Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

シカゴ日本人学校全日校中学部、ジャパン・フェスティバルにて、ソーランを舞う!

2008-06-25 | シカゴ日本人学校全日校
6月21日、ジャパン・フェスティバルの1日目、フォレストビュー・エジュケーショナル・センターにて、恒例のシカゴ日本人学校全日校中学部のソーランが披露された。今年は、中学部の人数が増え、舞台いっぱいに生徒たちが、エネルギッシュな踊りを見せ、溢れかえった観客に感動の渦を巻き起こした。

最初、ソーランの踊りの前、中3男子による力強い太鼓のパフォーマンスで、気合を入れる。どっしりと構えた足腰を大きく前後に開き、放射状に手がピシッとのびる。汗がほとばしるかのような迫力で、私たち観客を引きつける。太鼓をたたく手が、ピタッとまっすぐのびて決まる。生徒たちの真剣な表情が、本当に美しい。冒頭から、会場全体に「まさに日本!」の雰囲気をかもし出すのに大成功。


最初の太鼓パフォーマンスで、観客の度肝を抜く!

観客が太鼓のパフォーマンスに感心している中、ソーランが始まる。床に手足をついた構え。そして、手を上に交差しながら、つきだす。この動きがきれいにそろっている。このイントロが決まると、後は踊りにまっしぐら!



腰を落とした漁をする漁師たちのイメージが生徒たちを通して、浮かんでくる。この腰を落として、足を広げるポーズが決まるようになるまで、時間がかかるだろう。上の息子は、普段からストレッチをして、体を柔らかくしているので、このポーズがうまくきまっていて、見ていて気持ちがいい。



去年のジャパン・フェスティバルで、当時中1の息子たちが初めてソーランを踊った時は、私たち親たちは、ちゃんとできるかどうか心配であった。息子は比較的早くソーランの動きを覚えていたが、中には複雑な動きをするソーランを覚えるのに時間がかかった生徒もいて、中3が熱心にマンツーマンで教えていた。




1曲目と2曲目の間に、再び、太鼓で気合を確認!カッコいい中3男子に保護者は、ほれぼれ!自慢しちゃいそう!


今年の中1もそうだったろう。2日前に練習を見学したときは、なんとなく自信なさそうな生徒もいて、ぎこちなかったのが、本番では、見事みんなそろっていた。去年の中1も本番では、ばっちりだったから、不思議だ。本番で、実力以上の力がでるのだろうか。




フィニッシュの富士山のイメージ決まる!大漁のイメージも!

ソーランは、7年前ぐらいに、当時の中学部のオガタ先生が、(すでに日本に帰国されている)全日校に紹介した。オガタ先生は、たしか横浜の中学から赴任されて、赴任前の横浜の中学で、ソーランを取り入れ、荒れた学校を再生されたと聞き、全日校にはすごい先生がいるものだと思った。その先生がシカゴで教えたソーランが、今やシカゴ日本人学校全日校中学部の伝統となり、部活ができないシカゴ日本人学校で、部活のような先輩後輩の関係を深める強い絆となっている。

私は、2003年頃文化祭で、初めて中学部のソーランを見た。その時の衝撃は、今も鮮明に覚えている。オガタ先生自身も端で、黒いマントをはおい、そのマントをたなびかせながら、生徒以上にエネルギッシュに踊られ、その姿が目に焼きついている。その時にソーランをリードしていた中3の女子の力強い踊りも忘れられない。あまりにすごくて、目頭が熱くなったほどだった。そして、そのときは、筋書きにない、なんと「アンコール!」まで飛び出し、それに答えて、生徒たちは、もう一度舞った。そのときに、「全日校ってすごい!」と思ったものだ。それ以来、毎年中学部のソーランを見ながら、上の息子は、「いつかソーランを踊りたい!」と心に誓っていた。

そして、去年その夢が実現。今年は、円熟したソーランを見せてくれた。見ている私たちは、安心して、息子たちの踊りを堪能できた。もう一度、「アンコール!」がでるほどの全員の力が結集されたエネルギッシュなソーランを舞ってほしいものだ。


初めてのソーランデビューを飾った中1生 まだあどけなさが残る 頑張って踊りぬいた後、ほっとした表情で、担任の先生と


ソーラン円熟期に入った中2生

ソーランは、日本でも多くの学校で運動会で取り入れられたりして、教育材料として使われているという。しかし、このシカゴの地の、ジャパンフェスティバルという多くのアメリカ人の目に触れる晴れの舞台で、ソーランを舞うことに大きな意義があると思う。ソーランを踊ることによって、生徒たちは日本の伝統を守ることを認識し、そして、シカゴ日本人学校全日校の伝統が受け継がれていくのである。