昨日「シルク時空をこえて」監督 熊谷友幸さんの、ドキュメンタリー映画を観た
「絹」ではなく「シルクなんだ」
という思いも見始めたらすっ飛んだ
「ああ野麦峠」の修正から始まる
群馬富岡製糸工場は官営で藩主の娘たちが工女として働いていた、長野の岡谷の製糸工場は片倉が中心になり私営、その為長野や岐阜方面の村娘が工女として集まった
「ああ野麦峠」ではその工女たちの過酷な働きが描かれていた
チャ子ちゃん先生は、こんなに悲しい気持ちで糸を繰っていたのか、それを政府は外国に輸出して外資を稼ぎ、日本の近代国家を作り上げたのか!
と若さの憤慨でその工女さんたちの話を聞くために行動を起きた
官営と私営の別はあるにしても、工女さんたちは自ら望んであの険しい野麦峠を徒歩で岡谷に行き、また官営の方は馬車が使われたりもしたらしいが、やはり歩いて富岡までいっている
そして製糸工場での仕事は「楽しかった」
食事もたっぷり、お休みには芝居や映画に行ける、体操やそろばん国語などの勉強もできる、更には裁縫も教えてもらい、自分の身の回りの衣類は自分で縫えるようになった。
こういう話を当時まだ健在だった女性たちに取材して分かったのだが、記事にはできなかった
それがこの映画では美しい映像と共に当時を語る工女さんもいて、少女たちの繰る糸が喜びの中で作られていたと安堵する
また日本の工女さんの話だけではなく、アメリカのマンチェスター、フランスのリヨンやセベンヌ地方の絹織物の話も入れて、日本の蚕がいろんな国でもてはやされたことが実感できる
監督の熊谷友幸さんの映像はことのほか美しい、前身がテレビのカメラマンで、生まれ故郷である長野伊那谷での養蚕事情から、何とか蚕の町おこしになればという思いで5年かけての取材
映画が出来上がったらコロナ騒動で放映が出来ず、やっと昨日横浜馬車道の関内ホールで初上映。工女さんたちが繰った糸は横浜港から諸外国に渡ったので、これも何かの縁
小林洋平さんの音楽が清らかで美しく、映像がより格調高く見えた
次回は11月4日やはり横浜
みんなでこの映画をあちこちで上演したいと願っている