北大など マウスで突き止める
毛根で「17型コラ-ゲン」というタンパク質が不足すると、脱毛と白髪の両方の原因となることをマウスの研究で突き止めたと、西村栄美東京医科歯科大教授(幹細胞医学)らが米科学誌の最新号に発表した。 西村教授は「頭皮でこのコラ-ゲンが作られるような薬を開発すると、一部の脱毛や白髪を治療できる可能性がある」としている。髪の毛と黒い色のもとは、毛根に貯蔵されている毛包幹細胞と色素幹細胞。毛が再生産される際に使われる。西村教授らによると、17型コラ-ゲンの働きで毛包幹細胞が枯渇せず脱毛を防いでいることが判明。このコラ-ゲンは、毛包幹細胞が、「TGFべ-タ」というタンパク質を作るのにも不可欠で、このタンパク質の働きで色素幹細胞がなくなってしまわないことも分かったという。 マウスは通常、生後約2年間で老化し脱毛や白髪が起きるが、遺伝子操作で17型コラ-ゲンができないようにしたマウスでは、半年以内に白髪が目立つようになり、約10ヵ月で全身の毛が抜けた。TGFべ-タも作られていなかった。さらに人間の17型コラ-ゲンを作るよう遺伝子操作すると、再び毛包と色素の両方の幹細胞ができ、脱毛と白髪を抑えられた。TGFべ-タができても、色素幹細胞側で受け取れないように遺伝子操作をすると白髪になった。北大、金沢大との共同研究。