くに楽

日々これ好日ならいいのに!!

身の上相談

2007-12-28 18:31:26 | 四季おりおり
今年の正月準備は思いのほかはかどると喜んでいたら
趣味のお稽古でご一緒していた86歳の方から
突然電話で(涙声で)どうしたらいいのでしょう・・・・・
という電話
彼女も私と一緒で子供がいない
連れ合いは11年前に逝去されている
2年ほど前に お稽古は中止された
以後は暑中見舞いと年賀状のお付き合い
なぜ 私に相談?

お稽古場で立場のよく似た私のことを先輩として面倒見てくれていた
しっかりした方で
趣味も多彩 いまでも家事はすべてなさっているはず
私の頭の中には 彼女のことなど何もなかった

空白の2年間のあれこれの話をしながら
お茶を飲み、昼食をし4時間ばかり
話をしていると

実は最近すこし物忘れがひどくなり
金銭のやり取りでトラぶったり
出かけた先で 道順がわからなくなったり
するようになったらしい
それを ディサービス(週4回かよっている)の職員さんに告げると
特別養護老人ホームを紹介してくれた
早速 2日ほど体験に出かけると
どうも 自分の思い描いていた内容と
だいぶ違っていたらしい

入所している方たちは
新しい人には興味を示してあれこれ質問をし
しばらくすると、また同じ質問を繰り返す
お風呂も監視人はいるけれど 勝手が違うらしい
(現在はディサービスで入浴してる。職員さんが手取り足とりで
親切に洗髪までしてくれるらしい)
そして、なによりも自分で生活をしている感じがしない という。

2泊して帰宅すると、どうしていいのかわからなくなって
特養の方からは「どうなさいますか 契約なさいますか」と
いわれるし、お金の管理を頼んでいる甥からは
「心配やから入居したら」といわれるし
悲しくなって、ふと私を思い出したらしい。

う~ん 話してみると以前と少しもお変わりない
食事も好き嫌いなくなんでもおいしそうに食べる
「あなたに話したら、会ってくれるというから夕べは自宅だし
よく寝られたわ~」とうれしそうに笑う。
もうしばらく、この生活を続けたい!!
これがいいたかったのだと理解した。

もしものことも、地域の世話人さんにお願いしているし
自分で愚痴った言葉で周りが気を利かせて
世話を焼いてくれたんだから
自分で「もうすこし このまま生活したい」と
はっきりと態度と言葉で意思表示してみたら、と
いうと ほっとした様子。

お正月がもう目の前なのに
何の準備もしていないという
お重は作らないで 好きなものだけ買うわ、
注連縄はもう飾らない おもちも形だけ
なんだ 段取りはできているじゃないの
手伝わんでもいいのと聞くと
ええ 大丈夫。 気持ちが楽になったから
がんばるわ

86歳の彼女 えらいな~
自分の将来を見るような気持ちで
タクシーで帰る後姿を見送った