お箸*9 日本のお箸 (2)お箸は万能

2016-04-01 | お箸の世界
 「中国のお箸とレンゲ」 「韓国のお箸とスプーン」 そして 「日本のお箸」

お気づきでしょうか?

「日本のお箸と〇〇」 ではなく 「日本のお箸」

そうです。 

日本はお箸だけでお食事が出来る国なのです。

お豆さんをつまみ、魚の皮をはがし、身をほぐし、滑りやすい麺をはさみ、焼き海苔でごはんを包み

納豆や生卵をかき混ぜ、おでんの大根を切り、椀物の具を押えて汁を飲み、豆腐をすくい口に運ぶ

たった2本の棒なのに、これだけ万能な 「お箸」

でも、先が尖っているのですから、いちばん適している作業は 「刺す」 だと思いませんか?

ところがこちらは  

お箸のタブー、嫌い箸などの レギュラーメンバー、お行儀が悪いと言われる使い方です。

そのため、こんにゃくも里芋も、こぼさないよう転がさないよう気をつけて口に運びます。

改めて理由を考えてみますと、やはりこれは 「命」 をいただくという謙虚な気持ち、

そして携わった多くの方への感謝の思いから、受け継がれてきた所作ではないかと思うのですよ。


 新年度を迎え、初対面の方や目上の方とお食事をする機会が増える季節。

笑顔や身だしなみ、言葉遣いや態度という 「第一印象」 が大切なのは言うまでもありませんが、

せっかくの良い印象を たり、逆に少しばかり残念な印象を たりするのが 「第二印象」 なら、

私は、箸づかいも 「第二印象」 ではないかと考えます。

誰もが新しいご縁を大切にしたいと願う春。

美しい箸づかいで、さりげなくご自身をアピールしてみませんか?


     
     銀座 大志満(おおしま) で、春らしい加賀料理の手提げ弁当


お読みくださいまして、ありがとうございます。
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