はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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ミシマサイコ

2014-09-04 20:37:09 | 
今うちの玄関に飾っている花の一つが、ミシマサイコです。
(黄色い小さな花の方です)
8~10月に花が咲くそうで、けして派手さはないけれど、品の良い黄色がとてもかわいらしくて、お花屋さんで一目惚れしました



買ったのも、真近に見たのも初めて。もしかして、あの生薬の柴胡の仲間かな?と、ネットでいろいろと調べてみたところ…

科名:セリ科   
属名:ミシマサイコ属
和名:三島柴胡
生薬名:柴胡(さいこ)
学名:Bupleurum falcatum
本州、四国、九州の日当たりの良い山野に自生する多年草

やはり生薬の柴胡でした

根の部分が柴胡(さいこ)として漢方薬に用いられるんですね。

この近年で乱獲のために激減して、野生の採取は困難になっており、絶滅危惧II類に登録されているそうです。

和名の由来は、静岡県の三島地方が薬草の栽培地であったことからきているとのこと。
江戸時代、東海道五十三次の三島宿に泊まる旅人は、柴胡を買うことが慣わしになっていたそうで、三島の薬種問屋に持ち込まれる柴胡は非常に品質が良く、伊豆の草原地帯の山々を野焼きして掘り出したとの云われもあるそうです。

三島産の柴胡の品質の良さから、漢名の音読み+産地名でミシマサイコと呼ばれるようになった経緯があるようですね

残念ながら現在は三島地方でも野生のものを見つけるのが難しいらしいです


柴胡の効能として解熱・鎮痛などがあり、漢方薬では、

食欲不振・胃炎・かぜ・中耳炎など
→小柴胡湯(しょうさいことう)

高血圧・肝臓肥大症・慢性胆のう炎・胆石症・心臓性ぜんそくなど
→大柴胡湯(だいさいことう)

として処方されるそうです。


中国からも柴胡は輸入されていますが、品質では三島産には及ばないとか。

何にでも当てはまることですが、必要なものを必要な分だけ、大切に使っていけたらなぁと思いました。


コメント (2)
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