はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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砥部焼あれこれ

2017-08-04 22:17:31 | 日記
私は高校2年生から28歳まで、陶芸をしていました。

高校生の頃は何にも考えずに製作に没頭。とにかく楽しかったです。
卒業後は砥部焼の絵付けを仕事とし、好きなことを仕事にする喜びと、好きなことで食べていく難しさを知りました。
退職後は高校時代の恩師の好意で陶芸を続ける場所を得られ、再び陶芸することを純粋に楽しむ日々を過ごしました。

陶芸は大好きだったのですが、砥部焼に関しては複雑な思いを持っていました。
砥部焼を見るのも嫌な時期もありましたし、地味でパッとしないものだと感じていた時期もありました。
仕事として関わる中で厳しい現実を突きつけられ、砥部焼を見るとその記憶を思い出して辛い気持ちになることもありました。
上京してからも飲食店などで目にする度に、モヤモヤした気持ちになったりしていました。

それが変化したのは、夫が砥部焼を可愛いと言ってくれたことです。
夫は最初に砥部焼を見た時から気に入ってくれたようで、一緒に帰省する度に砥部焼を観に行くようになりました。
久しぶりに目にする砥部焼。伝統的な作品に加えて、これまでの砥部焼のイメージとは違う作品もバラエティに富んでいて、新鮮な気持ちになりました。
そして、砥部焼の持つシンプルで素朴な魅力を素敵だと思えるようになりました。

今回も砥部焼を見に行って、買って帰ったのがこちら。

私が勤めていた梅山窯の代表的な作品、唐草(からくさ)の反湯呑(そりゆのみ)みです。

先日ブログにも書いた、工藤さんの柘榴文(ざくろもん)の反湯呑み。

母が自分のコレクションの中からプレゼントしてくれました。

これは私が描いていた、なずな文の丸湯呑み。これも母のコレクションの中の1つです。


こちらは昨年から治療院でお茶を出す時に使っている、陽貴窯の蛸唐草文の反湯呑み。


こうして何種類か揃えると、ますます素朴な魅力が引き立つなぁと感じました。

とあるお店の片隅に、見覚えのある商品が。

良くも悪くも自分が描いたものは分かってしまうもの。拙い感じが恥ずかしくもありますが、一所懸命に描いたことだけは自信があります。

ちなみに私が描いていた絵付の中で一番好きだったのが、こちら。

葡萄文の玉縁鉢。
入職当時、祖母の友人が先輩として働かれていて、その方から直々に教えて頂いたのも良い思い出です。

私が窯元を辞める時に、私が書いた商品を一個ずつ買ってくれていた母。当時はそんなことしなくてもいいのにと思っていましたが、今ではそのおかげで懐かしさを感じられ、感謝です。

砥部焼から離れて17年、あれこれ考えずに素直に砥部焼っていいなと思えるようになって、良かったです。
コメント
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