は、日本国の終焉をも意味します。亡国の危機です。ですから、今彼らの手に簡単に乗ってはならないのです。決して惑わされてはなりません。決して、騙されたり、妥協してはならないのです。米国による北の全域への無制限の査察を北が受け入れ、完全なる核開発の放棄とならない限り、米国は軍事攻撃で北の体制を完全に崩壊させる、と言う選択しか持たせるべきではありません。日本の政権も日本のメディアもその点をよくよく理解し、『北の無制限の査察受け入れと、完全なる核の放棄とならない限り、米国による軍事攻撃もやむなし』と言う点を国民と米国と国際社会に対し継続的に訴えていく必要があります。今が最後の分岐点です。絶対手を抜いてはいけません。決して騙されてはならないのです。

湖畔人