前回お話しした 「(で)ございます」 は、前に 名詞 が来ると 「お茶 でございます。」 となりますが、
たとえば、「きれい」 や 「美しい」 という言葉が来ると、どのようになるでしょう。
「きれいでございます。」
「美しいでございます。」
二つを比べてみますと、「美しいでございます」 の方は違和感があり、このように言うことはありませんね。
「きれい」 と 「美しい」 は似たイメージの言葉ですが、「きれい」 は形容動詞で、 「美しい」 は形容詞です。
形容詞といえば最後が 「い」 で終わると覚えているため、「きれい」 を形容詞と考えがちですが、
「綺麗」 「華麗」 「有名」 は、「な(連体形)」 「だ・です(終止形)」 などの活用が続く 形容動詞 です。
そして 「美しい」 は、「高い」 「軽い」 「重い」 と同様に、物事の性質や状態を表す 形容詞 です。
形容詞に丁寧語である「ございます」 を付けて言い表すパターンは、下記をご参照ください。
「・・・ a い」 : 「高い」 t a k a i → たかう (読み方は)たこうございます
「暗い」 k u r a i → く らう (読み方は)くろうございます
「・・・ i い」 : 「おいしい」 o i s h i i → おいしう (読み方は)おいしゅうございます
「うれしい」 u r e s h i i → うれしう (読み方は)うれしゅうございます
「・・・ u い」 : 「軽い」 k a r u i → かるうございます
「暑い」 a t s u i → (お)あつうございます
「・・・ o い」 : 「重い」 o m o i → おもうございます
「遅い」 o s o i → おそうございます
( 「・・・ e い」 という形容詞はありません。)
いかがでしょうか?
実は日頃から、「早い」を「おはようございます」、「めでたい」を「おめでとうございます」と言っているのですが、
特にお若い方にとっては、「おいしゅうございます」 などは使いにくい言葉かも知れませんね。
「高い」 を 「高いだ」 と言わないということは、本来は 「高うございます」 が正しくて、
厳密に言えば 「高いです」 は間違っている、、ということになるのかも知れませんが、
既に多くの人が、「高いです」 「暑いですね」 「おいしいですよ」 など 「形容詞 + です」 を許容しつつあり、
言葉は生きていて、常に変化しているのだと実感するところです。
とはいえ、「高いです」 と言われて、違和感や抵抗を感じる人がいるのも事実です。
本来の言葉を知っていて使い分けることが出来れば、コミュニケーションの幅がさらに広がることでしょう。
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たとえば、「きれい」 や 「美しい」 という言葉が来ると、どのようになるでしょう。
「きれいでございます。」
「美しいでございます。」
二つを比べてみますと、「美しいでございます」 の方は違和感があり、このように言うことはありませんね。
「きれい」 と 「美しい」 は似たイメージの言葉ですが、「きれい」 は形容動詞で、 「美しい」 は形容詞です。
形容詞といえば最後が 「い」 で終わると覚えているため、「きれい」 を形容詞と考えがちですが、
「綺麗」 「華麗」 「有名」 は、「な(連体形)」 「だ・です(終止形)」 などの活用が続く 形容動詞 です。
そして 「美しい」 は、「高い」 「軽い」 「重い」 と同様に、物事の性質や状態を表す 形容詞 です。
形容詞に丁寧語である「ございます」 を付けて言い表すパターンは、下記をご参照ください。
「・・・ a い」 : 「高い」 t a k a i → たかう (読み方は)たこうございます
「暗い」 k u r a i → く らう (読み方は)くろうございます
「・・・ i い」 : 「おいしい」 o i s h i i → おいしう (読み方は)おいしゅうございます
「うれしい」 u r e s h i i → うれしう (読み方は)うれしゅうございます
「・・・ u い」 : 「軽い」 k a r u i → かるうございます
「暑い」 a t s u i → (お)あつうございます
「・・・ o い」 : 「重い」 o m o i → おもうございます
「遅い」 o s o i → おそうございます
( 「・・・ e い」 という形容詞はありません。)
いかがでしょうか?
実は日頃から、「早い」を「おはようございます」、「めでたい」を「おめでとうございます」と言っているのですが、
特にお若い方にとっては、「おいしゅうございます」 などは使いにくい言葉かも知れませんね。
「高い」 を 「高いだ」 と言わないということは、本来は 「高うございます」 が正しくて、
厳密に言えば 「高いです」 は間違っている、、ということになるのかも知れませんが、
既に多くの人が、「高いです」 「暑いですね」 「おいしいですよ」 など 「形容詞 + です」 を許容しつつあり、
言葉は生きていて、常に変化しているのだと実感するところです。
とはいえ、「高いです」 と言われて、違和感や抵抗を感じる人がいるのも事実です。
本来の言葉を知っていて使い分けることが出来れば、コミュニケーションの幅がさらに広がることでしょう。
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実は、私も「そう言えばそのように聞いたことがある」と思い出したほど、忘れておりました。
日頃から「嬉しいです!」と言っていますから・・・
本来でしたら「嬉しゅうございまう」が正解ですね。
ただ若い方には「嬉しゅうございます」は似合わないですし、お友達から「何それ?」と不思議ちゃんと思われるかもしれません。
そう言えば、CAになったばかりの頃、お済みの紙コップを下げるときに「お下げしてもよろしゅうございますか」とマニュアルにあったものの、どうしても違和感があり言えませんでした。
この場合の「よろしい」は「い」で終わりますが、やはり「美しい」と同じ「形容詞」と考えてよろしいでしょうか?
いえいえ、よろしゅうございますか?
そもそも「よろしい」「よい」ですよね?
???わからなくなりました。
ご教授願い願います。
個人的にでも結構ですので、ご都合がよいとき(よろしい+時」にお願いします。
>CAになったばかりの頃、お済みの紙コップを下げるときに「お下げしてもよろしゅうございますか」
とマニュアルにあったものの、どうしても違和感があり言えませんでした。
そうそう、分厚いマニュアルに書いてありましたっけね
思えば私はあの時から、「よろしゅうございました」と言い続けているかも
>「よろしい」は「い」で終わりますが、やはり「美しい」と同じ「形容詞」と考えてよろしいでしょうか?
いえいえ、よろしゅうございますか?
はい。 お考えのとおりでよろしいかと存じます。
>そもそも「よろしい」「よい」ですよね?
はい。 「よろしい」は「よい」を丁寧にしたものであり、対義語は「悪い」です。
「私が悪うございました 」なんて、時代劇の台詞に出てきそうですね。
>若い方には「嬉しゅうございます」は似合わないですし、お友達から「何それ?」と不思議ちゃんと思われるかもしれません。
たしかに、ある程度の年齢になってからの方が、似合う言葉かも知れませんね。
逆に申しますと、似つかわしい年齢になった時に、こういう言葉が自然に出て、
その言葉に相応しい立ち居振る舞いが身についていると、素敵だと思いませんか?
そして、「形容詞 + です」が容認されている昨今ですので、
若い方でしたら、「これでいいですか?」と、ぶっきらぼうなのは困りものですが、
「こちらでよろしいですか?」なら許容範囲であると考えます。
折りしも本日、皇后陛下がご自身の傘寿のお誕生日に寄せられたお言葉の中に、
「多くの人々の祈りの中で、昨年陛下がお健やかに傘寿をお迎えになり、うれしゅうございました。」
という一文を見つけ、久々に日本語の美しさに触れた思いがいたしました。
ある程度の年齢になったときに、「うれしゅうございます」が自然に出ると、本当に素敵ですよね。
反対に、「いい年して!」と言われないように、正しい言葉を身につけておかないとね。
立ち居振舞いよりも言葉遣いのほうが、身につけるのに時間がかかるみたいです。
>「いい年して!」
この言葉に思わず反応してしまいました
このように「いい」は話し言葉で、そして「よい」は書き言葉で使われることが多いようです。
願わくは「いい年」ではなく「よい年」を重ねられるよう、日々努めたいものです。
>立ち居振舞いよりも言葉遣いのほうが、身につけるのに時間がかかるみたいです。
言われてみればそのとおり
たしかに、立ち居振る舞いのように目に見えるものの方が、身につけやすいかも知れませんね。
言葉遣いを身につけるには、よい言葉遣いを聴いて、実際に使うのが一番と考えます。