山岳ガイドの長野のKBさんから、南アルプス北岳の秋の花や、荒船山の
オオイワインチンの花の写真がメールで届きましたので紹介します。
簡単な解説は、山と渓谷のハンディ図鑑「高山に咲く花」から引用した

キタダケトリカブト(北岳鳥兜、別名キタダケウズ)キンポウゲ科トリカブト属
分布 本州(北岳) 日本固有 基準標本 北岳
同定のポイント ①花柄と萼の外面に曲がった毛が有る
②根生葉は花時にも有り、葉身はほとんど基部まで分裂し
終裂片は幅1~3ミリ。

サンプクリンドウ(三伏竜胆) リンドウ科サンプクリンドウ属
分布 本州(八ヶ岳、南アルプス) 日本固有 基準標本 三伏峠
同定のポイント 花は5数性、ほかは属の特徴と同じ
属の特徴①花は4~5数性。②花冠は浅裂、裂片は花筒より短い
裂片の基部には2裂する内片が有って喉部をふさぐ
(ふさがれてシベが見えない-minoの注)
高山帯の草地に生える1~越年層。高さは2~9センチ
花期は8~9月

白花タカネビランジ、タカネビランジのシロバナを
シロバナタカネビランジという。
タカネビランジは南アルプスの北部に多く、シロバナは南アルプス
南部に多い。
タカネビランジの分布は本州(南アルプス) 日本固有
基準標本は鳳凰山

ヒメセンブリ(姫千振) リンドウ科ヒメセンブリ属
分布 本州(八ヶ岳、南アルプス) ユーラシア北部
基準標本 オーストリア
①花は4~5数性。②花冠は深裂する。花冠の裂片の基部に
2個の腺溝があり、細裂する鱗片におおわれる。
高山帯の草地に生える1~越年草。高さ2~15センチ
花期は8月~9月

アオキラン、(青木蘭) ラン科トラキチラン属
分布 北海道、本州(北部・中部)
ブナ林の下などにまれに生える腐生植物。
高さ8~15センチ。茎は黄褐色を帯び、紫褐色の斑点があり
2~5個の鱗片葉をつける。
8月~9月 4~7個の花を総状につける。
和名は、発見者の一人、青木信光氏を記念してつけられた。
広卵形の唇弁には紫色の斑点があり、その後ろに距が垂れ下がる。

アカイシリンドウ(赤石竜胆) リンドウ科タカネリンドウ属
分布 本州(日光女峰山、南アルプス釜無山~白岩山・荒川岳
千枚岳・赤石岳) 日本固有 基準標本 地蔵岳
ポイント①茎は紫色を帯びることが多い。
②花冠裂片は淡青色で、先はまるい。
亜高山帯~高山帯の砂礫地に生える1~越年層。
高さは5~30センチ。花期は8月
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シナノアキギリ(信濃秋桐)・松原湖付近で撮影
シソ科アキギリ属 分布は 本州(群馬県と長野県)
山地の木陰に生える多年草。高さ50~80センチ、全体に
腺毛が多い。葉は対生し、長い柄があり円心形で長さ8~20センチ
鈍鋸歯があり、両面に軟毛が多い。
茎頂に総状に唇形花をつける。
花冠は2~3センチ。 花期は8~10月

イヤリトリカブト、キンポウゲ科、多年草
このトリカブトは、手持ちの図鑑には載っておらず、森づくりの
参考に買った「
信州の希少植物と森林(もり)づくり」の解説を引用
いたします。
分布 本州 日本固有
生育環境 山地帯多雪地域の湿地や小川に沿った所
生育状況 湿地の開発や植生の遷移等で減少している
類似種 ツクバトリカブトの変種なので、ツクバトリカブトが
類似している。ツクバは直立するものが多い。
茎はよく
分枝してつる状にのび、高さ100~300センチ。
葉身は掌状に3つに深く裂け、長さ9~20センチ、幅11~
20センチで、裂片の縁は鋸歯状になる。
花はかぶと状で青紫色、
花柄には曲がった毛が生える。
県内に多く見られる
ツクバトリカブトの変種
開花期は9月~10月
長野県と環境省の絶滅危惧ⅠA類に指定されています。
(文献には書いてないが、名前はもしかすると大町市の居谷里湿原に関係するかも)
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オオイワインチン・荒船山で撮影
キク科キク属、大岩茵陳 別名トガクシイワインチン、トガクシインチン
分布 本州(群馬県荒船山・妙義山、長野県、富山県・黒部渓谷)
基準標本はシベリア
同定のポイント①葉は長さ5~6センチ、裂片の幅は1.5~3ミリ
②頭花は直径5~6ミリ。
亜高山帯の乾いた草地や岩場に生える多年草。高さは20~60センチ
花期は8~10月
日本の固有種であるイワインチンよりも一回り大きい

同じく
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観察中のナンバンギセルのおもしろ写真

ナンバンギセルの横顔、なんだこの顔は

正面から見ると、こんな顔
昨日の観察会でSKさんに写真を見せたら犬の顔に見えるという
先日は人の顔にそっくりな「
人面ナンバンギセル」を載せたが
今回は、その第二弾 「犬面ナンバンギセル」と命名

こちらは新しく咲きそろった美形のナンバンギセル

最初に咲いた花は、種をつけ始めている。
昨日、筑波山観察会に参加したのは良かったが、帰ってきたら
完全にダウン。
その上、自宅周辺はしばらく停電して水もトイレも使えず
未だに体がふらふらするし、明日からの草刈りが心配だ