春のきざし 花と綿毛
北関東でも温暖な筑波にいると、雪景色が懐かしくなる
私の田舎の岩手でも、実家は豪雪地帯では無かった
有るとき、駅なかに温泉のある湯田に行って、のんびりと
温泉につかった記憶がある
秋田行きの列車がくると、湯船の中まで聞こえるような
アナウンスが有る
「何時何分発の秋田行きが参ります」
それからゆっくり着替えても余裕のあるような時間だった
幼い頃 あまり丈夫で無かった私を心配して、祖母がよく
温泉に連れて行ってくれた
今は無くなったが、真湯温泉というのが川縁にあって
栃の実を拾った事を今でも覚えている
あれは栗駒山に割と近い場所だったと思う
栗駒山は豪雪地帯で、冬には行くことが出来なかった
遅い春が来ると、川べりの土手にユキワリイチゲが咲いて
それを眺めて歩いた
北国なのに、この辺のイチゲより花がでかかった。
懐かしきほっと湯田
駅の湯船で 列車をまでば
秋田に抜ける汽笛が響く
ああ 我がふるさと 雪が降る
幼い頃にばあさんと 湯船に浸った
真湯の宿で 栃の実拾った川べりは
今でもイチゲが咲くだろか