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『SEMPO』10回目~大千秋楽~

2008-05-08 23:19:06 | 吉川晃司のこと
@新神戸オリエンタル劇場

年末の代々木の衝撃、東京初日の緊張、回を重ねるごとに増してくる感動と楽しさ、
まだまだ観ていたいと思う頃にはもう千秋楽。

これが最後と思うとなんともさみしい
最後だから吉川の姿だけをじっと目で追いたい気もするけど
でもやっぱり全部を見届けたい。
そんな気持ちで幕が開く。

ニューヨークのダンスシーン
赤いスーツ姿のグッシェ、じゃなくて田村さん、腰のキレがいい。
みんなが手をぐるんとまわすところが好き。

カイムの歌には毎回揺さぶられるんだけど、いつも以上にあふれんばかりの感情。

フィンランドの日本公使館のパーティーシーン
SEMPOさん外出中でよかったよ、と思ったけど
回を重ねるうちに節ちゃんやソリーがいるのを見つけられて
楽しくなってきた。
♪いちおくななせんま~ん のところがどうしても
ロトとか宝くじとかのCMのように見えてしまったんだけど、
お着物で小走りしながら歌う森奈さんかわいらしい。

ソ連、日本、ドイツの3人娘さんのところは最初はちょっと苦手だった。
歴史的背景を重苦しくせずに見せるやり方なんだろうけど
どうもわかりにくいのと違和感があるのとで、長く感じちゃってた。
でも、3人それぞれの表情やダンスを観てるととても表現豊かで
見所いっぱい。
ルネさんはダンスが上手だし、歌もブレなくてすばらしい。
ユダヤ人のなかにもルネさんがいるのがびっくり

節子さんと幸子さんの歌う♪夜の色
やさしい声なんだけどちょっと悲しい。

エバとノエルのシーンは、昭和のカップルとか言っていたけど
2人の歌う♪愛が私に命ずることは歌詞が深い。

大好きなSEMPOさんとソリーの出会いのシーン
ほほえましくてつい笑顔になってしまう。
後ろを振り向いて軽く振るてがキッカワコージ。
ソリーがかわいい。

ハヌカのシーンでは、幸子さんと仲良げなところに毎回ちょこっとジェラシー。
腕つかんでる~みたいな。
このシーンでのニーナの演技。
セリフがないのに体からあふれている恐怖感。
役者さんってすごい。

ジェセフさんとエリーゼ、エバの家族愛。
家族を救おうとするジョセフさんと、娘に生きることをたくして力つきる
エリーゼには毎回涙。
井料さんのブレのない歌唱力がすごい。

ドイツ兵を演じている宇都宮さんの声量。
壁がビリビリしそう。

ユダヤの代表団5人の命がけの嘘。
ニシュリのキラキラした目。

自分が“最後”っていう気持ちで観ているせいか、
歌もセリフも伴奏もすべてがいつもより、大きく強くココロに響く。
あっと言う間の一幕ラスト。
♪光と影に息ができなくなるくらい揺さぶられる。
この人はどうしてこんなにココロにひびく歌が歌えるんだろう。

二幕目に出てくる日本兵。
最初はずっと頭をかかえるSEMPOさんばっかり見ていて、お面をかぶっていることに
気付かなかった
途中でお仲間に、あぜちさん、今さん、沢木さん、宇都宮さん、水澤さんが
いるって教えてもらって、おお~。
そう言えばあの動き、沢木さんだー!みたいな。

♪掌もたまらない。
ファン目線で見ると階段に座っている脚の長さがたまらんのだけど
そうじゃなくて歌と声がひびく。

この歌が終わるとなんか、SEMPOさんが“ふぅ~、やれやれ”みたいなおじーちゃんの
動きになっちゃうのはなぜだ?
助けてくれるよね、っていうソリーの無邪気さがせつない。
さらに聴こえてくる♪諦めないの歌声に毎回やられた。

幸子さんとの盛り上がりシーン。
“君は何にもわかってない”のセリフは毎回びくっとなってしまう迫力。
この日は、“きみはっがっ”と声がつまってしまった。
一瞬ハッとしてしまったんだけど、そのときSEMPOさんの目に光るものが
見えた気がしてわたしも涙涙・・・
鼻の下もひかっていたけど、目もひかっていたのだよ。
そのあとは落ち着いてそのセリフを言い直していた。
SEMPOさん・・・
わたしはハンカチで鼻水おさえながら観られるけど
SEMPOさんはそりゃー光ってしまうってもんです。
そこから先はもう胸がしめつけられる感じとあふれる鼻水。
自分は杉原千畝さんを見ているのか、杉原さんを最後まで演じきる吉川を見ているのか。
もうよくわからない。

ニシュリの“私たちはあなたの名前を決して忘れることはないでしょう”
というセリフにわたしもうなずく。

ビザを発給するシーン
本当にこうやってたくさんのビザを書いて、それがたくさんの命を救ったんだなぁ。
あの迫力、演技じゃなくてそこにいるのは千畝さんそのもののようだった。
ソ連兵に連れ出されるときも手から離さないビザ。
すごい人だ。

ホームでの前でのシーンでは、SEMPOさんちょっと咳きしていたかな。
そんなちっせーことどうでもいいんだけどね。
舞台の上も下も感極まっちゃってる感じがいっぱい。

最後の汽車に乗り込んでゆくところ、身をのりだしてあやまるところ、
毎度の泣きシーンではあるけど、この日はもう最後って思いもあって
さらにつらい。

最後の♪NOW
広がりのあるみんなの歌声、歌詞が身にしみる。

こうして幕を下ろした千秋楽のカーテンコール
1回目は、いつもより大きい今さんのどうぞ~で壇上に現れた吉川、
階段で脚がコケっとなったー
どひゃ~
もう涙ひっこんだよ。
吉川らしいなぁと泣き笑い。

2回目は
“ありがとうございました”と言ってから
“座長っていうのを初めてやりまして。最後は何かしゃべるんじゃないのと
プレッシャーをかけられ、その重みに耐えかね先ほど・・・
つかみとしてはおいしいんですけど・・”と言って笑いをとってから
真面目な感じで、
杉原さんから教わったこと、侍スピリッツというか、
男は余計なことは言うなと、そういうことなんだと思いました。
観ていただいたのが我々の力の全てだったと思います。
そう語る吉川の声がつまったように聴こえたのは私の気のせいか・・・
キャストのみなさんも誇りになるような仕事になりましたよね?と言って
キャストをみると、みなさんから拍手。
それから、わたくし初めてでみなさんに助けていただいたっていうようなことを言って
1人紹介したい人がいると言って演出家の大谷さんを紹介。
急いであがってくるようにと言ったんだけど大谷さんは2階席の一番前に。
ふつう演出家は全公演観ないらしいんだけど、彼は全部見て毎回泣いている、
一番苦労したかも、みるみるやせていきました、と。
大谷さん上から“SEMPOサイコー!”
この演出家の大谷さんと言う方、パンフのコメントが途中でまるっと入れ替わったりして、
吉川がマイトリで何かに怒っていたのと関係あるのかなと
勝手に思っていたけど、こうして最後に吉川自らが紹介するっていうのは
2人何かを乗り越えたってことなのかな。
あとでパンフを見たら本当にお痩せになっていた。
そして、“長くなりましたが、また会う日までごきげんよう”と大きな声で。

3回目は、
ずっと生演奏でつきあってくれたオーケストラの面々、あがって来れなかったんで
紹介できなかったと言ってオケの方を舞台上へ。
オケのみなさんは、意外とラフな服装でした。
音楽監督の奈良部さんも呼ぶと、奈良部さんは後ろの方にいたみたいで
“今いくよ~”と。
その間に吉川が“先輩!”って言って沢木さんへふると
沢木さん、“今までいろんな作品に参加してこんなすばらしい作品はないと思いました。
そして僕の予感として神戸からニューヨークへ!”と言って
声をはりあげるもんだから、一瞬ホントかっ?っていきおいだったんだけど
すぐに“行く作品だ!と思いました”と言って、吉川は昭和コントのような
ずっこけポーズをしていた。
ブロードウェイでヒットする日本産の最初の作品になりますと沢木さん。
吉川はしゃがんで沢木さんにむかって巻きポーズ。
“それではみなさんごきげんよう”と言いつつ、
オケのみなさんにこの線まで下がらないとねーと言いながら
オケの女性の腕をつかんでいたよー。
今までもさんざん嫁の腕をつかんでいたけど、吉川ってば
意外とスキンシッパーなのかいっ?
吉川がオケのお嬢さんの腕をつかんでいるとき嫁はちょっと後ろで
コケっとしてましたよー。

そして4回目は、客席にむかって手をふりながら、
“ありがとうございました”でおしまい。

こうして吉川初出演、初主演、日本オリジナルミュージカル『SEMPO』は幕を閉じた。
最初に吉川がミュージカルって聞いたときには、
正直、何言っちゃってんの、ありえない、無理!とか思ってしまったけど
こんなにもわたしたちに感動をくれた。
吉川の他流試合の場が『SEMPO』でよかった。
と言うか、『SEMPO』じゃなかったらやっていなかったかもしれないし
千畝さんの正義の魂が吉川を呼び寄せたのかもしれない。
自分は千畝さんのような局面に立つことはないけれど、
人として正しくありたいと思わされた。
最初の制作会見のときに吉川は“魂暴れたい”って言っていたけど
わたしは魂揺さぶられた。
歌がこんなにも人のココロを振るわすものだと、歌の持つチカラを
改めて感じた。
わたしたちが想像以上の感動や楽しさをもらえたってことは
きっとその影には想像以上の苦労や苦悩があったんだろうな。
わたしの大好きな吉川晃司はやっぱりすげ~お人だ。

それから、吉川ファン目線で言えば、
トレンチコートが似合うわーとか、コートの裾さばきがたまらんわ~とか、
帽子にあてた指が長くてキレイとか。
階段に座った脚の長さ、階段下りるときの一瞬の引きの後ろ姿、などなど。

全30公演のうちわたしが行ったのは10公演。
もっとたくさん行ったお仲間から見所ポイントを教えてもらったおかげで
楽しさ倍増。
ご一緒してもらったみんなにも感謝です。

ありがとう、SEMPO。

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