秘書にゃんこ*山の上ホテル その1

2021-12-02 | 建築が好き
 10年以上前に見た旅番組で印象に残った、中国料理「東華菜館」(京都)の建物。

そして数年前、神戸で見かけて心惹かれた「旧居留地38番館」(大丸百貨店)

そのどちらも 建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの作品と知って以来、

いつかきっと・・・と願っていた氏の設計「山の上ホテル」に宿泊しました。


 御茶ノ水の駅を降りると、そこは大学や各種学校が軒を並べる、日本のカルチェラタン。

「学生街の喫茶店」のメロディーが頭の中に流れます

「山の上ホテル」は HILLTOP HOTEL というだけあって小高い丘の上にあります。


坂道を上ると、クリスマスのイルミネーションが出迎えてくれる時期

 ホテルと名の付く所には数え切れないほど宿泊しましたが、

チェックインをカウンターではなく、ゆったり座って行うのは初めてかも。

これも部屋数35室の、こぢんまりとしたホテルならではおもてなしでしょう。



チェックイン専用デスクで手続きをしていると、熱いおしぼりとお茶のサービスが (翌朝撮影


 部屋に籠もって原稿を書く「カンヅメ」を楽しんでいるようにさえ思える文士たち。

三島由紀夫に「ねがはくは、ここが有名になりすぎたり、はやりすぎたりしませんやうに」と言わせ、

長逗留する池波正太郎が、預金通帳ごと預けて支払っていたという文豪たちの定宿は、

豪華ではないものの上質、超高級ではないものの品と格式のあるお宿でした。



メールも FAX も無かった時代、原稿を待つ編集者で賑わっていたというロビー。



漆喰の壁と瑠璃色のタイル
1937年(昭和12年)当初はホテルではなく「佐藤新興生活館」として誕生。
日本人が上りやすい、秘書にゃんこの背丈と変わらない18センチの階段。



戦後 GHQ に接収されて陸軍婦人部隊の宿舎となった名残でドアノブの位置が高く、
ご覧のように内側からのロックもチェーンもありません。



ビロードのカーテンに、母の実家の応接間を思い出しました。
一輪の薔薇が嬉しく、そして机の前に鏡が無いのは実に落ち着きます。



クローゼットではない箪笥に備え付けてあるハンガーは、もちろん木製。



小さなホテルにレストランやバーは7軒
それはそれは美味しいコースのお料理でした

それでは、この続きは後日。。


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4 コメント

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憧れ♪ (Jo)
2021-12-03 09:45:28
山のホテルに宿泊とは!
なんて羨ましいことでしょうか。
必ず訪れたい名建築の一つです。
一輪の薔薇と机の前に鏡が無い・・・今どきのホテルにはない「おもてなし」の気持ちを感じます。
グランドホテルにはない落ち着きと心地よさがあるのでしょうね。

続きを楽しみにしています
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Jo さんへ (Juliet)
2021-12-03 20:10:47
Jo さん、こんばんは

>必ず訪れたい名建築の一つです。

今回は「首都圏在住者限定プラン」(朝食付き)なんですよ。
日帰りできる距離ですが、宿泊すると旅気分に浸れますね

>グランドホテルにはない落ち着きと心地よさがあるのでしょうね。

35室ですので、満室でもせいぜい50名程度でしょうか。
スタッフの方とすれ違うとき、皆さん立ち止まって会釈してくださいました。

>続きを楽しみにしています

ありがとうございます 
次回は名物の朝食をご覧いただきます
返信する
うらやましい (hirorin)
2021-12-04 19:14:44
私も一度は泊まってみたいホテルです。「美の巨人たち」でもここのホテル取り上げられていたような。
天ぷらのお店がおいしそうだったのが~
作家さんたちのエピソードも楽しく見てました。
ヴォーリス建築、特徴ありますもんね。
全部屋35室なんて、静かだろうし非日常にたっぷり浸れそうです。

東京駅のホテルも泊まりたいんですよね。
どこにも行けなくなってしまって~新たな株の出現が怖いです。
返信する
hirorin さんへ (Juliet)
2021-12-04 20:08:23
hirorin さん、こんばんは

>「美の巨人たち」でもここのホテル取り上げられていたような。

はい (*^▽^*) で予習・復習しました

>天ぷらのお店がおいしそうだったのが〜

庶民にはちょっとお高いのですが、本当に美味しいらしくて、デパートなどに支店がありますよ

>作家さんたちのエピソードも楽しく見てました。
ウ゛ォーリス建築、特徴ありますもんね。

ヴォーリズの生きた証が残っている hirorin さんのお住まいの方面こそ羨ましいです

>全部屋35室なんて、静かだろうし非日常にたっぷり浸れそうです。

室内の造りや家具の配置など、全室異なるそうですよ。

>東京駅のホテルも泊まりたいんですよね。

東京ステーションホテルですね。
泊まったことがあるクラシックホテルはニューグランド(横浜)と万平ホテル(軽井沢)だけですので、
あと一つでも二つでも、機会があれば私も訪れてみたいものです。

>どこにも行けなくなってしまって〜新たな株の出現が怖いです。

半年先、一年先に世の中がどのようになっているのか予測が立たず、
落ち着いた頃に自分が元気でいられるか分からないお年頃なんですよね。

来年も旅を楽しみたいと願う気力だけは保ちたいものです
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