知らない街

いよいよ二日後に迫った声楽の発表会
伴奏合わせの時間までに余裕があったので
電車の終点まで行って知らない町を散策した

街行く人も
売っているものも
何か異国の感じ

スーパーに立ち寄り
どんなものを売っているかを見る
柿やみかんがもう出ていて秋を感じさせる
新宿のデパートはまだ夏の名残があるのに

ドトールなどの都会的なコーヒー店はなく
ペコちゃんが店前に立って客引きしているので
ついつい入る
ペコちゃんご推薦のショートケーキと紅茶

あのペコちゃん人形
なんとしても手に入れたい
どうやったら盗めるのだろうかと
アレコレ知恵を絞っているうちに時間切れ

慌てて伴奏合せの会場に着くとチコク
ぜーぜー言いながら発声練習
本番の歌のときヒーヒーと声がかすれる

アレだけ時間に余裕があったのに
なんてこと
挙句雨の中を素足サンダルで歩きまわり
今朝からすっかり風邪引き女

プログラムを見ると
一部と三部に登場
一部は新人や余りまだ上手でない人が出る
「ああそうなんだ」
実力の世界は厳しい

今回は発表の会場が御苑の傍なので
内輪だけの打ち上げを「こけし」の店で
「お店空けてくださる？日曜日だけど」
「喜んで」
とこけし快諾

声が小さいので
「起こしちゃったの？」
「ううん今図書館なのよ」
時は１０時30分
「えらいなあこけし」
「うふふふじゃあね」