チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 462

2021年11月15日 09時33分32秒 | 日記
日本の神話にも、旧新約聖書にも、神の体を包むとき必ず用いられるのが「大麻」の布。ここで「大麻」の用途を考えてみたい

新天皇の即位式に欠かせなかったのも「大麻」これを「あらたえ」と呼んで、天皇陛下おひとりで行う儀式の中で、羽織るのか敷くのか、今だ鮮明に伝えられていないが、二枚の布を織って献納していることは確か、実際に前回この目で布になる過程をずっと見てきた

ここでは絹は「従」のお役「にぎたえ」とよばれているが、使用については、安置されているだけのようだ

その大麻の栽培が禁止されたのは昭和22年、敗戦後のことだ。連合軍によってなされた。それ以来ずっと禁止されている。花穂に薬物があるという理由だが、日本人はその薬物を利用した歴史はない。花が実をつけるまで育て、それをオイルにしたり、食用に使ったりしている
日常にみんなが使っていたので、100日で成長するエネルギーに感心して、着物の文様になっていることはよくみなさまご存じだ。幼子の成長を祈って産着の柄に、無病息災を祈って手ぬぐいに、厄年の厄を払って帯や伊達締めの柄に、昔から着物にはなじみのある「麻の葉文様」

なのにどうして大麻の栽培が禁止されるのか
手繰っていくと日本の歴史の真実が見えてくる
着物がいろんな場所に連れて行ってくれるが、この道も着物を通してだった

やんごとなき方の着物に出会い、手に取ってみるうち、どうしてもわからない繊維に出くわした。絹の中でも生糸、真綿、くず糸など様々な繊維がありそれのどれでもない。植物繊維のようではあるが、苧麻ではない。やんごとなき方のお召し物だから野草木のつるで出来た繊維でないのは確か。繊維に詳しい方にお聞きしたら「大麻」と触ったとたんの回答

なぜ冬ものにある?
という疑問には
「繊維の作り方で大麻は暖かい糸にもなる」
というではないか、日本人がというより世界中の人たちが古くから愛用した繊維が「大麻」
そうか石油繊維を広めたい人達の手によって「大麻」は閉じ込められたのか!着物はいろんな展開を見せてくれる

コメント
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