はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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初秋の道東の旅 その3

2019-09-21 20:38:00 | 日記
3日目。
午前中は知床五湖を巡るツアーに参加しました。
前日知床に来てすぐ感じたことですが、なんとなく他のエリアと雰囲気が違います。雄大な自然は素晴らしく、そこに緊張感のようなものをピリッと感じました。
知床半島に多く生息しているヒグマは、アイヌ語で「キムンカムイ」と呼ばれます。意味は「山の神」。アイヌの人々は熊から生きるのに必要な分の命をもらい、熊を神のように尊んでいたと伝え聞きます。
知床は世界遺産に登録されたことで多くの観光客が訪れるようになり、人と動物、とくにヒグマとの距離感を保つのが難しくなった時期があったそうです。現在は一度に大勢の観光客が押し寄せないようにシステムを考え、ヒグマに対する正しい知識と対応を伝えるレクチャーを受けてから散策するようになっています。私たちが受けたレクチャーの中で、ヒグマが暮らしている場所に人間がお邪魔させてもらう感じだと話がありましたが、本当にその通りだと思います。

同じツアーに参加した計6名で、ガイドさんの案内のもと散策を開始しました。
6〜8月はガイドが同行しないと知床五湖を巡ることはできませんが、9月以降はガイドなしでも可能となります。ただ条件として、1人でも熊を目撃したらツアーは即刻中止となり、五湖の見学者も全員引き返さなくてはなりません。五湖すべて見ることができたらラッキーです、とガイドさん。物音、匂いなどに気を配りながら、慎重に進みます。個人的にはかなりドキドキして、慣れるまでに時間がかかりました。


雨の後だったので苔がみずみずしくてきれいでした。

知床五湖の周辺はトドマツが多いそうで、切り株や倒木の上にはトドマツの幼木が。盆栽みたいです。






クリスマスツリーのように育っているトドマツ。


ホコリタケ。初めて見ました。枝で突つくと、くしゃっと潰れると同時にホコリのように胞子が舞います。

枝で再度突つくと、ふっくら元の形に戻りました。不思議です!


ヒグマの爪痕。けっこういろんなところで見かけました。
雌熊が雄熊から逃げる際に木に登ることが多いのだとか。子熊は母熊からまず木登りを教わるそうです。

最初の湖、五湖に到着。

風がほぼ止んでいたので、湖面が鏡のように景色を映し出していました。
ガイドさんが、足元の草むらの中に全身真っ青な蛙を発見。色素異常のため生き延びることが難しいそうです。

次は四湖です。


知床は2週間前がきのこ祭りだったそうですが、まだまだきのこの姿を楽しめました。


どんぐりの木。ヒグマの食料の中でも貴重で、どんぐりが豊作だと翌年の子熊の数が増えるそうです。


タマゴタケ。これも初めてみました。ヨーロッパではよく食べられるらしく、とてもおいしいらしい。


四湖に到着。
少し風が出始めましたが、まだまだ湖面は鏡のようでした。



三湖近くで景色を眺めていると、頭の上でバサバサと音が。
エゾライチョウが木に止まっていました。
知床ではあまりエゾライチョウを見かけないそうで、ガイドさんはこれで2回目とのこと。

少し歩いて三湖に到着。




立派な舞茸。


イグチの仲間。イグチもおいしいそうです。


別の角度から見た三湖。


二湖へ進みます。


普段は水がない所にも雨の影響で水が流れていました。


二湖に到着。

岩の上にもトドマツが生えていました。


トドマツの松ぼっくり。

トドマツの松ぼっくりは樹上でバラバラになることが多いらしく、形が崩れずに落ちていることは本当に稀なのだそうです。

一湖に到着。

湖面の睡蓮は外来種と聞いてびっくりしました。



ツアーの最後に木道から見た眺めもとても美しかったです。

無事に五湖すべて見て回れてラッキーでした。


知床から斜里町に向かいます。国道334号線沿いから見た景色。

オホーツク海の色はきれいなブルーで、ずっと眺めていたくなりました。


しばらく進むと食事中のエゾシカ発見。


クラクションを鳴らされて少しびっくりしている様子でした。
北海道では鹿害が深刻になっているそうですが、共存するためにはせめて人間が穏やかで、不用意に動物たちを驚かせないことが大切なのかと思います。


周囲の景色が一望できるというオロンコ岩に到着。


岩壁を伝うように階段があり、それを登っていきます。高所恐怖症の方は厳しいかも。


頂上に到着。けっこうきつかったです。


どこを見ても良い眺めでした。

ゴジラ岩


ちょっとした散策路があり、花もたのしめました。


かもめが気持ちよさそうに風に乗って飛んでいました。


少し時間に余裕ができたのでオシンコシンの滝に立ち寄りました。





国道334号線はオホーツク海沿いなので、ずっと景色が素晴らしかったです。


斜里町とお別れ。


標津町に入りました。


まっすぐな道をひたすら走り、開陽台へ。


快晴だったので360°素晴らしい見晴らしでした。




写真ではうっすら中央に写っていますが、肉眼では国後島がはっきり見えました。



標津町では牛を近くで見ることもできました。

真正面もかわいい。


水を飲んでる牛。


陽が傾く中、のんびり過ごしているように見える牛。




標津町を出て、再びまっすぐな道を走り、弟子屈町へ。
大好きな屈斜路湖に立ち寄りました。




せっかくなので硫黄山も見に行きました。

以前来た時より硫黄の匂いがいい匂いに感じたのが不思議でした。


真ん中のぽこっと出ているシルエットは、、去年の冬にスノーツアーで行った藻琴山。


今回も美留和のお宿かげやまさんに宿泊。
秋の食材をたっぷり使ったお料理、どれもおいしかったです。

夜、摩周湖へドライブ。月明かりで星は見えづらかったですが、湖面に映る月が美しかったです。
月をもっとゆっくり眺めていたかったけれど、車の温度計で10度、風も強くて体感温度は一桁に感じるほど寒かったため、早々に車に戻りました。

宿に着いて温泉に入ると、温まってほっとしました。
コメント
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