米独チ-ム 発がんリスク減
さまざまな組織に成長できる新型万能細胞「iPS細胞」を、遺伝子を使わずに作製することにマウスの実験で成功したと米スクリプス研究所など米独チ-ムが24日、米科学誌セル・ステム・セルに発表した。がん化などの懸念が少ない安全な手法として注目される。京都大山中伸弥教授らが開発したiPS細胞は、皮膚などの細胞に四つの遺伝子を組み込んで作る。米独チ-ムの方法では、遺伝子は入れず、遺伝子が作るタンパク質をあらかじめ別に作ってから細胞に入れる。タンパク質をマウスの胎児の皮膚細胞に入れて約1ヵ月培養すると、iPS細胞になった。肝臓や心筋、神経の細胞などに分化することも確認した。また四つの遺伝子のうち、がん遺伝子を除いた3種類で作ったタンパク質を入れても、iPS細胞ができたという。細胞膜を透過させてタンパク質を細胞の中へ入れるのは、タンパク質が大きいため通常は難しい。だが富沢一仁熊本大教授(生理学)が、末端にアルギニンというアミノ酸11個を付けて効率的に入れる方法を開発。米独チ-ムはこの方法を利用し、アルギニンを作る遺伝子とiPS細胞作製に必要な遺伝子を組み合わせ、細胞の中に入りやすいタンパク質をだ大腸菌に作らせた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます