昨日(28日)、四天王寺の古本市に行きました。本は3冊、絵ハガキ3セット。そのうちの「中禅寺湖」というセットは、ふつうの8枚セット、白黒写真に色が施してあって、まあまあの仕上がりです。そんなに古いものではなくて、60年代から70年代のものだったでしょう。 猪熊弦一郎さんがその見開きのところにコメントを書いておられました。 私の印象 僕は塩原の絵を描いてくれとたのまれて去年出かけたんだが、塩原 . . . 本文を読む
この絵は早世した洋画家の三岸好太郎さんの「兄および彼の長女」という作品です。第二回春陽会展の春陽会賞を受賞したものなんだそうです。(1924・T13)。好太郎さんは独学で絵の勉強をしたそうで、北海道から上京してしばらくして21歳の時にはこの作品で認められたのだそうです。そしてあと10年、彼の活動は続いていくのでした。 モデルは11歳年上のお兄さん、子母澤寛という作家でした。ということはお兄さんも . . . 本文を読む
図録から、文章を借りてきます。 終戦の少し前の事である。日本は軍艦、大きな船はもうない。南の島々にはうえ死寸前の兵隊がたくさんいる。未教育の鉄砲を持つことも知らない農業の人、商人、サラリーマン、にわかに徴用。鉄砲も軍刀もない。もう皮はないから真田ひもをしめる木綿の服。 前夜各民家へ分宿。どこの家でも奥さんお嬢さんが歓待。お酒にお菓子。おふろ。蓄音機をならしてなぐさめる。翌朝皆見送る。 芝浦から出 . . . 本文を読む
今から、奈良県立美術館に行こうと思います。何時に向こうに着けるかな?不染鉄さんの作品を初めて自分で見て来ます。何を見つけられるでしょう? わからないけど、決めたので、行って来ます。また報告します![夕方にはおうちに帰ってきました!] 鉄さんの絵は、おうち、実家のイチョウの木、三年間漁師として過ごした伊豆大島、船、海、いろんなモチーフがあって、それらを丁寧に取り上げておられました。 全体的に黒っぽ . . . 本文を読む
今年は辰年だから、年賀状にはいい加減な龍を描きました。とはいうものの、マンネリ化していて、そこから抜き出た龍が描けていない。それはどこかで見た龍であり、何度かラクガキしてきた龍を再現しただけです。 私のイメージの中には、龍といい、ドラゴンといい、小さい頃の怪獣映画のシルエットたちの焼き直しなんでしょう。実際には、私のイメージというのか、何とも言えない、モヤモヤとしたイメージの中には龍は飛んでいな . . . 本文を読む
今年の夏、三岸節子美術館に行きました。愛知県の一宮市にあって、すぐ近くに木曽川が流れていました。何となくはわかっていたけれど、たしかに愛知県は岐阜県と川を隔てて一緒にある感じでしたね。 接する長さがかなりあるから、愛知県と岐阜県は影響し合っている感じがします。名古屋駅から十数分で県庁所在地の岐阜の町についてしまうし、共同の世界を作っているでしょう。三重県は、桑名という町だけが名古屋に触れていて、 . . . 本文を読む
今日のお昼、滋賀県立美術館まで行ってきました。特別展は、今森光彦さんの写真作品でした。たくさんの滋賀県の里山風景を見せてもらいました。作品の写真を撮ってもいい、ということでしたが、写真を撮りたいという気持ちが全く起こりませんでした。 写真作品の写真を撮るなんて、ナンセンスでした。そんなこと、やりなさいと言われてもできなかった。たぶん、展示されてるものの光・輝きは出せないし、平板な写真を平板に撮る . . . 本文を読む
「こころ」なんて、気軽にタイトルにしてしまったけれど、確かにあるのは知ってるんだけど、「こころ」がどんな風に動くのか、「こころ」と体はどんな関係で動いていくのか、いい年のオッサンなのに、ちっともつかめない。ましてや他人であったり、異性であったり、とにかく自分以外の人の「こころ」なんてつかめやしない。 でも、私たちは、人の「こころ」を求めてたりする。自分ひとりではイヤだし、誰かと共感したいといつも . . . 本文を読む
尾張一宮というところに、三岸節子記念美術館があるというのはかなり前から知っていました。ダンナさんは、三岸好太郎という画家です。彼は北海道に美術館があるらしいです。節子さんは、木曽川のそばの起・おこし宿の有力家の育ちです。東京で絵の勉強をして、好太郎さんにも出会い、結婚した。好太郎さんは31で亡くなってしまい、節子さんは94までずっと制作を続けた。二人の時間は不公平だけど、どこかでつながってはいるん . . . 本文を読む
北川民次さんは、1894~1989年という時間をすごして来られたそうです。いろいろとイヤになる時はあったでしょうか。戦時中からずっと愛知県の瀬戸市で創作活動をされてきたんだと思います。アトリエも公開される時があるんですけど、今回はとても暑くて、そばまで行くことはできませんでした。 でも、暑いにもかかわらず、瀬戸市美術館から瀬戸市立図書館までフラフラになって歩きました。ネットの地図で見たら、なんだ . . . 本文を読む
瀬戸市の市立美術館に行くことにしました。きっかけは、近所の産直に出かけて、そこで花などを包むために新聞が置いてあって、それをチラッと見た時に、今月いっぱいで北川民次さんの展覧会は終わる、と書いてあるのを見つけたからでした。 瀬戸市に、北川民次さんの作品がある、というのは何となく知っていました。アトリエもあったそうです。NHKのテレビで教わったのだと思います。何年か前です。奥様が瀬戸市の方だったそ . . . 本文を読む
何枚かの連作で「滞船」という作品がありました。もう一ヶ月くらい前、大阪に佐伯祐三さんを見に行った時、その最初の方の作品として取り上げられていました。 何となく普通風の油絵で、「少しイメージと違うなあ。佐伯祐三さんの作品であれば、もっと爆発してもいいのに。何だか大人しい」 そんな気持ちを抱えながら、一枚だけスマホで撮らせてもらいました。 私は、電車も船も好きなはずで、あれこれ撮りたい方なんだけど、 . . . 本文を読む
年譜を見ればすぐにわかることなんだけど、私は熱心なフォロワーではなくて、もう何十年も前に佐伯祐三を知ったような気になっていたので、特に何も調べることもないし、たまにポツンと美術館で見かけたとしても、「ああ、こんなとこにポツンと買われてきたのか」と、落ちぶれた芸人さんを憐れむような感じで見ているところがあった。 そんなに何十年もキャリアがあるわけではなく、1928年の8月16日午前11時30分、誰 . . . 本文を読む
突き抜けた世界へ行きたいな、自分はなかなか突き抜けてないから。 突き抜けた世界って、どんななんだろう。 先日、見に行った佐伯祐三さんは、短い生涯だったし、本人としてはもどかしい日々もあっただろうけれど、今となっては突き抜けている気がする。 私たちは、特に大阪人としては、佐伯祐三さんを高く評価するのだけれど、世界的にはどうなんだろう。 上手くもないし、粗削りで、人の息づかいみたいなのが感じられない . . . 本文を読む
小川雅章さんという方の絵で、少しだけ私の実家の風景がよみがえってきました。 とはいうものの、現実は絵の世界とはかなり違うし、何だか私には取り付く島のないものになっていますよ。私のふるさとのはずなのに、無表情になっているんです。知ってる人はどこにもいません。会う人みんなが知らない人になっている。知ってるオバチャンなんていない。全く未知の土地を歩いているような感じ。30年前まで私が住んでた街だし、母 . . . 本文を読む