岡部伊都子さんというエッセイストがおられました。1923年生まれで2008年に亡くなっています。長生きされたなあと思ってしまうけど、うちの母とか見てると、「あら、まだ若くして亡くなられたんだなあ」と思ってしまいます。2008年にちゃんと確認できたかどうか……。 私はものすごく昔に岡部さんのエッセイを読んで、それからすっかり忘れていて、たまたま古本屋さんで何十年も前に読 . . . 本文を読む
今は、1983年の中公文庫「日本細見」というのを読んでいます。佐渡、鎌倉とキーンさんに連れてってもらって、あれこれ知ったような気になります。鎌倉も、長い間行ってないけど、40年くらい前はよく行きました。今も行けないですね。それは少しザンネンです。コロナも相変らず続いているし、落とし穴はいっぱいです。それに、人込みをかき分けて進まなきゃいけないなんて、考えられないです。 キーンさんは、川端康成さん . . . 本文を読む
今日、昼前から電車で外に出て、すぐに帰って来ましたけど、その時に本を読んだ時間なんて、ほんのわずかなんだけど、感動したのでメモしておこうと思います。 ずっと水上勉さんの『足もとと提灯』(1976・1977 集英社文庫)を読んでいて、いよいよもうあと少しで読み終わるかな、というところまで来て、いくつかの人との出会いが取り上げられています。 たまたま講演会で出会った両足と片手のない人、その人とエレベ . . . 本文を読む
倉田百三さんの『出家とその弟子』(1916・T5→1949・S24 新潮文庫)を時々読んでいます。ずっと読んでいるわけではなくて、とぎれとぎれです。 今読んでるところは、遠くの土地からはるばる親鸞さんをたずねてやってきた人たちとの問答のところです。当然のことながら、親鸞さんから宗教の奥義みたいな、特別な何かを教えてもらいに来ています。それを見つけたくて、わざわざ旅してきたようです。 何 . . . 本文を読む
2023年の6月、三重県の古本屋さんが集合するイベントがありました。その時が初めてだったかなあ。私たちは夫婦で参加して、私は文庫で「フルトベングラー」と「バッハ」という2冊を買いました。それから1年、この2冊、本棚に飾られてはいるけれど、なかなか読めていないのです。音楽を聴くというのと、音楽のことを読むというのは、また別のことのようです。音楽を聴くのなら2時間もあれば聴いてしまうのに、本となると . . . 本文を読む
5冊の本を朝日の中で撮ってみました。冬の光だから、まだ耐えられますけど、これが夏だったら、もう目が焼けそうです。何だか夏の厳しさを思い出しています。夏だったら、もう家の中にはいられないです。どこか涼しい所や日陰に行かなくては! 冬って、考えようによってはありがたいのかもしれない。 でも、冬は冬で寒いのだから、それをうまくしのいでやっていかないといけない。まあ、みんながしていることでしたね。 これ . . . 本文を読む
森本哲郎さんの『そして、自分への旅』(1980 角川文庫)は、今日読み終わりました。ことばとそのことばをめぐる森本さんの思索がいくつかのエピソードごとに深め方もいろいろで、さすが森本さんだなと感心して読みました。私個人としては、芭蕉さんと弟子の去来さんとのやりとりの中のことばの難しさが面白いと思いました。けれども、うまくまとめられなくて、とりあえず読んだというところです。 たぶん、しばらくしたら . . . 本文を読む
昨日と今日、二夜続けてテレ東系列のバス旅番組を見ました。二日で八時間の枠があったけれど、かなり真剣に見てしまいました。千葉県の佐倉市あたりから青森県の竜飛岬まで800kmほどをバスでつなげるというものでした。いつも同じパターンなのに、いつもボンヤリと見てしまったりします。たぶん、若い人は見ないのだと思われます。ただバスに乗っているか、歩いているかのシーンしかないわけだから、ずっと同じだし、何が面 . . . 本文を読む
森まゆみさんが、志賀町付近にあった漁協の組合長だった川辺茂さんから聞いた話を借りてきました。すべて『いで湯暮らし』(2013年 集英社文庫)からの引用です。 1969年でしたか、私が44歳のとき、高校2年になったばかりの次男をなくしました。風邪気味だったんで、風邪薬をのませたんですが、ピリン系の薬が体に合わなかったんですわ。病院に運んだときは手遅れだった。 そんなことが起こるなんて、何だか信じら . . . 本文を読む
1984年より前、富来町(とぎまち)というところがあったのだと思われます。石川県の海側の町です。やがてこの町は志賀町(しかまち)と合併します。そして、富来町には西海漁協というのがあって、そこの組合長さんが川辺茂さんという方だったそうです。 2006年に志賀原発が稼働したそうですから、そこへたどり着くまでにいろいろな地方のすったもんだがあったようです。やがてはみんなまるめ込まれて、原発の側に組織さ . . . 本文を読む
山本周五郎さんが生前に刊行した小説は111冊で、随筆集が1冊だったそうです。研究家の木村久邇典さんが解説で書いておられます。 ただ2冊の『無明絵巻』(1940 東光堂)と『風雲海南記』(1947 東光堂)だけは、本そのものが残っていなかった。探してもないということはあり得るんですね。こんな世の中でも。ですから、情報提供者を探したのだそうです。国会図書館にもなかったんでしょうね。 木村さんは、広く . . . 本文を読む
上原 和さんの『わが回想の聖徳太子』という本をたぶん2回目だと思いますが、読んでいます。2回目だろうなと思いつつ、すべては何もかも新鮮で、こんなことが書いてあるね、知らないなあとフレッシュな気持ちで読んでいます。記憶がないというのは怖いことですが、フレッシュな気持ちであるというのは素晴らしい。でも、本当は、何度も考える中で新たなものが見えてくる方がいいはずなんだけど、まあ、それはできないですね。 . . . 本文を読む
今日のお昼(10/3)のBSで『放浪記』(1962 東宝)を見ました。監督は成瀬巳喜男さんで、主演は高峰秀子さんでした。詩のお友だち・ライバルとしては草笛光子さんが出ておられたんですけど、当時から62年も経過しているのに、今とあまり変わらない感じで、それがすごいなと思うばかりでした。草笛さんはずっと同じ芸風で長くされてきたわけだ! 『放浪記』ですから、原作の林芙美子さんの文章が使われていて、その . . . 本文を読む
もう何年もかけて渡辺京二さんの『逝きし世の面影』(2005 平凡社)というのを読んでいます。今やっと470ページで、あと120ページくらいあります。年末までには読み終わるでしょうか。それとも、まだまだかかるのか? それはまあ、私の根気にかかっています。おもしろいのです。けれども、すぐに他の本へ手を出して、しばらく忘れてしまうから、どんどん時間が過ぎてしまう。本を買ってから、もう12年が経過してい . . . 本文を読む
香川の友人に教えられて、岩波新書の『「むなしさ」の味わい方』(2024)という本を読みました。もっとたくさん付箋をつけなきゃいけなかったのに、それもしないままに最後まで読みました。 私は、小説はほとんど読まないオッサンです。テレビのドラマも一切見ない。どういう訳か大河ドラマの『光る君へ』は見ているけど、あれはまあ、平安時代の勉強みたいなものでしょうか。どれだけ平安時代の雰囲気が出せているのか、そ . . . 本文を読む