チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

スタッフの愛

2010年10月10日 17時53分21秒 | 日記
中谷比佐子著 角川書店「きものを着たらおとな思草」
断裁が決まったとブログに書いたところ
其れを読んだタナカが
「全部引き取りましょう」
「600冊近くあるのよ、とても無理よ」

いつもは出費に厳しいタナカが
必死の形相で言う
「だっていい本なんだもの」
「一応30冊はひきとることにしたけど」
「でも全くこの世からなくなるんですよね」とセキド
「あんな良い本をこの世から消してしまうのはよくないですよ」とヨシダ
「まだ読んでいない人も大勢居るんだもの」セキド

「全部引き取ったらいくらか」
と早速電卓をはじくタナカ
「断裁するんだから無償でどうぞはないんですかね」
と腑に落ちない顔のセキド

「とにかく交渉してみます少しでもいい条件にします」
と受話器に飛びつくヨシダ
「ちょっと心当たりの友人に一冊でも売りましょう」
とメールをするセキド

出張の時間が迫っていて
「出かけてきます後はよろしくお願い致します。」
常磐線に乗ってもスタッフたちの温かい心に涙がとまらず
慌ててグリーン車へ
(少しでも倹約しなきゃいけないのに)

「きものの着付けとかコウデイネートのコツでないときものの本は売れません」
と良く出版社の方に言われる
しかし
チャコちゃん先生は
きものを通して国づくりに励みたいので
どうしてもきものに教わる日本の知恵を書きたい
「ですからこういうのは売れないんですっ」

次ももう原稿が出来ている
「きもの解体新書」
きものを着ることで心や体がどう進化するか
でも出版の見込みはまだない


「懸命に稼ぐということで300冊引きとることにしました」
とヨシダからメールが入る

きものに対して同じ思いで臨むスタッフに
ただただ感謝
一番怖い小姑のタナカ
40年チャコちゃん先生を身近に見ていて
この本の裁断が心底忍びなかったのだろう

車窓の景色が雨にけぶっているように見える
心から感謝
そしてありがとう
コメント (2)
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