吉川幸次郎さんの『中国の知恵』(1958 新潮文庫)を読み終えました。うすい本だから、簡単に読めましたけど、なかなか勉強になりました。何度も聞いてることばだし、初めて聞くようなこともなかったのかもしれない。……どうかな? でも、すごくビシッと書いてくださっています。とても気持ちは良かったんです。 論語をつらぬいて流れるもの、それは要するに、ふてぶてしいまでの人間肯定の . . . 本文を読む
時々、思い出したように『論語』を開きます。というべきか、すでに言葉リストがあって、その順番に貼り付けていくだけのことなのだと思います。でも、まるで身についてないから、『論語』を開くたびに意味を考えます。 今日はどうですか? 何だか、ありふれた結論しか見つけられないです。とはいうものの、私たちは結局「人のふり見て我がふり直せ」と教えられている通りに、なかなか自分の中で基準が見つけられなくて、他人の . . . 本文を読む
今日も15分の中国の国道381号線をヒッチハイクする番組を見ました。とても乾燥していて、険しくて、木はなくて、人々を隔ててきたのがわかる酷道の沿線風景です。気分を伝えるために中国人ディレクターはところどころで歩いています。 いつも通りに歩いていると、甘粛省からチベットに移住してきた夫婦のクルマに乗せてもらいました。チベットによそから移住してきた人たちには一人ずつに毎月政府から手当てが出るそうで、 . . . 本文を読む
『論語』の学而篇というのだから、高校一年生の時に習った漢文にでもありそうな、いや、中学でもやってるんだろうか、とにかくそれくらいポピュラーな一節です。そこに友だちのことが書いてありましたね。 冒頭のところです。55【朋有り遠方より来(きた)る】……自分と同じく学問を志す友人がはるばる訪ねて来てくれた。自分に理解者があるということは、心楽しいことである。〈学而〉 聞いた . . . 本文を読む
孔子先生は、こういうことには注意しなさいよ、と教えてくださるのに、おバカでマヌケの私は、そのダメな方についつい惹かれてしまう。「アカンよなあ」と口では言うのに、そのアカン方が好きなんだから、もうどうしようもありません。 述而篇の最後の方の二つのことばです。 子の曰く「奢(おご)れば則ち不遜(ふそん)、倹なれば則ち固(いや)し。その不遜ならんよりは寧(むし)ろ固(いや)しかれ。 先生が言われました . . . 本文を読む
日本の政治の流れを示す言葉として「中道」というのがありますが、「極端に走らず、穏当なこと」(新明解・六版)とか、岩波もだいたい同じ。「一方にかたよらない中正なゆき方」(現代国語例解・小学館 1985)など、どっちつかずの、ほどほどの身の処し方、という意味があるようです。漢和辞典によりますと、『孟子』にはそういう意味で使われたことばがあるようですが、『論語』には見つかりません。 でも、おもしろいお . . . 本文を読む
『論語』の最後の方に、突然いろんな伝説の王様たちのことばが採録されている章段があります。改めて確認しておこう、みたいな意図があったのでしょうか。 何人も出てきますが、ひとりの王様だけ取り上げます。 古代の伝説の王様の堯さんが、次の王様に選出した舜さんに言います。「まことにその中を執(と)れ。四海困窮(しかいこんきゅう)。天禄(てんろく)永く終えん。」〈堯曰〉 君は今こそ王様になるべき時が来ました . . . 本文を読む
仏作って魂入れず、道路作って人々暮らせず、ものすごい補正予算を立てて国民は増税を引き受ける、など、体裁だけ整えて中身がカラッポということは、私たちのまわりにたくさんあります。今の世の中は、ぱっと見はとてもいいのです。でも、中身は空洞化している。 万博だって、ものすごい建築家のものすごい建物を作るという話がありますが、会期が終わればすべて更地に戻します。みんな増税を覚悟で万博へ突入しようとしている . . . 本文を読む
若い人(お弟子さんたちに)に向かって、これをしなさいと一つのテーマを与えてくださる人がいたら、それはとても貴重というべきか、有り難いというべきか、です。普通は、誰も何も言ってくれないものです。 48【弟子入りては[ ]】……若い人よ! 子曰く「弟子(ていし)入りては孝、出でては則ち弟(てい)、謹(つつし)みて信、汎(ひろ)く衆を愛して仁に親しみ、行いて余力有らば . . . 本文を読む
石田英一郎[1903~1968]さんが、孔子さんについて文章を書いておられたのをメモしました。私はちかごろ忘れてるかもしれない。また、思い出さなきゃいけないし、本も読まなきゃいけないです。 何度もこの道をたどらないと、私みたいな浅薄な人間には浸透しないですね。 『論語』という書物は、もちろん、孔子の生きていた当時、つまり周の封建制のもとにおける社会体制下の、特定の政治思想・政治道徳、ないしは一般 . . . 本文を読む
三月までに孔子さんと兼好さんのことばをまとめておきたいんですけど、そういうことは可能かな。二つと言わず、どちらか一つだけでもいいかな。 それで十分な気がします。欲張ると、ろくなことはないから、淡々となるようになるさと構えていくしかありません。 次の二つ、私たちが望んでいることなのに、なかなかできないことでした。どうしてできないのだろう。46【位無きことを患(うれ)えずして、( )所以(ゆ . . . 本文を読む
★ 少し前に書いてたものを載せてみます。読み返してみたら、すぐに横道にそれていて、肝心のところが深まっていないようです。次からもう少し大事なことを的確に語れるようにしたいです。 私たちだけでなく、世界全体が失っています。その昔、聖徳太子さんという方がこの国の歴史の中にいたのか、いなかったのか、そこは微妙だし、あれこれとわからないことがありますけど、そういう時代からどれだけの歳月が過ぎたというんでし . . . 本文を読む
中勘助さんという『銀の匙』という小説が知られている作家さんがいます。詩も書いておられて、その詩集を昨日やっと読み終えました。 有名な方たちを題材にした、子どもたちに聞かせるような、おとぎ話のような詩を書いておられます。でも、今の子には、何のことやら、わからないでしょうね。題名は「墳」とだけあります。「つか」と読むのか、「はか」と読むのか、それとも「ふん」なんだろうか。 墳あるとき子貢が孔子に . . . 本文を読む
2000年の7月に買った本を、22年かけてやっと読み終えました。ゆったりとしたリズムですね。これこそ老荘思想的な読書というのか、グータラな私だけのわがまま読書というのか、たぶん後者だと思われますが、流れに任せて本を読んでいます。 まあ、本を読むということと、本を買うということは常に同じ、という訳にはいきません。買うにはお金がいるし、お金は天下のまわりものだし、私はいつもシブチンだし、何か気分が乗 . . . 本文を読む
有名なお話だから、英語版はないのかなと、探してみたら、簡単に見つかりました。簡単に見つかりすぎて、なかなか自分の身につかないけれど、とにかく、英語も併せて勉強させてもらえると、うれしいですね。少しだけ頭にいい風が吹く感じです。 でも、長続きしないよなあ。ちっとも、勉強にならないか。いや、私は魯の国の小都市の「武城」という町の雰囲気を見つけたかったんです。でも、二千五百年前の中国の町をネットから見 . . . 本文を読む