黄金週間、最後の企画は「リピート」つまり、繰り返し鑑賞した映画を挙げてみる。
ただDVDなどを含めた鑑賞になると、その8割がスコセッシ/黒澤映画になるため、今宵はきっちりとした条件を設けてみた。
<1>「映画館」「試写室」で触れた作品にかぎる。
そうしないと、約50回触れた『グッドフェローズ』(90)が「ぶっちぎり」の首位確定だから。
<2>アルバイトで映写に関わった作品を除く。
フィルムの「ぶれ」チェックのため、延々と観続けたわけで。
本コラムの常連作品たち―ユージュアル・ピクチャーズ―が並ぶが、繰り返し記している生涯ベストとの「若干のちがい」を感じてもらえれば。
なぜなら「70年代症候群」を自負するものの、それらはリアルタイムで触れたわけではなく、
80~2000年代の作品が、自然と並ぶことになるのだよね。
それでは、いってみよう。
(1)『東京FIST』(95)
自分の記憶が確かならば・・・22回、観ている。
DVDを足せば、30回くらい。
東京ファンタスティック映画祭が初見で、えらく感動・興奮し、劇場初日から連続して10日間くらい劇場に通い続けた。
都市と肉体、暴力と血―自分の生きる世界は、ここにある。そんな思いで、フィルムを浴びた。
(2)『フェイク』(97)
15回、、、くらい。
潜入捜査官の苦悩と、彼をホンモノの相棒として育てたギャングの物語。
「お前が犬だったら、オレは死ぬよ」といって、こめかみに銃口をあてるパチーノ。絶望を表現するデップの瞳・・・この暗い感動を前に、飽きることなんてあるわけがない。
(3)『プロジェクトA2』(87)
12回。
毎週日曜日―場末の映画館『清流』で、朝に入場し最終回まで退場しなかった。
まだ映画少年だったころの話で、記すだけでノスタルジー。
清流と成龍が、自分の青春だったのだ。
(4)『マグノリア』(99)…トップ画像
(3)と同数の12回。
話題になったクライマックスよりも、群像劇を自由に展開してみせる、その語り口に衝撃を受ける。
つまり内容以上に構造に興味を持ち、嫉妬しながら繰り返し鑑賞した。
(5)『ユージュアル・サスペクツ』(95)
10回。
「リピーターは1000円で入場出来る」というのもあり、まんまと? のせられて何度も劇場へ。
映画小僧でなくとも、この作品にかぎっていえば、少なくとも2回は観る必要がある。
オチが分かったあとに観ると、ミスリードへと導くためのこだわりに感心するだろうから。
(6)『タクシードライバー』(76)
8回。
それでも入るぜスコセッシ印、70年代を代表する名画。
もちろんリアルタイムではないが、本作はリバイバルに「かなり」恵まれた作品で、しょちゅうどこかで上映されている。
ありがとう!
関東であれば、どこにだって行くぜ!
(7)『エイジ・オブ・イノセンス』(90)
8回。
さらに続くぞ、スコセッシ。
血も暴力も銃声もファック・ユーもない、彼らしくない? 映画だが、それは表面だけの話。
19世紀に生きるひとびとの内的抗争に、映画小僧は震えたんだ。
(8)『七人の侍』(54)
7回。
『タクシードライバー』同様、リバイバルに恵まれた作品。
しかもこの映画は、どんなときだって「ほぼ」満席になる。(自分の経験だけでいうと、100%そうだ)
年配のひとがほとんどだが、映画を学ぶ学生らしき若者がちらほらと。
それもまた、うれしい。
(9)『アマデウス/ディレクターズ・カット』(2002)
7回。
大好きな映画を、大スクリーンで―ディレクターズ・カット公開が決定したときに歓喜し、絶対に5回は行くんだと固く決意した。
確か前売りを20枚くらい購入し、家族や大切なひとにプレゼントしたんだっけ。
(10)『カノン』(98)
6回。
いつも号泣してしまうので「今度こそ冷静に、きっちりと触れたい」という思いから、この回数に。
しかし結局、6回目まで必ず号泣してしまった。
ひょっとすると、号泣したくてこの映画を観に行っていたのかもしれない・・・。
※『マグノリア』より、俳優たちに寄り添って歌うエイミー・マンの主題歌を。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『夢の殺人者』
ただDVDなどを含めた鑑賞になると、その8割がスコセッシ/黒澤映画になるため、今宵はきっちりとした条件を設けてみた。
<1>「映画館」「試写室」で触れた作品にかぎる。
そうしないと、約50回触れた『グッドフェローズ』(90)が「ぶっちぎり」の首位確定だから。
<2>アルバイトで映写に関わった作品を除く。
フィルムの「ぶれ」チェックのため、延々と観続けたわけで。
本コラムの常連作品たち―ユージュアル・ピクチャーズ―が並ぶが、繰り返し記している生涯ベストとの「若干のちがい」を感じてもらえれば。
なぜなら「70年代症候群」を自負するものの、それらはリアルタイムで触れたわけではなく、
80~2000年代の作品が、自然と並ぶことになるのだよね。
それでは、いってみよう。
(1)『東京FIST』(95)
自分の記憶が確かならば・・・22回、観ている。
DVDを足せば、30回くらい。
東京ファンタスティック映画祭が初見で、えらく感動・興奮し、劇場初日から連続して10日間くらい劇場に通い続けた。
都市と肉体、暴力と血―自分の生きる世界は、ここにある。そんな思いで、フィルムを浴びた。
(2)『フェイク』(97)
15回、、、くらい。
潜入捜査官の苦悩と、彼をホンモノの相棒として育てたギャングの物語。
「お前が犬だったら、オレは死ぬよ」といって、こめかみに銃口をあてるパチーノ。絶望を表現するデップの瞳・・・この暗い感動を前に、飽きることなんてあるわけがない。
(3)『プロジェクトA2』(87)
12回。
毎週日曜日―場末の映画館『清流』で、朝に入場し最終回まで退場しなかった。
まだ映画少年だったころの話で、記すだけでノスタルジー。
清流と成龍が、自分の青春だったのだ。
(4)『マグノリア』(99)…トップ画像
(3)と同数の12回。
話題になったクライマックスよりも、群像劇を自由に展開してみせる、その語り口に衝撃を受ける。
つまり内容以上に構造に興味を持ち、嫉妬しながら繰り返し鑑賞した。
(5)『ユージュアル・サスペクツ』(95)
10回。
「リピーターは1000円で入場出来る」というのもあり、まんまと? のせられて何度も劇場へ。
映画小僧でなくとも、この作品にかぎっていえば、少なくとも2回は観る必要がある。
オチが分かったあとに観ると、ミスリードへと導くためのこだわりに感心するだろうから。
(6)『タクシードライバー』(76)
8回。
それでも入るぜスコセッシ印、70年代を代表する名画。
もちろんリアルタイムではないが、本作はリバイバルに「かなり」恵まれた作品で、しょちゅうどこかで上映されている。
ありがとう!
関東であれば、どこにだって行くぜ!
(7)『エイジ・オブ・イノセンス』(90)
8回。
さらに続くぞ、スコセッシ。
血も暴力も銃声もファック・ユーもない、彼らしくない? 映画だが、それは表面だけの話。
19世紀に生きるひとびとの内的抗争に、映画小僧は震えたんだ。
(8)『七人の侍』(54)
7回。
『タクシードライバー』同様、リバイバルに恵まれた作品。
しかもこの映画は、どんなときだって「ほぼ」満席になる。(自分の経験だけでいうと、100%そうだ)
年配のひとがほとんどだが、映画を学ぶ学生らしき若者がちらほらと。
それもまた、うれしい。
(9)『アマデウス/ディレクターズ・カット』(2002)
7回。
大好きな映画を、大スクリーンで―ディレクターズ・カット公開が決定したときに歓喜し、絶対に5回は行くんだと固く決意した。
確か前売りを20枚くらい購入し、家族や大切なひとにプレゼントしたんだっけ。
(10)『カノン』(98)
6回。
いつも号泣してしまうので「今度こそ冷静に、きっちりと触れたい」という思いから、この回数に。
しかし結局、6回目まで必ず号泣してしまった。
ひょっとすると、号泣したくてこの映画を観に行っていたのかもしれない・・・。
※『マグノリア』より、俳優たちに寄り添って歌うエイミー・マンの主題歌を。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
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明日のコラムは・・・
『夢の殺人者』