チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

セイタカアワダチソウ

2010年10月08日 14時35分01秒 | 日記
通称「ぶたくさ」と呼ばれている雑草
茨城にある蚕業技術研究所にいくまで
いたるところにこの「ブタクサ」は自生している

「此の花の花粉にやられる人が多いですよ」

アレは何年前だろうか
外国の材木が輸入されるようになり
その中に混じってはるばるやってきた菌が
そのまま日本の土壌に根つき
全国にあっという間に広がった

当時は杉の花粉より
此花の花粉の方が忌み嫌われ
喘息になると大騒ぎされた

その「ぶたくさ」を
ひょっとしたら色が取れるかもしれないと
山崎青樹先生は思いつき
「見てくださいこの色 、なんで染めたかわかります?」
試しに染めた帯揚げを見せてくださった

手に取ると美しい青葉色
「黄味が感じられないけど綺麗な緑ですね」
「実はねセイタカアワダチソウで染めてみたの」
「エッあのブタクサと嫌われている?」
「そうマスクしていっぱい刈ってきてね染めたの」

考えられないほどいい色
緑色は藍と刈安などの黄色染料とあわせないと出ないのに
この草一つで出来る緑に
青樹先生は少年のように瞳を輝かせていた
青樹先生も今年の一月になくなった

17日は高崎で青樹先生の思い出講演をする
セイタカアワダチソウは綺麗な緑だけでなく
美しい音色の歌にもなった

嫌われている裏にとても役立つことも或る
何事も一方的な見方は全体を見失うとつくづく思う
青樹先生の直感がセイタカアワダチソウに別の使命を与えた

そんなことを考えながら
車窓から「ぶたくさ」の群生を興味深く眺めているうち
研究所に着いた
コメント (2)
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