日々の暮らし*『波の塔』(著者:松本 清張)

2022-06-12 | 本が好き
 松本清張といえば、数々の社会派推理小説で今も読者を魅了し続けていますが、

『波の塔』は女性誌に連載されただけあって、事件や犯人を解き明かすものではなく、

愛し合う二人の悲恋物語を描いた、上下巻で800ページに及ぶ長編小説です。

例によって図書館から本と DVD を借りてきましたので、画像をご覧ください。



昭和35年(1960年)公開
テレビでは出演者を替えて8回も放送されましたが、映画はこの1本のみ



主演:有馬稲子さん(当時28歳・今年卒寿) 津川雅彦さん(当時20歳・2018年他界)
お二方は2017年にテレビドラマ『やすらぎの郷』で、元歌手と詐欺師の役で再共演。



読み進めるうちに「ニューグランド・ホテル」という章がありましたので、ちょっと行ってきます



山下公園から望むマリンタワーと、ホテルニューグランドの本館およびタワー館。



束の間の逢瀬を愉しむ二人が階段を下りて来る様子を窺う男性。
男性が居る場所は、小説にも書かれているように外国人向けのお土産売り場でした。



62年の時を経て、怪しい男性たちと同じ場所に立つ秘書にゃんこ。
使いながら保存することの難しさを思えば、行き届いた手入れにただただ感服します。



所変わって東京駅。
英語表記が STATION ではなく CENTRAL というのが気になるところですが場所は不明。
丸の内口側においては、2007年から2012年まで赤レンガ駅舎の復原工事が行われましたので、
この場所を特定するのは難しそうです。



来るはずのない彼女を待つのは、丸の内北口。
改札の上には「日光観光乗車券」の案内。
終戦から15年が経ち、高度経済成長期に旅を愉しむゆとりが出来たのでしょう。



先ほどの写真の画面左「八重洲方面への新連絡」
現在は「八重洲側への自由通路」と表示されています。

ピッという音が途切れない改札で、昔は駅員さんの鋏がカチャカチャ鳴っていたのでしょうね。


お読みくださいましてありがとうございます。
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すごい、すごい♪ (Passy)
2022-06-13 00:34:45
Julietさん、こんばんは。

あらら、いつもとは違う雰囲気で始まるお話...そう思っていたら...
秘書にゃんこさん、まるで探偵さんみたい.。.:*・゜
62年の時を経て...ですか...
幼いとは言え、既に(「とっくに」とも言えますね)生まれていた自分が恐ろしいような...???
さっそうとホテルニューグランドまでお出かけとは、フットワークの軽さに驚き、感心。
そして...ホテルニューグランドの保存状態の素晴らしさに、しばし見とれました。
当然「続く...」ですよね。
続編を楽しみにしていますね。
間に合うようなら、「波の塔」を図書館で探して読んでみます。
「女性自身」連載とは驚きですが、既に「女性自身」が存在していたことにも驚愕。
今もあるのかしら?
Julietさん、私の知らないこと満載ですね。拍手.。.:*・゜
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Passy さんへ (Juliet)
2022-06-13 05:30:51
Passy さん、おはようございます

今日は久しぶりに梅雨の晴れ間になりそうですね。

>秘書にゃんこさん、まるで探偵さんみたい.。.:*・゜

好奇心旺盛なもので・・・って、誰が

>さっそうとホテルニューグランドまでお出かけとは、フットワークの軽さに驚き、感心。

横浜に向かう前に実はもう一箇所立ち寄り、この後も界隈をウロウロ。
出かけたついでにあちこち廻って翌日はダウンするという、そんなお年頃です

>そして...ホテルニューグランドの保存状態の素晴らしさに、しばし見とれました。

私も驚きました
階段と、その上にある時計やエレベーターはホテルのシンボルですから、
丁寧に磨き込む作業が代々受け継がれてきたのでしょうね。

>当然「続く...」ですよね。
続編を楽しみにしていますね。

Passy さ~ん、800ページを思いっきり端折って、これでおしまいなんです

>「女性自身」連載とは驚きですが、既に「女性自身」が存在していたことにも驚愕。

いま調べてみましたら昭和33年(1958年)に創刊され、
オフィスレディーという意味の「OL」は「女性自身」が広めた言葉だそうですよ。
私が20代の頃に読んでいた雑誌「J J」が「女性自身」の略だと初めて知りました

松本清張は朝日新聞に勤めていたため、作品には東京駅や日比谷~銀座界隈がよく登場します。
在りし日の日劇などを思い浮かべながら読むのも、清張作品の愉しみです
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知らなかった (hirorin)
2022-06-13 10:23:32
「波の塔」は、ドラマで何度か見てるのですが、本は読んでないんです。
それが、「女性自身」に連載されていたなんて、全く知りませんでした。
そういう小説も女性雑誌に連載されていたんですね。

ホテルニューグランドの怪しい人たちのところに立つ、にゃんこちゃん!
すごい!月日が流れても場所がそのままあるのは驚きです。

私が印象に残っているのは、ヒロインを和由布子さん(今は五木ひろしの奥様)が演じたのです。
多分、NHKだと思います。

あっ、「ザ商社」見ましたが42年前なんですね。当時、職場でこれを見ていた女性(推定年齢28歳)が、夏目雅子が山崎努のホテルの部屋に行くことを「そういう覚悟で行くって意味よね。」とやや興奮気味にしゃべってたのを思い出しました。(←当時、新入職員だった私達はやや冷めた目で見てた。)あの人、どうしてはるか?今の感覚では、どうもないことでもあの当時の人は、興奮するような事なのか?と時代の流れを感じました。
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hirorin さんへ (Juliet)
2022-06-13 19:50:38
hirorin さん、こんばんは

>そういう小説も女性雑誌に連載されていたんですね。

当初はファッション雑誌だったそうですが部数が伸びず、皇室ネタを取り入れたそうですよ。
読書に親しむ人が多かった時代、連載は売上増が期待できたのでしょう

>ホテルニューグランドの怪しい人たちのところに立つ、にゃんこちゃん!

尾行がすぐにバレる出で立ちです

>すごい!月日が流れても場所がそのままあるのは驚きです。

このホテルはドリアやナポリタン、プリン・ア・ラ・モード発祥のお店なんです
お味だけでなく、ホテルそのものの伝統と格式を守る姿勢が伝わってきますよね。

>あっ、「ザ商社」見ましたが42年前なんですね。

ご覧になったのですね
私は4回とも録画して、見るのを楽しみにしているんです

>今の感覚では、どうもないことでもあの当時の人は、興奮するような事なのか?と時代の流れを感じました。

昭和の乙女ですものね

昭和といえば、40年くらい前に「笑っていいとも」を観覧したときのゲストが有馬稲子さんでした。
有馬さんが次のゲストに電話をかけて出演を快諾された際に、
翌日のゲストの「行ってもいいかな?」の台詞に合わせて、
スタジオの観客と一緒に頭の上で輪を作って「いいとも!」と言いましたっけ。
ああ、恥ずかしい
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ニューグランド (Jo)
2022-06-15 12:13:14
こんにちは。
松本清張が恋愛物を書いているとは知りませんでしたし、舞台にニューグランドが出てくるとは。
そしてまさにあの階段!
やはり昔から絵になる建物だったのですね。

新しいカテゴリー「建物が好き」もできて~
私も三菱一号館美術館&カフェには何度か出向いたことがあります。
レトロで素敵な建物ですよね~
お庭も良いし♪
もうガーデン巡りのシーズンになったので、建物探訪に出かける時間はすっかり少なくなりました。
Julietさんのブログを楽しみに拝見します。
返信する
Jo さんへ (Juliet)
2022-06-15 20:00:16
Jo さん、こんばんは

涼しいのは今日までだそうで、銀行や図書館などテクテク歩いて用を済ませました

>松本清張が恋愛物を書いているとは知りませんでしたし、舞台にニューグランドが出てくるとは。

『地図で読む松本清張』という本がありまして、あの帝国書院の発行なんです。
実在する場所と登場する作品名が記載されていますので、全国に跨がる清張作品には必携の本です

>そしてまさにあの階段!
やはり昔から絵になる建物だったのですね。

小説では、二人は「7階のレストラン」で食事をした後エレベーターで2階に下りて、
それから階段を下りて回転扉のある玄関へと向かうのですが、
ご存知のように本館は7階まではなく、もちろんタワー館はまだありませんので、
そんな違いを見つけるのも読書の楽しみです

>私も三菱一号館美術館&カフェには何度か出向いたことがあります。
レトロで素敵な建物ですよね~
お庭も良いし♪

周辺の建物も「ビルヂング」なんていう昔ながらの表記で風格があったり、
仲通りを抜ける風が心地よかったりと、銀座とはまた違った雰囲気を楽しめますよね。

>もうガーデン巡りのシーズンになったので、建物探訪に出かける時間はすっかり少なくなりました。
Julietさんのブログを楽しみに拝見します。

私も Jo さんのガーデン巡りやお庭の手入れを拝見しながら、
季節の移り変わりを楽しませていただいています (*^o^*)
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