11月8日、北茨城市の栄蔵室(えいぞうむろ)882メートルに登ってきた
山の名前は、その昔、栄蔵という猟師が山に小屋(室)かけして猟をしていた
事にちなむという。
北茨城市では、単独の山としては、筑波山よりも標高が高い県内の最高峰で
あると自慢している山である。(県境の八溝山と高笹山を除いて)
標高だけで言うなら、確かに筑波(877m)より標高が5m高い山である。
というわけで、筑波山の地元に住む私としては、一度は登ってみたいと
思っていた。
だが、北茨城市の花園渓谷は、つくば市からは遥かに遠い。
その花園渓谷から入った猿ケ城林道に栄蔵室の登山口がある。
一度下見に行った事があるが、あいにくと猿ケ城林道が通行止めであった
ところが今回は、猿ケ城林道は走れるのに、27号線が逆に通行止めであった
花園渓谷の先の猿ケ城林道入り口で、27号線に通行止めの柵を立てて
警備員が左の猿ケ城林道に迂回するように指示していた。
栄蔵室に登る私としては、何の不都合もない(笑)
猿ケ城という珍しい名前の由来は、山と渓谷の「茨城県の山」の花園渓谷の
記事に紹介されている。
源頼朝が伊豆で挙兵した折、常陸を支配していた佐竹氏は、平氏方であった
佐竹秀儀は金砂山(かなさやま)に籠って、頼朝の軍勢を迎え撃ったが
怒涛の如く押し寄せた頼朝軍に敗れて、花園山の洞窟に潜んだという
その時、周辺に棲む猿から食べ物をもらって生き延びたという逸話があり
その縁で猿の字がつく地名になったという。
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栄蔵室、標高882メートルの山頂と三角点で記念撮影した証拠写真
(例によって顔に若干モザイクを施した)
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山頂表示と三角点の写真、展望はほとんどない。
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猿ケ城渓谷の滝と紅葉
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上に同じ、千猿の滝の表示がある入り口から谷に降りて撮影したが
どれが千猿の滝か雷雲の滝か表示がなくてわからなかった。
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栄蔵室の北口登山口の表示、ポイント1
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北口登山口に入るには、ガードレールの切れ目から入って
ガードレール沿いにポイント1まで歩く
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ポイント2の案内
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ポイント3、ポイント1からこの辺までは、山間の沢筋を歩くので
小さい小川の丸木橋や板橋を13回もわたる。
雨の降った後は、増水していると渡れない可能性もあるので注意が必要
ほとんど平坦な道だが、踏み跡のような登山道なので、しっかり確かめて歩こう
ポイント3の先の苔むした丸木橋を渡ると、いよいよ登りが始まる
やがて、右に直角に曲がって植林地の尾根を越えていく
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ポイント4、尾根を越えて下ったところにあるポイント
右に少し進むと、広い林道に作業小屋の立つ栄蔵室林道支線になる
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作業小屋のある栄蔵室林道支線のここが終点、ここから広い林道を
ポイント5を目指して歩く
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林道支線の様子
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ポイント5、栄蔵室林道本線に丁字路で突き当たる
ここは左に曲がって栄蔵室を目指す
ちなみに、ここを右に行けば林道本線の入口がある亀谷地湿原の脇に
抜けるらしいが、確かめていない。
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今まで歩いてきた林道支線の基礎石が角に据えてあった
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ポイント5にあるルートマップ
これで見ると、次のポイントは6の筈だったが、その手前に近道があった
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北茨城山の会の栄蔵室の案内板があったので、ここから右の山道に入った
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樹林帯の尾根を越えて下ると、笹原の中にゲートがあり、その先に
栄蔵室山頂の案内があった
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山頂案内の付近から登山道は散りもみじに彩られていた
曇り日の 栄蔵室の 山のみち 染めて明るき 散りもみじ花 (mino爺読める歌)
(最後の語句が平凡だったので、造語ですがもみじを花にたとえて、もみじ花 に変えました)
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曇り空でももみじは鮮やかだ
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きつい坂道を上ると、栄蔵室展望富士見台という展望台があった
曇り空で展望は効かないが、私はここで昼食にした。
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この展望台には、関東富士見百景のプレートが貼ってあった
ここから穏やかな尾根を登ると、すぐに山頂に着いた
登山口に何台か車が止まっていたが、登山者は誰もいなかった
どうやら皆さん花園山との周回コースを歩いているようで、
私のように同じコースをピストンしている登山者がいないと見える
後で調べると花園山との分岐から、南口登山口へ作業道を歩くと
30分ほどで南口に行けるらしい。
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南口登山口の様子
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南口登山口から作業道の様子
今回は、途中で水沼ダムに寄ったり、花園神社にお参りしたので
登る時間が遅くなったが、楽しい山旅だった。
猿ケ城林道や栄蔵室のコースについては、山と渓谷の「茨城県の山」に地図が
載ってますので、そちらを参考にしてください。