干刈あがた(ひかりあがた)さんの『ウホッホ探検隊』は、1984年に福武書店から出た本なんだそうです。文庫本も、単行本も意欲的に挑戦していた時代でした。雑誌だって出していたと思われます。 それがやはり受験シフト、原点に戻り、ベネッセコーポレーションに名前も変わり、意欲的にチャレンジしていた出版文化・文学芸術シフトは外してしまった。それからは、とことん教育政策に入り込んで、いろんなところで儲けるよう . . . 本文を読む
「私はナウシカよ!」 ミチが両手をひろげてピョンと跳びあがった。駅前へと抜けるビルの谷間に、ビルおろしの風が吹きつけ、ミチと私の髪を巻きあげていた。ミチは映画『風の谷のナウシカ』を横浜の映画館で見て以来、大きくなったらナウシカになると言う。ビデオで何回も巻き直し、ジュースも飲まずに見入っている。 世の中はこんな状況ですけど、干刈あがたさんの『ホームパーティー』の四番目をやっと読み進めています。これ . . . 本文を読む
昨日、やっとあがたさんの小説の三つ目を読みました。 大事に大事に読んでる感じです。とても研究者にはなれないですね。ただ、ヤキモキして読んでるだけです。 どうしてもっと理論的に、構造的に読めないのかなあ。何ごとも気分優先、雰囲気優先で、目先の変化ばかリ追いかけてしまいます。 「姉妹の部屋への鎮魂歌(たましずめ)」という小説です。 成人した双子の姉妹がいて、妹さんはパリで勉強中です。お姉さんは、小さ . . . 本文を読む
誰かに階下から呼ばれているような気がして、ドアを押しあけた。ドアのむこうにはまたドアがある。いくつものドアをあけて、ようやく明るい陽ざしが窓に揺れている部屋に出た。 影を落として揺れているのは花梨(かりん)の樹。 「姉妹の部屋への鎮魂歌(たましずめ)」という干刈あがたさんの小説の冒頭部分です。短い小説なんですけど、ずいぶん時間がかかりつつ読んでいます。 カリンの木は、主人公のお父さんにとっては大 . . . 本文を読む
普段は小説なんて読みません。すぐに登場人物・人間関係も忘れてしまうし、根気もすぐになくなるし、長編なんてとても無理です。せいぜい中編か短編小説をたまに読むくらいです。 なのに、突然あがたさんの本を読む気になって、本棚から取り出してみました。四つのお話が入った「ホームパーティー」という新潮文庫です。 この本は三年前にネットで買いました。本そのものは1990年に出ています。もう30年以上前の本です。 . . . 本文を読む
干刈あがたさんは1943年生まれ。うちのオカンと4つしか年は違いません。加藤登紀子さんも同い年だそうで、一度あがたさん原作のドラマに出たら、なんと原作は知り合いの奥さんだと知ってから、電話ががかって来たとか、そんなことも書いてありました。 うちのオカンくらいの女性なんですね。でも、二十何年前に亡くなっておられます。ああ、あがたさん、私はうかつにも知らんぷりをしていました。本当に申し訳ないです。 . . . 本文を読む
1か月かけて、やっとあがたさんのエッセイ集を読み終えました。あちらこちらに書いておられたのをまとめたものですから、トータルな感じはないんですけど、あがたさんの雰囲気は感じられました。34年ぶりのあがたさんに出会ってみた、というところかな……。 単行本を買いましたけど(いくらだったかな? 定価の1,200円よりは安かったかも……)、文庫本だっ . . . 本文を読む
あがたさんちの下の子(小6)が、近所で有名なマミヤくんの話をしています。マミヤくんは一つ学年は下だし、学校もよその学校なんだそうです。それでも名前も存在も知られていて、チラッとどこかで見かけるだけで、「マミヤにあった」と自慢げに語っているそうです。 おうちの事情というのも、よその学校の子なのに、みんなから知られているということでした。そんな有名な人って、どこにでもいるもんなんだろうか。 マミヤ君 . . . 本文を読む
やはり、メモしないではいられない文章が載っていました。 大事な所だけをコソッと打ち込んでおこうと思います。 先ずは、「母性」についてです。 先日、ある所でこんなことを聞かれた。「父性の喪失ということが言われていますが、母性というのはまだ健在なのでしょうか」「さあ」 と私は首をかしげた。母性というのがどういうものか、よくわからない。自分が親になってみると、神聖なものと言われることの多い〈母性愛〉と . . . 本文を読む
昨日、やっと本が届きました。どうやら山梨県から届いたみたい。はるばる山梨からウチまで来てくれたのか。何だかありがたいです。 二冊の本は、「おんなコドモの風景」1987 文藝春秋 初のエッセイ集なんだそうです。「野菊とバイエル」1992.7 集英社 →1997集英社文庫 この二冊をアマゾンで買いました。本の名前も知らなかったけれど、検索してみたらあったから、買ってみました。二冊で1600 . . . 本文を読む
昨日、やっと「十一歳の自転車」読み終えました。お話はそれぞれ工夫されてて、おもしろかったんです。 それで、何か取り上げる? と思ったら、すべて忘れている自分に気が付きました。 これでは、今から読み直しても、すぐに明日には忘れているでしょう。 とんでもない忘却力です。まあ、もう最近は驚きもしなくなりました。あまりに何もかも忘れていくので、それがいつものこと、みたいな感じです。 そして、解説は泉麻人 . . . 本文を読む
久しぶりに、あがたさんのことを書いておこうと思いました。もうずっと前から書こうと思って、本文も打ち込んでたんですけど、いつもの通りに挫折していました。 本当に何ごとも挫折ばかりで、まともに行けたことはないですけど、転んで再び立ち上がるという形で、ボチボチやっていきます。 「時計」のお話は、集英社の「十一歳の自転車」という短編集に入っています。単行本が1988年で、文庫が1991年に出ています。 . . . 本文を読む
大阪往復の電車で、ほんの少しだけ干刈あがたさんの「十一歳の自転車」という短編集を読みました。ほとんどは寝てたり、目が疲れてたりしたから、あまり進まなかったんですけど、二番目の話が「秋のサングラス」でした。 主人公の拓也は「肩幅が広くて、脚が長くて、皮膚は褐色で、眉が太い。いつもジーパンにスニーカーである。一年浪人して今年の春、大学に入学した一年生」なんだそうです。 彼は、地味な感じの子に興味があ . . . 本文を読む