わが映画コレクションでは黒澤明の映画が12本。
3年ぶりに一気に続けて鑑賞。
野良犬 1949年
バスのなかで拳銃をすられた刑事の話。
冷房もなく、真夏に汗が噴き出る暑苦しい当時の空気感がリアル。
物語の展開もさることながら、川上が現役選手で出場している野球シーン、東京の街並み、復員兵、闇市、盛り場など当時の雰囲気を生々しく蘇らせる。
羅生門 1950年
個々の俳優の演技が味わい深い。
殺された侍、その妻、妻を凌辱した盗賊の三人それぞれがまったく違う真実を述べるミステリー。
黒澤の名前を世界に知らしめた作品。
生きる 1952年
なんといっても志村喬の演技が素晴らしい。
煩わしいことは回避しリスクをとることもなく、何もしないことをモットーに凡庸に生きてきた市役所の課長が、胃癌で余命いくばくもないことを知る。
絶望的な気持ちになりながらも、「生きる」意義に覚醒していく主人公の姿を感動的に描く名作。
七人の侍 1954年
言わずとしれた黒澤の代表作。
ユル・ブリンナー主演「荒野の七人」にリメイクされた。
207分はさすがに長いと思うが、個々の人物描写は素晴らしく、飽きさせず見せる。
蜘蛛巣城 1957年
シェイクスピアの「マクベス」を戦国時代に置き換えた映画。
物の怪の予言に不審を覚える武将を、妻が執拗に憑かれたかのように予言の実現を迫り、悲劇の結末へと導いていく。
山田五十鈴の鬼気迫る演技が怖い。
当時、小学生だったので、ラストのたくさんの矢が飛んでくるシーンしか記憶になかった。
隠し砦の三悪人 1958年
黒澤定番出演の千秋実と藤原釜足の百姓コンビが「スターウォーズ」のC-3PO と R2-D2 の元ネタであることは有名。
男まさりの姫、上原美佐が凛として独特の雰囲気を醸し出す。
黒澤作品は、若きジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグに大きな影響を与えた。
悪い奴ほどよく眠る 1960年
父親を自殺に追い込んだ権力に対する復讐劇。
着々と悪い奴らを追い詰めていくが、ラストは一転虚しさを漂わせる。
用心棒 1961年
黒澤作品のなかでは、次の「椿三十郎」と並ぶ娯楽性の高い作品。
面白い映画を見た満足感を覚えながら映画館から帰路についた記憶がある。
マカロニウエスタンの先駆けとなったクリント・イーストウッド主演「荒野の用心棒」にリメイクされた。
椿三十郎 1962年
加山雄三、田中邦衛などの若侍の青臭さと三船敏郎の練達ぶりを対比させる演出が見事。
小林桂樹の役柄など黒澤にしてはけっこう笑えるシーンが多い。
天国と地獄 1963年
緊迫感を途切れさせず、ぐいぐいと引き付けられて目を離させない展開は、さすが。
黒澤映画の定番俳優総出演の趣き。
赤ひげ 1965年
ヒューマニズム溢れる名作。
加山雄三がなかなかいい。
二木てるみの演技が素晴らしい。
賄いのおばさん達のキャラがまたいい。
影武者 1980年
勝新太郎の降板のいざこざや製作費増大で話題となった。
フランシス・F・コッポラとジョージ・ルーカスが製作に参加。
1970年あたりから娯楽色が消え、芸術性への傾斜が強まって、独りよがりのつまらない映画になっていったと思うなか、これはまだなんとか許容範囲。
1060年代までが黒澤映画の黄金期だと思う。
安倍元総理の突然の逝去はショッキングな出来事だった。
各国の首脳はこぞって(あのプーチンでさえ)安倍元総理を讃える追悼の言葉を寄せ、国によっては国をあげて喪に服したり、半旗を掲げたりした。
そんななか、中国と韓国のネットでは祝福歓喜のコメントで満ち溢れ、山上容疑者を英雄視するコメントまであるという。
なんということだ。
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