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産む・産まない・産めない 価格:¥ 756(税込) 発売日:2007-01-19 |
松岡悦子編 日本のお産と女性の生き方について、女性の視点 からとらえ直す。かって家庭で行われていたお産がなぜ、いま医 療機関で約99%を占めるのか。大きな要因は、終戦後の占領軍 の政策で「家庭分娩を、非科学的・非衛生的で安全性が低いとさ れ、アメリカのお産をモデルとした近代的な施設分娩が推進」され たことと、女性たちの「安全・安心の希求」。だが「医療費抑制が進 む現在、人件費の節減や収益増加を迫られた病院が、一人一人の 状態に合わせて時間をかけたお産を行う環境を作ることは困難」と 指摘する。このほか、先進国では、女性が望む出産場所を優先さ せる政策に転換しつつあるとの報告や、帝王切開に関する世界の 状況と論争など、興味深い内容を11の章と4本のコラムで紹介し ている。執筆陣は、旭川医大の松岡悦子助教授(文化人類学)が 代表を務める「文化とりプロダクション研究会」の女性研究者14人。 講談社現代新書。