はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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東洋医学的な鍼灸

2016-04-10 17:10:11 | 鍼灸
西洋医学と東洋医学は、病気に対する考え方が異なります。
西洋医学が病気のより細かい所を診て治療方針を立てるのに対して、東洋医学は病気そのものではなく、患者さんの全体を診て、その人の体質や置かれている環境なども踏まえて治療方針を立てます。

鍼灸治療は東洋医学に属します。アーユルヴェーダなども東洋医学です。
鍼灸治療は「陰陽説」と「五行説」という2つの考え方に基づき、四診と呼ばれる診察法で身体の状態を判断し、適切なツボを選んで鍼や灸を用いて治療します。

ただ、すべての鍼灸治療を東洋医学に基づいて行う訳ではなく、西洋医学的な見立てで治療を行うこともあります。
その場合は、体質やツボなどを意識するのではなく、解剖学的に筋肉のどの部分に症状が起きているかに注目することもあります。
スポーツ鍼灸といわれるものの多くは、西洋医学的なアプローチによって症状を改善しています。

鍼灸治療のアプローチ方法を大きく分けると、西洋医学的な鍼灸、東洋医学的な鍼灸、それらをミックスした鍼灸があります。

当院は東洋医学的な鍼灸治療を行っています。
時折、他の鍼灸院に通ったことのある方から、「脈・舌・腹は診ませんし、ツボの存在も信じていません」と鍼灸師が話していた、というような話を聞きます。
東洋医学に基づいた鍼灸治療を行う側としては、何とも寂しい話です。
確かに東洋医学の体系は曖昧模糊としており、一見すると矛盾している内容も多いことはあります。
でも、その中から自分に合ったものを選んで勉強するという楽しさがあると思います。学んだことを臨床に生かせる醍醐味も存分にあります。

それぞれがお互いの良いところを認め合って、鍼灸治療をもっと多くの人に親しんでもらえるようになればいいなと思います。

コメント
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