甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

風雲海南記 1947

2024年11月02日 21時50分01秒 | 本読んであれこれ
 山本周五郎さんが生前に刊行した小説は111冊で、随筆集が1冊だったそうです。研究家の木村久邇典さんが解説で書いておられます。 ただ2冊の『無明絵巻』(1940 東光堂)と『風雲海南記』(1947 東光堂)だけは、本そのものが残っていなかった。探してもないということはあり得るんですね。こんな世の中でも。ですから、情報提供者を探したのだそうです。国会図書館にもなかったんでしょうね。 木村さんは、広く . . . 本文を読む

聖徳太子さまと私たち

2024年10月13日 19時13分24秒 | 本読んであれこれ
 上原 和さんの『わが回想の聖徳太子』という本をたぶん2回目だと思いますが、読んでいます。2回目だろうなと思いつつ、すべては何もかも新鮮で、こんなことが書いてあるね、知らないなあとフレッシュな気持ちで読んでいます。記憶がないというのは怖いことですが、フレッシュな気持ちであるというのは素晴らしい。でも、本当は、何度も考える中で新たなものが見えてくる方がいいはずなんだけど、まあ、それはできないですね。 . . . 本文を読む

「放浪記」(1930)から

2024年10月03日 16時44分45秒 | 本読んであれこれ
 今日のお昼(10/3)のBSで『放浪記』(1962 東宝)を見ました。監督は成瀬巳喜男さんで、主演は高峰秀子さんでした。詩のお友だち・ライバルとしては草笛光子さんが出ておられたんですけど、当時から62年も経過しているのに、今とあまり変わらない感じで、それがすごいなと思うばかりでした。草笛さんはずっと同じ芸風で長くされてきたわけだ! 『放浪記』ですから、原作の林芙美子さんの文章が使われていて、その . . . 本文を読む

混沌を生きる徳川期の人びと

2024年09月12日 19時32分56秒 | 本読んであれこれ
 もう何年もかけて渡辺京二さんの『逝きし世の面影』(2005 平凡社)というのを読んでいます。今やっと470ページで、あと120ページくらいあります。年末までには読み終わるでしょうか。それとも、まだまだかかるのか? それはまあ、私の根気にかかっています。おもしろいのです。けれども、すぐに他の本へ手を出して、しばらく忘れてしまうから、どんどん時間が過ぎてしまう。本を買ってから、もう12年が経過してい . . . 本文を読む

自虐しないこと、ありのままであること、受け入れること

2024年09月05日 06時10分30秒 | 本読んであれこれ
 香川の友人に教えられて、岩波新書の『「むなしさ」の味わい方』(2024)という本を読みました。もっとたくさん付箋をつけなきゃいけなかったのに、それもしないままに最後まで読みました。 私は、小説はほとんど読まないオッサンです。テレビのドラマも一切見ない。どういう訳か大河ドラマの『光る君へ』は見ているけど、あれはまあ、平安時代の勉強みたいなものでしょうか。どれだけ平安時代の雰囲気が出せているのか、そ . . . 本文を読む

ゴーヤ、シャケ、煮物、ゆでたまご

2024年09月01日 19時34分27秒 | 本読んであれこれ
 台風ははるばる熊野灘まで来て、その勢いを失いました。けれども、雨雲は刺激する力があるみたいで、今日も何度かケータイは注意勧告をしてくれました。今も警戒レベルは「3」なんだそうです。夜にも大雨は降るということでした。 皇室のことを研究しておられる先生は、X(旧ツイッター)の中で、今度の台風の進路はたまたまではあるけれど、神武東征と似たようなコースになったと書いておられました。確かに、少しズレはある . . . 本文を読む

らもさんに踏まれた町と…… 

2024年08月26日 19時46分54秒 | 本読んであれこれ
 中島らもさんの『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』1994朝日新聞社→1997集英社文庫、というのを読んでいます。実は古本屋さんめぐりをしていて、最近買った本ですが、もう一冊十年以上前に買っておりました。というわけで二冊あります。どうやら、自分の中のらもさんブームというのが巡って来るみたいで、今は何度目かのブームです。しんみり読んでいます。 らもさん自身は、2004年に52歳で亡くなって . . . 本文を読む

しをんさんとシャケ・ひりょうず

2024年07月30日 05時39分02秒 | 本読んであれこれ
 やっと「しをんのしおり」(2005)を読みました。 ノルマという言葉を辞書で調べて、ロシア語なのだ。シベリア抑留から伝わった言葉だというのを書いた後で、 だいたい私は「ノルマ」という言葉を調べるために辞書を引いている場合であろうか。まだ今日は数学の問題集を8ページと、古文を6ページ、漢字の書き取りを20個に英単語15個覚え、英語長文一題を終わらせねばならぬというのに。 予備校時代が割と身近に感じ . . . 本文を読む

安子さんのアプローチ……『何処へ』より

2024年07月01日 20時37分03秒 | 本読んであれこれ
 石坂洋次郎さんの『何処(いずこ)へ』というのをまだ読んでいます。 主人公は帝大卒の文学士で、地域の名士にさせられつつあります。まだ若いけど、田舎では珍しいし、見込みのある人だからなのか、お医者さんや下宿屋さん、芸者やさん、いろんなところで主人公とお近づきになりたいというお嬢さんたちがチャンスをねらっています。 たまたま、けがの治療に出かけたお医者さんのところで、そこの一人娘の安子さんと二人きりに . . . 本文を読む

石垣りんさんの袴姿

2024年05月14日 22時02分38秒 | 本読んであれこれ
 石垣りんさんは高等小学校を卒業した十四歳の時、銀行に就職することになったそうです。そりゃ、優秀な人だったのでしょう。 1979年のエッセイに、新聞の家庭欄で母親が娘の「巣立つ日の装い」をどうしたらいいのか、というのを投書していたそうです。 当時は、「袴姿の多いのが最近の傾向」ということだったらしいです。 そういえば、ウチの彼女も卒業式は袴にしていましたね。何だか懐かしくなってしまった。彼女は今で . . . 本文を読む

日本人は海を渡ったという

2024年05月04日 19時21分49秒 | 本読んであれこれ
 16~17世紀の日本人たちは、海外進出をしたそうです。歴史学者の永積昭さんはこんな風に語っておられました。 この時代の日本人が東南アジアにどういうような生き方をしていたのだろうかということは、大変興味のあるところだと思います。私は、民族エネルギーの高揚とか、未知の世界への関心の高まりといった知的好奇心が旺盛であることなど、ちょうど、今の日本人(1980年ころ)に似通ったところがあるのではないだろ . . . 本文を読む

野坂さんちのネコたち

2024年04月25日 20時26分57秒 | 本読んであれこれ
 2011年の6月某日の野坂昭如さんちのネコの話です。 わが家に二匹の猫がいる。オスとメスのきょうだい。オスの方をアルという。アルコールのアルである。メスはニコ。こっちはニコチンのニコ。ぼくの戒めのため、ぼくが命名。結構気に入っている。 ということだそうです。ネコのこの話にキュンとしたので写してみますね。 アルは弟、ややマザコン風。妻のそばを離れない。妻が出かけると、挨拶程度にぼくの部屋をのぞき、 . . . 本文を読む

いまにつづく平安期の感覚

2024年04月15日 09時32分28秒 | 本読んであれこれ
 1980年の秋、司馬遼太郎さんたちは越前の旅をされたそうです。その旅が「街道をゆく」シリーズの18巻「越前の諸道」にまとめられ、1982年に単行本化され、文庫は1987年に出ています。 そして、私は、今さらながら2024年に読んでいます。もうすぐ読み切りそうです。40年以上前の司馬さんたちの旅をたどりながら、私は2023年の1月に行ったっきりですから、その時の感じと重ね合わせて、越前とはどんなと . . . 本文を読む

海を渡った日本人

2024年04月13日 20時59分25秒 | 本読んであれこれ
 朝の7時に家を出て、大阪の実家にクルマで行き、奥さんの用事をして、済んだら母と昼ごはんを食べ、少しお話したらすぐに帰ることにして、家に着いたら17時くらいでした。10時間の外出だったのですね。ほとんどクルマに乗ってたようなもので、少し疲れました。 私は電車に乗りたいのに、奥さんがまだ電車を信用できてなくて、私はアッシーとして必死こいて運転していました。そりゃ、何だってします。奥さんのご希望であれ . . . 本文を読む

野坂さんの2008年

2024年03月09日 14時55分10秒 | 本読んであれこれ
 ついこの間、古本で『絶筆』(2019 新潮文庫)を買いました。3分の1くらいまで読み進めました。あと400ページほどありますが、気長に読んでいこうと思っています。 野坂昭如さんは、いろんな活動をされてたのだ。政治家は知っていました。タレントで歌も歌ったり、コマーシャルにも出たり、〽ソ、ソクラテスかプラトンかなどのCMソングは350曲ほど作詞されたそうです。 ラグビーのチームを作ったり、シャンソン . . . 本文を読む