第458話.気になった音楽(172)秋の訪れを感じさせる曲① 松田聖子『野ばらのエチュード』 & 松田聖子論『プロジェクト松田聖子』

2020-09-22 15:02:57 | 気になった音楽
湖畔人です。

これから"秋の訪れを感じさせる曲"と言うテーマで数曲パラパラとご紹介して行きたいと思っています。

まずは一曲目は、松田聖子さんの『野ばらのエチュード』です。
嘗てパンク小僧だった時代には、田舎のストラマーかポール・シムノンかっていう感じでいましたので、"実は松田聖子好き"なんて当然おくびにも出さないでいましたが、大瀧詠一等POPSが好きなら当然松田聖子さんの曲も好きになるのは当たり前の事だったのです。何故なら、彼女に楽曲を提供して来たソングライター達が、当時の日本を代表する最高に才能のあるシンガーソングライター達だったので、当然、名曲揃いであり、好きにならない方がおかしい位だったのです。作詞の松本隆さんを中心に、作曲は、財津和夫さん、大瀧詠一さん、松任谷由実さん(呉田軽穂名義で)、テクノマエストロの細野晴臣さん、来生たかおさん、佐野元春さん、尾崎亜美さん、原田真二さん、他ゴロゴロと当時の日本を代表する才能達が集結していました。

自分の妄想では、松田聖子さんが生まれて来る前に、きっとあの世において『プロジェックト松田聖子』なる物が発足していて、プロデューサーの若松宗雄さんと作詞家の松本隆さんが中心になってプロジェクトが発足して、この稀代の歌姫を、当時経済力実質世界一だった80年代の日本を華やかに演出する彩として予め仕組んでいたのではないか?なんて事をよく妄想するのです。それ位時代を動かした国家プロジェクト並みの物凄いフェノミナンだったと思いますし、ビックリするほどの凄い才能が結集した稀有なる企画であったかと思うのです。

このプロジェクトは、才能はあるが国民全体にまではまだ当時認知されていなかったユーミンとかぱっぴーえんど出身者達とかチューリップ等のニュミュージック枠の才能のある方々と、歌謡界のアイドルと言うテレビ界の花形が融合して何か特別な化学反応が起せるのではないか?と言う実験でもあったかと思うのです。そしてその目論見は見事に的中し、日本の歴史の中でも見た事も無いような高揚感と輝きを放った素晴らしい虹のような出来事が起きたと思っています。

もちろん、その前の山口百恵さんも、キャンディーズも、ピンクレディーも同様に霊界で特別企画が組まれた印象を受けますが、松田聖子さんには特にそう感じるのです。

まず、三浦徳子さんと小田裕一郎のコンビが凄まじいスタートダッシュを決めて、もの凄い勢いで坂道を駆け上って、途中、『チェリーブラッサム』あたりからチューリップの財津和夫さんが入り始め、更に加速が付き、松本隆さんと財津和夫さんのコンビで『白いパラソル』を出し始めた頃から、曲自体は完全にニューミュージック仕様、完全なるPOPSで、でも歌っているのはアイドルと言う図式になり、その頃から歌謡界とニューミュージック界の完全融合が起こり始め、次の『風立ちぬ』ではPOPS界の大御所の大瀧詠一さんが出て来て、POPS界の中でも最上質な部類に入る所まで行き、そして松任谷由実さんが呉田軽穂名義で代表曲『赤いスイートピー』を提供して、松田聖子さんは別次元に突入し、次の『渚のバルコニー』でそのボルテージは最高潮に達し、『プロジェックト松田聖子』としても最盛期、真夏の季節を迎え、『小麦色のマーメード』あたりから緩やかにクールダウンが始まった、プロジェクトとしての秋が始まった、と自分は見ています。その真夏を経験した後に、最初に迎える秋の始まりに、少し涼しくなった秋を連想する曲としてこの財津和夫さんと松本さんのコンビからなる『野ばらのエチュード』がローンチされたのかな、と思います。確か実際秋の季節に流行った曲だったかと思います。

心に決めた人がいるのに、一方で、一人旅も望む複雑な乙女心を歌ったものですが、涼やかでとても好きな一曲です。

個人的には、松田聖子さんのアルバムの中では、大瀧詠一さんがメインで財津さんや杉真理さん参加のアルバム『風立ちぬ』と、その後のユーミンと来生さんと原田さん参加のアルバム『Pineapple』が好みです。シングル以外の曲にも沢山名曲があって、あれは本当にスゴイトレジャーだと思います。日本の宝だと思うのです。

今後も秋の訪れを感じさせる曲を時々やっていきます。
それでは。

湖畔人

第457話.仕事への向き合い方(4)

2020-09-22 04:03:00 | 仕事への向き合い方
湖畔人です。

NHKを見ていると、昼ご飯を紹介する番組をやっていますね。
あれを見ていて思い出したのですが、昼ごはん食べる事に罪悪感を感じていたことが嘗てあったな、という事を思い出したのです。
自分は嘗ていろんな仕事を経験した口なのですが、中には感情移入が中々できなくて、やりがいを感じられず、時間が過ぎるのをただ待つばかり、なんて言う仕事もありました。"こんな単調な仕事でお金を貰ったり、昼めし食ったりしていいのか?世の役に立ってる感覚は全くないし、活躍の場がホント少ない、こんな内容のない仕事ばかりして、昼ごはん食べたりする資格があるんだろうか?でも時間が来ると腹が減るこの因果な体にはホントやんなるな。ただ時間を費やすだけの、こんな仕事はやっても意味がない、全く世の役に立っていないし、ホントシンドイ、もう辞めたい"と思って仕事を変えて来た気がします。特に若い頃はそうでした。

確かに、海外に出て物やサービスを売り込むような仕事になってからの方が自分の特徴も活かせて役に立っている感はあるのも事実。でも、その前にやっていた仕事でも、もっとやりようがあったろうし、単純な仕事にもいろんな思いやケアを重ねていけば、きっといい仕事が出来たはずだし、誇りも持てただろう、と今なら思えるのです。

コロナ禍になってから、マスクやアルコールティッシュ等、諸々買う為に近所のドラッグストアに行く事が習慣になって来ているのですが、見ているとドラッグストアの店員でも意識が高い子とそうでない子がハッキリと分かれるのです。やる事は、棚に物を補充して、レジをして、最後集計して、って感じなんでしょうけど、気が利く子は視野が広いし仕事が正確で速いのです。小さなものはバラけないように小さな薄手の袋に直ぐに入れてくれるし、プラスチック製の買い物袋も、気が利く子は毎回すぐに物が入れられるように袋の口が開いているのです。自分は手の平が乾いているタイプなので、閉じた買い物袋では開けらなくて困るタイプなのでホント助かるのです。それをものすごい速いスピードでやっているので、いつそうしたのかも全然判らない位でして、気が付くとそうなっていて、カゴの中を見ると、何時も"エーッ"となるのです。そこには感動があるのです。挨拶も明るく、見た目もベッピンさんで田舎に置いておくのがホントもったいないな、といつも思うのですが、きっとそうした子達は全国に沢山いるのでしょうね。でも全店員が同じレベルかと言うとそうではないのです。全然違うのです。きっと、かけている思いが、ケアの具合が全然違うのでしょうね。意識が高いと言うか、プロ意識を持っているのでしょう。

以前、第180話で同じ仕事への向き合い方(2)でもご説明した通り、商業施設や商品のブランディングのプロの柴田さんと言う女性のお話をしましたが、彼女はこうなりたいと言う夢は特に無かったけど、ただひたすらに気を利かす事を繰り返す事で成功を掴んだ成功者でした。相手にとって、どうしたらより便利か、より感じが良いか、より印象が良いか、より仕事がしやすくなるか、等を常に想像を重ねて、改良を重ねて行くうちに、その仕事ぶりを認められ、わらしべ長者のように段々と大きな仕事を任せられるようになって行ったタイプの方でしたが、ドラッグストアの優秀な子もきっと同じタイプだな、と思いました。

気を使って、どうしたら客にとって、より感じが良くなるか、常々想像を働かせ、改良を重ねて来たのでしょう。プロ意識が高く、イイ仕事をしているのです。

だから、きっと彼女は昼ごはんをおいしく頂けている事でしょう。後は、彼女がしっかりと評価されて、いいポジションにプロモートされる事を強く願うばかりです。

かける思い次第で単調な仕事も立派な仕事になるのです。
思いのかけ方次第です。自分の心持次第とも言えます。
今の仕事に納得が行っていない方は是非お試しあれ。
では。

湖畔人