人体にはリンパ管と呼ばれる細くて透明な管が全身に張りめぐり、 やや黄色みを帯びたリンパ液が流れています。健康を守るうえで 重要な役割を果たすリンパ管は合流しながら、太くなっていくが、 その合流点を「リンパ節(リンパ腺)」という。主に首やあごの下、 わきの下、足の付け根などに多数存在する。リンパ節=腫れると 病気が疑われる部位 病原体と戦い感染を防ぐ最後の砦 ・・・リンパ液や血液の中に ある白血球の一種、リンパ球は病原体が侵入してきた時に仲間の 白血球とともに戦い、体を守る。リンパ液は毛細血管から漏れ出た 血液の成分を回収したもので、血管からリンパ管にリンパ球が流れ こんでいる。 抗原・・人体に侵入した病原体などの外敵の持つているタンパクを 中心とした分子 抗体・・外敵をやっつけるために、リンパ球が作るタンパク分子の 武器 抗原抗体反応・・抗原と抗体が結合して抗原の毒性を消したり、病 原体を殺してしまうなど、戦う相手次第で武器を変える免疫の方式 老廃物を運ぶ・・・古い細胞や血球のかけらなどの老廃物や小腸な どで吸収した脂肪分を運ぶ 全身には約800個のリンパ節がある 主な病原耳の周辺~外耳炎、中耳炎、内耳えん 首の両側~結核 あごの下~口内炎、虫歯やのどの病気 鎖骨の上~胃がんの転移、 肺ガンの転移 わきの下~手や腕の外傷やおでき 足の付け根~足 の外傷やおでき、淋病(りんびょう)や梅毒などの病気
顕微鏡で見ると・・・ リンパ液には、血球成分として顆粒(かりゅう)球、単球、リンパ球 などの白血球が含まれている。白血球は、外敵(抗原)の侵入を 知ると、即座に攻撃態勢に入り、相手をやっつけて人体を守って くれる。
リンパ球{(B細胞)リンパ球の免疫の代表戦士。全身の血管とリ ンパ管をパとロ-ルして、外敵を攻撃する。相手に応じて抗体を つくることができる。次に同じ外敵が侵入した時はその素性を記 憶しているので、すばやく対応できる・(T細胞)B細胞とともにリン パ球として活躍する免疫システムの中心的存在。免疫システム を活発にするヘルパ-T細胞、異物を攻撃してやっつけるキラ-T 細胞、免疫システムを一時抑制するサプレッサ-T細胞の3種類 がある} 顆粒球異物や細菌が侵入してくると、即座に食べてしまう 単球大型の単核細胞で、運動と食欲が盛ん→(変化すると)マク ロファ-ジ単球が変化したもので、白血球の中で最も大きく、 「貪食(どんしょく)細胞」「大食細胞」とも呼ばれる
リンパ節の構造と働き 大きさや形はさまざまで、顕微鏡で見ないと分からないものや アズキ大のものまである。 腫れた時は・・・病原体の勢いが強い場合は撃退できず、リンパ 節の中にまで侵入、さまざまな病気を起こす。リンパ節が腫れたり、 痛んだりするのは、病原体と戦っている証拠だ。 子どもが晴らすワケ・・・病原体に対する免疫が未発達なため、腫れ ることが多い。しかし、成長し、免疫が強くなっていくのに伴って、 減っていく。 ガンの発信基地に変身も・・・リンパ節でガン細胞が勝つと増殖し、 リンパ管を通って全身に広がり、発信基地になってしまうことがある。 ガンを発見して、その部分とともに、リンパ節も切除するのはこうした 理由からだ。