チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

変わらぬもの

2009年12月02日 12時00分18秒 | 日記
我が家の常備薬だった
キップパイロール
kip pyrol
此処十年くらい忘れていて

「最近どうしてないの?」
何十年も買っている薬局にいく
「あのうーー十字架が蓋にあるキップパイロール」
まだ置いていますか?
「ええあの黄色と赤のーー」

全く昔と変わらぬ同じものが手に入った
「ウチもこればかり」と
傷、かゆみ、軽い捻挫、乾いた唇などなどーーー
小さいときからずーとあるような感じで懐かしい

「あっ蚊にやられた」
「キップキップ」
そんなに仲良しだったのに買い置きを忘れてしまっている

同じように
真っ黒に変色したボールペン二本
捨てようかと思ったが
ナカタニが始めてイタリアにいったときのお土産
捨てるのもなんかねえ
と思い小姑に渡す

と伊東屋に用があって顔を出したら
そのボールペンの特別コーナーが出来ていた
早速小姑から取り返し
真っ黒に変色した二本を持っていく

「いつ頃のでしょう」
「40年は前ですね」
「全く同じデザインをまだ売っています」
と本当に同じデザインのものがピカピカ銀色に輝いていた

「きれいになりますか?」
もちろんですと言うことでお預け

本社まで送るので2ヶ月近く待ったが
なんとなんとピカピカの新品のよう
「芯だけ取り変えました」
二本なので黒と青の芯にしてくれた

「きれいになったでしょう?私両方使うからね」

憎らしいチャコちゃん先生
小姑も鷹揚に
「きれいになったわねえ、やっぱりいいものはいい」

自分の品に自信があればずっと同じものを作り続ける
強さがある
そういうものは買うときには値段は高い
しかし
何十年もいえ何百年も使えるものを作ることこそ
本当のものづくり

30日のシンポジウムで岩井市長が
「いい物は高い、其れを認識してください」
とおっしゃっていたが
いい物を作る人は
何百年後の使用も考える必要がある

人の心は変わりすぎるなあ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする