はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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ヤイトバナ

2019-09-15 07:47:00 | 日記
可憐なのにネーミングが微妙だと思う植物の一つに、屁糞葛(ヘクソカズラ)があります。
別名に灸花(ヤイトバナ)。たくましい植物なのでどこでも見かけます。匂いが良くないので屁糞葛という名前が付いたのだとか。
私が最初にこの植物のことを知ったのは、5歳くらい。大好きだった祖父は1人で山へ作業をしに行くことが多かったのですが、その時は珍しく連れて行ってもらいました。
目に付いたものに触ろうとすると、それはかぶれるから触らない方がいい、とか、注意されながら歩いたのを覚えています。
そしてこの灸花のことを知らずに触れようとした時、それは臭いから触ってはダメ、と言われました。まだ花は咲いてない時期でしたが、この葉っぱは臭いんだ!と子ども心に強く焼きつきました。

大人になって灸花を見かけても意識することはほとんどありませんでしたが、治療院で花を生ける習慣を持ってからは自然といろんな植物を観察するようなり、この灸花の小さな赤い花がとにかくかわいく感じるようになりました。
灸花の名前の由来として、花の中心部の色がお灸の跡に似ているからという説があります。昔のお灸はもぐさを焼き切り、あえて皮膚を化膿させて免疫力を高めていました。そのやけどの痕の赤くなる様を見て、昔の人は名付けられたのかもしれません。
ちなみに現代では昔のような痕が残るようなお灸をすることはほとんどありません。


こちらは灸花の実。実もかわいいです。


コメント
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