大人が絵本に涙する時 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2006-11-25 |
ノンフィクション作家の柳田邦男氏が呼びかけている。生きるうえ で本当に大事なものは何なのか、あらためて気づかせてくれる からだという。「砂漠のように乾いた心の大人に」あちこちで絵本を 薦めるようになって7年になる。自身も息子を亡くし、サンテグ ジュペリの「星の王子さま」をしみじみとした気持ちで読んだ。 そんな思いが、「大人が絵本に涙する時」としてまとめられた。 「心の故郷を思い起こしてとめどもなく涙を流し切ったとき、すが すがしい気持ちと生きる力がよみがえってくるのだ」。これが絵本の 持つ癒しの力なのだろう。人は長く生きるほど、喜びも悲しみも増え ていく。誰かとつながる。やがて別れや孤独を味わう。人生など 大抵は思うようにならない。大人たちは、結構くたびれているはずだ。 日本の自殺者は年間三万人を超える。その四割を40~50代の 中高年世代が占める。特に男性が多いという。癒しの機会は欠かせ ない。だから柳田氏は、家計をやりくりして毎月2千円を絵本に使お うと提案する。10年もすれば、座右の書が百冊以上になる。自分を それだけ耕しておけば、心がはっきりと「豊かでやわらかくなっている に違いない」。なるほど絵本は子供だけのものではない。