お箸*10 置き方

2016-04-24 | お箸の世界
 家で食事をするときも外食するときも、お箸は横向きにして手前に置く。

子供の頃から見慣れている形ですが、実はこれ、日本だけの特殊な置き方なんです。

ご存知の通り中国や韓国を始めとするアジア諸国では、お箸を縦にして右側に置きます。

日本で横向きに置く理由はいくつかあると思いますが、まずはお箸の取り方。

たとえば中国や韓国ではお箸を片手で取りますが、日本では両方の手を順に使うため、

右側に置いていては、左の手や腕がお料理越しに伸び、和服だと粗相してしまいます。

次に、お箸の用途。

自分のお箸で他人の分までお料理を取るお国と、自分のためにだけ使う日本との違い。

以上ふたつの理由は、実際に食事をする上での利便性や効率の良さでしょうが、

他の理由として、日本人の精神性が挙げられると思います。

一つ目は、尖った箸先を人に向けない心遣い。

日本のお箸は、中国などと比べて先端が細いですものね。

二つ目は、自分が汚した物を人に見られることへの羞恥心。

それはお箸にも言えることで、どんなにお行儀よくいただいても箸先は汚れます。

私など、 をレストに置くときでも少し気にする小心者です

その点、横向きにして手前に置けば、汚れを人目に晒さずにすみますし、

さらに良いことに、お茶碗やお椀は高さがありますから、人からは箸先が見えにくいはず。

三つ目として、これは、さらに精神性を高めた考え方かも知れませんが、

茶道で客が自分の膝前に扇子を置いて、亭主との間に結界を作るように、

食べ物と自分の間にお箸を置くことで、聖域と俗域を隔てるという意味があるかも。。

食べられる日常に感謝し、人にも物にも敬意を払っていただきたいものです。


     
     レトロなレジスターの横で手料理を振る舞ってくれた色白の彼
     ところがこの後お店は閉店し、いま何処


     
     彼との思い出に浸りながら、朝食を作る秘書にゃんこ
     な~んて。。実は箸置きです   


お読みくださいまして、ありがとうございます

  
コメント (6)