藩で一番の臆病者で剣術もからっきしの若侍七十郎が
家老を暗殺することになり、その家老を待つ間
逗留する木賃宿で出会った一癖ある連中との
関わり合いの物語。
葉室麟さん、おもしろい。
前回読んだ『散り椿』『陽炎の門』は、
かたくなに藩主に使えることを良しとする
侍が出てきたけど、これは臆病だけど
卑怯ではない弱さも持ったお侍さんのお話。
木賃宿で出会った連中は、流れ星を名乗る盗賊だったけど、
その連中もまた、人情のために裏街道を歩く人たちだった。
人情にホロリとくる。
ドラマになればいいのにな。
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川あかり (双葉文庫) |
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