花友kさんが、私たちを案内してくれた回も含めて、3週続けて池の平に
かよった6月の、湯ノ丸・池の平の花の写真を「習慣(週刊)池の平花・
6月度ベスト写真集」として送ってくださいました。
何と言っても最初の目玉は「イチヨウラン」の写真から

イチヨウラン(一葉蘭)、ラン科イチヨウラン属
深山の林内に生える多年草。根茎は細く短い。葉は1個で卵円形で長さ3~6センチ
花茎は高さ10~20センチ、先に1個の花をつける。
萼片、側花弁は淡緑色で紫色の斑点がある。唇弁は3裂し、中裂片は大きく、白色で
紫色の斑点がある
花期5~7月 以上「山と渓谷社」の「山に咲く花」から引用
ただし「浅間・軽井沢自然観察ガイド」では、花期が5月下旬~6月下旬」と書いてある
ので、池の平の場合、6月上旬が最も良い時期と言えるかもしれない。

イチヨウラン
名前は茎の根元に一枚の葉がつくので「一葉蘭」と呼ばれる
それにしても、この時期のイチヨウランの数には圧倒された。

咲き誇るイチヨウラン、次から次へと見つかるので、目移りして忙しい(笑)

花友kさんによれば、イチヨウランの咲き始めのころは、スミレのように
葉が立っているものが多いという。
以下葉の立っている株の写真を掲載

知人のMSさんが見たいというイチヨウランを見てもらうため
小雨模様の天気の中、3時間かけて行った池の平、行ったかいがありました。
続いては、コマクサの咲いている砂礫地に咲いていた「イワハタザオ」

イワハタザオ(岩旗竿)、アブラナ科ヤマハタザオ属
深山に生え、高さ20~40センチ。茎に星状毛がある。根生葉は長柄がある。
茎葉は茎を抱き、長楕円形で長さ2~5センチ。
両面に星状毛があるが、無毛のこともある。
茎頂に白色の4弁花を総状に付ける。長角果は長さ3~6センチの線形で湾曲する
花期5~6月 分布 本(中部地方以北)
なお、根生葉の葉柄が長く、角果が長さ7~9センチと長いものを、
シコクハタザオ
(四国旗竿)という。分布は、関東地方南部~近畿地方、四国、九州である。
(「山に咲く花」から引用)

イワハタザオの群落

イワハタザオのアップ

イワハタザオ
次は鏡池の近くに咲いていたヒメシャクナゲ

ヒメシャクナゲ

ヒメシャクナゲの群落
次は「ツガザクラ」

ツガザクラ(栂桜)、ツツジ科ツガザクラ属
高山の岩場の隙間や礫地に生える。小さく可憐な釣鐘形の花を
多数つける。
和名は葉が栂に似て、花が桜色であることにちなむという
ツガザクラには、いくつかの種内変異が知られていて、萼と花柄が緑色の
アオジクツガザクラ、花が上向きのものは「ソラムキツガザクラ」と呼ばれる
と書かれているが、ソラムキツガザクラとは笑える(笑)
この写真の花の上に注目、Kさん狙って撮ったのかな。

ツガザクラ

ツガザクラのアップ
花友Kさん曰く「なかなか見れないレアショット、死にそうになりながら撮った」
さぞかし息をつめて撮ったのであろうと想像すると、、、、、、。
次は栂などの樹林の下でよく見かけた「ツバメオモト」

ツバメオモト

ツバメオモト
花友が「ふわふわだった」と書いてよこした
次は「ツルツゲ」三方ケ峰と池の平の間の岩場に咲いていた

ツルツゲ(蔓黄楊) この花については、6月17日付の開花情報には出ていたが
「花かおる湯ノ丸・高峰高原」という花図鑑には記載されていないので、福島の
「吾妻山の植物」から引用する。
常緑の蔓状小低木で、雌雄異株。枝は細長く横にはい、所々で根を出し よく分枝し
上部は少し斜上する。葉は互生する。葉身は細長く楕円形で長さ2~3センチになり
葉質は硬く革質で表面にしわがある。
葉縁には少数の鋸歯がある。花期は6~7月ころで葉腋に白花をつける。
雄花は数個ずつつき、雌花は1個ずつつく。花のあと赤色ので球形の核果をつける
和名は、イヌツゲの仲間で、蔓状に伸びているので。
「ツゲ」とは「次ぐ」から転化したもので、葉が次々とついているから名付けられた

上の説明からすれば、これは花が数個ついているので雄株のツルツゲとなるであろう
(ああ疲れた(笑)) Kさんビジターセンターで次回確認してくださいね。
追加説明、名前にツゲとついているが「ツゲ」とは全く別物で、モチノキ科モチノキ属
に分類される植物。
「ツゲ」はツゲ科ツゲ属で、葉が対生するのに対して、
ツルツゲは葉が互生するので
見分けられる。
同じモチノキ科モチノキ属にはイヌツゲがあり、同じように葉が互生する。
次は花友が探していた「ヒメイズイ」

ヒメイズイ(姫萎蕤)、キジカクシ科アマドコロ属
萎蕤とは、アマドコロ類の根茎を乾燥したもので、滋養強壮薬。
なので、ヒメイズイとはアマドコロに似ているが小さいのでヒメが
付けられたもの。
山地や海岸に生える多年草。茎は高さ20~50センチ、稜角がある。
葉は長さ4~7センチ、ふちと裏面脈上に小突起がある。
花は葉腋から1~2個下垂し、花筒は長さ1.5~2センチ
花糸に乳頭状突起がある。液果は球形で直径8~9ミリ、黒紫色に熟す
花期 6~7月 分布 北、本(北部、中部地方)、九

ヒメイズイ 乳頭状突起?が見えているのか(笑)

ヒメイズイ
内花被片3個、外花被片3個 花被片の先は緑色で、突端に白い毛状
突起がある
葯は6個で花糸は花被片に中央の先まで合着している

ヒメイズイ
次は変わり色シリーズと銘打って送られてきた花?

ショウジョウバカマのピーク過ぎ、私はキバナショウジョウバカマと親父ギャクを
言ったが、信じる人がいたらシャレにならないが、探すと結構見つかった。

レンゲツツジの赤みの少ない花、湯ノ丸のレンゲツツジは国の天然記念物に
指定されている。
通常はオレンジ色の花が中心だが、花色は赤から黄色まで色々あるという。
その中でも黄色の花は「キレンゲ」と呼ばれるという珍しいタイプである
これはそのキレンゲに近いタイプと思われる。
キレンゲは珍しいゆえに盗掘が相次ぎ、今ではまれにしか見ることができないという
花探索隊長のKさんが目ざとく見つけて激写したのはさすが👏

コマクサ(駒草)の白花、コマクサの名前の由来は、つぼみを横から見ると馬(駒)の頭に
似ていることによる。
丁度この白花は蕾状態なので、名前の由来がわかる。
コマクサ(駒草)、ケマンソウ科コマクサ属 別名カラフトコマクサ
古い分類ではケシ科になっていたが、現在はケマンソウ科に分類が変わった
花弁は4枚で、外側の2枚がくるりと反転し、その基部は袋状に丸く膨らんでいる
内側の2枚の花弁は、剣のようにまっすぐ突き出している。
他の植物が進出しない風の強い砂礫地に、深く根を下ろし、気品高く咲くさまは
まさに高山植物の女王と呼ばれるにふさわしい。

やりましたねKさん、コマクサの赤白競演
なお、コマクサの白花品は「
シロバナコマクサ」というと「高山に咲く花」
には出ている。
次は「イワカガミのある風景」として送られてきた写真

倒木の根元にイワカガミが群生している
この唐松の倒木は、私も毎回撮影している「根性倒木」で、枝がまっすぐ
天を向いて林を作っている。
時々、疲れた登山家が腰を下ろして休んでいる人助けの倒木でもある

木道を歩くと湿原に生えている唐松の根元に、無数のイワカガミの
群落が見える。
今年は「イワカガミの当たり年かね」と話しながら見とれていた。
霧が山を駆け上がっていく。
次はオオヤマフスマのアップとツマトリソウの花と蕾

オオヤマフスマのアップ写真
オオヤマフスマ(大山衾)、ナデシコ科オオヤマフスマ属、別名ヒメタガソデソウ
追記、改訂新版の「日本の野生植物4」では、ナデシコ科
ノミノツヅリ属に分類
されているというので、そちらが正しいかもしれないが、私は持っていないので各自確認してください
山地の草原や道端になどに生える多年草。
高さ5~20センチ。茎は有毛で細く、上部で分枝する。葉は対生し、楕円形~長楕円形
で長さが1~2センチ、3脈が目立ち、両面に細毛がある。花は白色の5弁花で直径が
約1センチ。花期6~8月 分布 北、本、四、九

ツマトリソウ

ツマトリソウの蕾
一瞬別物と思ったというツマトリソウの蕾の写真
最後はkさんが「美人妻」と書いた褄ありの「褄取草」

まさしく褄取りにふさわしい色がついているツマトリソウ
恥じらいて つけたか紅の 褄の色 乙女の花の 夏の始めに
褄ありツマトリソウにちなんでmino駄歌進呈(笑)
完