作者のガース・ウイリアムズさん(1912~1996)は、アメリカのイラストレーターさんなんだそうです。有名なローラ・インガルスさんの「大草原の小さな家」などの挿絵なども担当されたそうです。 84年の生涯で、絵だけではなく、絵と文をひとりで受け持って出した本もいくつかあるみたいです。その中で「しろいうさぎとくろいうさぎ」という本は小学校の図書室にたくさん置かれているそうで、児童文学が専門の一つであ . . . 本文を読む
青森が近づいていく時、弘前あたりから妙な車内放送がありました。ボクは奥羽本線の中の特急に乗っていました。1982年の夏でした。 「何だろう」と思って聞くのですが、よくわかりませんでした。それが青函連絡船に関わる内容であるのはわかりましたが、どういう仕組みなのか、それがわかりません。何しろ私は初めて青森の駅まで来たのです。青森から先の北海道にも行ったことがありませんでした。もっと学生時代にあちらこ . . . 本文を読む
「……してください」というのを書くとき、「……して下さい」は何だかイヤなので、必ずひらがな書きしています。なぜなんだろう。 ただ単に漢字がイヤ、めんどくさい、というのもあるかもしれませんけど、漢字で書くとこちらが偉そうな気になった感じがして、イヤでした。 「……出来る」「……する筈」「 . . . 本文を読む
土曜日に、大阪の四天王寺で古書市がスタートして、そこに早速参加してきました。初日だったからなのか、たくさんのおっちゃんたちが押し寄せていました。 私は、いろいろ買いましたけど、文庫本を7冊買いました。1「貧困旅行記」つげ義春さん 1991→1995 新潮文庫 有名な本でしたが、縁がありませんでした。やっと買いましたので、ぜひ読みたいと思っております。2「音楽の旅」芥川也寸志さん 198 . . . 本文を読む
先日読んだ梨木香歩さんの「海うそ」に気になる箇所がありました。抜き書きしてみます。「この島に明治初年まで寺院があったのをご存じですか」ええ、と山根氏は即座に返事をした。「廃仏毀釈でほとんど跡形もなくなってしまいましたが」「ええ、私はその遺構に惹かれるものがあって、この島に渡ってきたようなものなのです」「……ほう」山根氏はほとんど口の中だけで呟いた。その様子で、彼がこれ . . . 本文を読む
何度も書いていますが、今まで大きな船に乗っていた気分でした。それはもういろんな人が乗り合わせていて、何万人もの人たちに愛されてきた船みたいなものでした。 ガタが来たのではなく、利用者が少し減ったのかもしれない。そして、若い人たちはみんな動画を次から次と流して歩き、好きなものを見つけてしまい、二度と戻って来なかったのだと思います。 文字と写真と動画、基本はどこも同じだと思うけれど、もっとテンポよく . . . 本文を読む
この三日ほど、大阪の実家に行ってきました。当然のことながらオカンのお供をして近所の公園などに散歩に行きました。「あそこにも花が咲いている。紫色の花はいいねえ」「あれは、何ていう花だったかなあ?」教えてあげたかったのに、わかりませんでした。 すると階段を降りながら、あっちとこっちに花が咲いているというのを伝えたかったらしいのに、階段を斜めに降りつつ、あっちもこっちもと指摘しないまでも、「あるよ」と . . . 本文を読む
年の暮れに、学生時代の仲間たちと、和歌山の田辺から山手の方へ入っていく旅に出かけた。 山の学校で、学生時代の仲間が仕事をしているということだったから、仕事をしていない私たちあぶれ組で、とにかくどんな風にやっているのか、見に行った、偵察しに? 行ったようなものだったか。 和歌山までは行ったことはあったけれど、そこから南は全く未知の土地だった。というのか、全く縁がなかったのである。自分の住む大阪から . . . 本文を読む
「甘い生活 since2013」としてずっとやってきました。十何年です。yahooのブログを追われ、そして今また、gooのblogを失うことになりました。 十年以上やれたことに感謝したいと思います。NTTさんにも感謝しなくちゃいけないし、私みたいなヤツを仲間に入れてくれたみなさまにも感謝しています。みんなそれぞれの道を歩いていくだなんて、何だか島を出ていく人たちみたいです。今までは島での豊かな暮 . . . 本文を読む
昨日、テレビを見ていると、アメリカから日本へ来た人たちのお土産が話題にされていました。電化製品など、日本から輸入される時に関税がかけられるから、せめて日本に来た時に好きなものを爆買いしておいてやろうということでした。秋葉原でトランクケースをいくつも買ったという若い人もいたようです。そんなに日本から持ち込みたいものがあるようです。 トランプ関税のせいで、人々はかき回されます。トランプさんたちはお金 . . . 本文を読む
津島美知子さん(太宰治さんの奥さま)の『回想の太宰治』(1978単行本→1983講談社文庫)から、ダザイさんと美知子さんの旅を抜き出してみます。私は42年のブランクを経て、今さらながら読んでいる状態です。 お二人が結婚したのは1939年だったそうです。 井伏先生に太宰のための嫁探しを懇願したのは、北、中畑両氏である。 井伏先生と同郷で愛弟子の高田英之助氏が新聞社の甲府支局に在勤中、斎藤 . . . 本文を読む
2005年の愛知万博の時の、イタリア館に飾られてたものです。ベネチアの飾りだったんでしょうか。 バンパク関連のゴチャゴチャしたニュースにおいて、取材されてたみなさんたちの中で、「2005年の愛知万博が楽しかったから、今回も来ました」と答えていた人がいました。 愛知の誇る自動車会社のパビリオンの、音楽を奏でるロボットたちとか、他にはどんな話題があったものか、全く記憶にないけど、一度だけ行ったことが . . . 本文を読む
四月から職場が変わりました。借りてきたネコのように暮らしています。落ち着きませんし、落ち着く場所もありません。誰かが落ち着くような話をしてくれたら、「ああ、そうなのか」とか、「そういうことなんだね」と落ち着くかもしれませんが、みんな忙しくて、新入りオジイに何か話をしてやろうという人はいません。 それはわかりきっていたことでした。前のところでも、慣れるまでには時間がかかりました。でも、声をかけてく . . . 本文を読む
岩波現代文庫の「海うそ」の単行本は岩波書店より2014年に出たそうです。そして、2018年に岩波現代文庫で取り上げられました。普通に岩波文庫で出してあげたらいいのに、梨木香歩さんはまだ古典になりきれてないから、岩波文庫の緑帯では出さないのか。徹底しているみたいですね。 カバーの装画は1975年生まれのイラストレーターの高山裕子さんという方が担当しています。そして、最近では「海幻」というタイトルで . . . 本文を読む
伊勢物語の最後の章段125段を抜き出してみます。 むかし、男、わづらひて、心地死ぬべくおぼえければ、 むかし、男は病気になってしまって、今にも死んでしまいそうな気分になりました。 つひに行(ゆ)く道とはかねて聞きしかど いつかは人というのは死んでしまうものだと、そういうことはいろんな人から聞かされ、自分でも理解しているつもりだったけれど、 昨日今日とは思はざりしを それが昨日今日ということになる . . . 本文を読む