火坂 雅志 著 「羊羹合戦」を読みました。
秀吉の“紅羊羹”を超える羊羹を作れ―。
直江兼続より、翌年行われる関白主催の花見の会での上杉家の羊羹作りを任された庄九郎。
練り羊羹を味わったこともなかった庄九郎による、越後ならではの羊羹を求めての戦いが始まった。
久々に時代小説を読みました。
現在、一般的に「羊羹」と呼ばれているお菓子は豊臣秀吉の時代に初めてその原型が作られたものだそうです。
中でも紅色をした“紅羊羹”を秀吉が茶会の席の引き出物として披露して諸大名を驚かせました。
国に戻った諸大名は翌年のお茶会の席には“紅羊羹”を越える羊羹を出そうと、新しい羊羹作りを競う事になったのでした。
2009年NHK大河ドラマの原作となった「天地人」の主人公・直江兼続から命を受けた渡辺庄九郎が越後にあった新しい羊羹作りをする事になります。
様々な工夫を重ねて、ついに満足できるものを作り上げますが、それを食べた兼続は…。
結末はある程度予想はできましたが、爽やかなラストに好感が持てました。
その他にも、父の汚名をそそぐために大鯛を釣ろうとする「釣って候」、乗之助が妻子と人生をやり直そうとする「人斬り水野」などなかなか読み応えのある短編が納められています。
時代小説もたまにはいいね~。