はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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秋は憂いの季節

2015-10-25 11:39:10 | 養生
東洋医学では五行説という考え方があり、季節や食物、人の体や感情の種類が「肝・心・脾・肺・腎」の5つに分類します。
秋は肺の季節で、感情では「憂」が配当されています。
肺の気が盛んになるのですが、そのバランスが良くないといつも以上に憂いやすく、悲しみを強く感じたりします。
つい愚痴をこぼしたり、ため息をついたりしがちなのも、肺の気が影響していると考えられます。

先日帰省した時に父を治療したのですが、会って早々、愚痴とため息ばかり。肌も白くて艶のない感じです。むくみも全体的にありました。
5月に病気をしてから、夏の間も体調が優れなかったそうで、ここ最近は行動する気力もなく寝てばかりいるとのこと。
横になって寝る姿勢が続くことは肺の気のバランスを崩す原因の1つ。肺の色は白。父に起きている状況は、肺の気の影響を受けた、正に秋特有のものでした。

今回、2日連続で治療をしましたが、初日の治療後には肌に艶が出て、愚痴は続いていましたがため息はやや減少。布団から出ようかという気持ちになったそうです。
2日目の治療後には肌の白さも治まり、ため息は全くなし。愚痴っぽい話も減っていました。気力も充実してきたようで、治療後は溜め込んでいた用事を済ませる気になったとのこと。
鍼灸治療で辛い症状が少しでも楽になったようで良かったです。


写真は先日帰省した時、松山空港まで送ってもらう車中から撮影した夕空。


秋は特に夕空が美しいと感じます。
空も紅葉してるようです。

段々寒くなって気分が落ち込みやすくなりやすい時期ですが、美しい景色がたくさん溢れています。
そこから元気をもらいつつ、来る冬に備えたいですね。
コメント
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