゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

ビ-トたけしと「団塊」アナキズム

2007-09-03 20:00:00 | 本と雑誌

神辺 四郎著 こうのべ・しろう 1946年生まれ。フリ-の編集                             者・ライタ-。著書に「誰がキリストを殺したか」         

ビートたけしと「団塊」アナキズム (集英社新書 402B)

ビートたけしと「団塊」アナキズム (集英社新書 402B)
価格:¥ 735(税込)
発売日:2007-07

評・下川 耿史 (風俗評論家)評者の印象ではビ-トたけしは、                              現代で唯一毒気のあるタレントである。今や漫才師という枠を超え、                           世界的な映画監督や文化人となって、かっての毒気はだいぶ色                             あせたが、島田伸介にしろ、明石家さんまにしろ、単に会話が上手                            なだけのタレントしかいなくなったテレビ界では、まだまだ異彩を放                            っている。たけしは1947年1月18日生まれ。つまり団塊世代の始                           まり、しかも早生まれだから、学年は一年上になり、団塊世代に対                            する批判精神も濃厚という微妙なポジションにいる(著者も同様で                            ある)。そういうタレントの中に団塊世代の特徴を探ろうとしたのが                            本書の試みである。

著者によると、団塊世代の第一の特徴は反権力・反権威主義に                             あり、その姿勢が同時に自分中心の「ミ-イズム」にもつながって                            いるという。反権威主義は一億総玉砕から一億総受験へあっさり                            転進した社会への不信感に基づくものであり、同時に受験競争に                            勝たないと何も始まらないという思いがミ-イズム(自分中心主義)                            を生み出した。たけしの毒舌、すなわち反権威主義は今さらいうま                            でもないが、映画監督や司会者として自分を押し出す姿勢は、団                            塊世代特有のミ-イズムによるものだという。そのほか「偽装せる                            モラリスト」であるとか、暴力肯定主義者など、これまでもたけしの                            特徴といわれていたことが、芸人としての個性ではなく、団塊世代                            に共通する特徴として語られている。しかも団塊世代は根本的に                             アナキストであり、たけしが具現化しているものも、そのアナキズム                           の表れだという。その点ではなかなかユニ-クな思いつきで、「なる                           ほどそういう見方もあるのか」と思って面白く読んだが、反面、団塊                            世代に対する具体的な言及がもっと欲しいという不満も残った。その                           多様性が捨象されて、団塊世代の特徴のすべてがたけし一人で                             説明されているため、彼以外の団塊世代がアナ-キ-どころか、                            存在感がやや希薄だと感じられてしまうのである。

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