うちは公社が管理している団地なので、耐震工事はもちろん、頼まなくても消火器の設置やら「傷の目立つ」玄関ドアの塗装やらをやってくれる。
先日は排水溝の掃除とチェックがおこなわれ、業者さんふたりが部屋にやってきた。
同世代であろうアンちゃんと、オッサン。
「―お風呂と台所、それから洗濯機の排水溝をチェックします。5分程度で終わりますので、立会いをお願いします」
若いほうが・・・
「(ベランダから景色を眺め)いい眺めですねぇ!」
「…あぁ、慣れてしまってなんとも思わないですけれど、ひとからいわれて、そうだったんだよな、、、なんて思うんですよ」
「僕なんか地下0.5階のアパート暮らしなんですよ」
「0.5階?」
「半分だけ、埋まっている感じなんです」
「へぇ」
若くないほうが、風呂場のほうから・・・
「おーい、お喋りが過ぎるぞ」
「(自分に)すいません」
「いえいえ、構わないですよ」
「お兄さん、独り暮らしなんでしょ」
「えぇ」
「部屋見て分かります、でも団地では珍しいですよね」
「まぁ、そうですね」
「1階から上がってくる感じでやってきたんですけど・・・これ文句じゃなくてですね、なんか自分の母親と同じくらいの年齢の主婦ばっかりだったから」
「息苦しかったですか」
「まぁ、正直いえば、そうですね」
「なんとなく分かりますよ」
「商売だからそんなこといっちゃアレですけど、なんかこちら伺ったら気持ちよくて、ついお喋りになっちゃいました」
「(苦笑)まぁ、ゆっくりしていってください」
「(部屋を見回し)アイドルがいっぱいだ」
「少しキモいでしょ?」
「いえいえ、癒されます。オアシスみたいだ」
「(苦笑)半分は趣味、半分は仕事です」
「へぇ! カメラマンかなにかですか」
「書くほうです」
「格好いい!」
「イメージはそうかもしれないですけど、割と地味ですよ」
「付き合ったり出来ないものなんですか」
「まさか! 付き合えるんだったら、ライター目指すひと増えるはずですもん」
「そうかー、付き合えないのかぁ」
ここまで馴れ馴れしい―でも、イヤな感じはしなかった―ひとも珍しいが、友人・親類以外のひと・・・って、まぁ業者さんかデリヘル嬢しか居ないが、彼ら彼女らが自分の部屋に入った場合、十中八九、部屋を見回して「わぁ」という。
トップ画像は前アパートのものだが、現在は「これほど」ではないものの、大して変わらないカオスっぷりであったりする。
これで落ち着くんだから、しょーがないじゃないか。
しかし。
「わぁ」といったひとたちの6割くらいが、拒否反応を示すかな。
ただ今回の業者さんのように、ひじょうに稀ではあるが、こんなキチガイ部屋を「オアシス」と評してくれるケースもある。
こういうひとたちのため? にも、自分はこれからも部屋をカオスな感じにしていこうと思う。
じつは「まったく」恥ずかしくないかといえば、そんなこともない。
これから友人に「なっていく」ひとであればいい、
しかし2度と会わないであろうひとを1度だけ部屋に招き? 入れる際だけは、多少の羞恥心が生まれるのだ、こんな自分だってね。
だから冒頭の会話「半分は趣味、半分は仕事です」というのは事実だが、イイワケの要素も入っているわけでね、引かれてもいっこうに構わないと思っていながら、そういう保険を用意しているのだった。
ゆえに、「オアシスだ」なんていわれたら救われるのだ自分は。
向こうはオアシスを見て救われ、こっちもオアシスと評され救われる。
こんなキチガイ部屋で、ふたつの救いが存在したっていう、阿呆らしい話である。
※きょうのコラムには、なんとなくこの曲があっているような気がするので・・・
高橋優×園子温×染谷将太
このドラマの夏帆、すごくよかった
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(209)竹内力』
先日は排水溝の掃除とチェックがおこなわれ、業者さんふたりが部屋にやってきた。
同世代であろうアンちゃんと、オッサン。
「―お風呂と台所、それから洗濯機の排水溝をチェックします。5分程度で終わりますので、立会いをお願いします」
若いほうが・・・
「(ベランダから景色を眺め)いい眺めですねぇ!」
「…あぁ、慣れてしまってなんとも思わないですけれど、ひとからいわれて、そうだったんだよな、、、なんて思うんですよ」
「僕なんか地下0.5階のアパート暮らしなんですよ」
「0.5階?」
「半分だけ、埋まっている感じなんです」
「へぇ」
若くないほうが、風呂場のほうから・・・
「おーい、お喋りが過ぎるぞ」
「(自分に)すいません」
「いえいえ、構わないですよ」
「お兄さん、独り暮らしなんでしょ」
「えぇ」
「部屋見て分かります、でも団地では珍しいですよね」
「まぁ、そうですね」
「1階から上がってくる感じでやってきたんですけど・・・これ文句じゃなくてですね、なんか自分の母親と同じくらいの年齢の主婦ばっかりだったから」
「息苦しかったですか」
「まぁ、正直いえば、そうですね」
「なんとなく分かりますよ」
「商売だからそんなこといっちゃアレですけど、なんかこちら伺ったら気持ちよくて、ついお喋りになっちゃいました」
「(苦笑)まぁ、ゆっくりしていってください」
「(部屋を見回し)アイドルがいっぱいだ」
「少しキモいでしょ?」
「いえいえ、癒されます。オアシスみたいだ」
「(苦笑)半分は趣味、半分は仕事です」
「へぇ! カメラマンかなにかですか」
「書くほうです」
「格好いい!」
「イメージはそうかもしれないですけど、割と地味ですよ」
「付き合ったり出来ないものなんですか」
「まさか! 付き合えるんだったら、ライター目指すひと増えるはずですもん」
「そうかー、付き合えないのかぁ」
ここまで馴れ馴れしい―でも、イヤな感じはしなかった―ひとも珍しいが、友人・親類以外のひと・・・って、まぁ業者さんかデリヘル嬢しか居ないが、彼ら彼女らが自分の部屋に入った場合、十中八九、部屋を見回して「わぁ」という。
トップ画像は前アパートのものだが、現在は「これほど」ではないものの、大して変わらないカオスっぷりであったりする。
これで落ち着くんだから、しょーがないじゃないか。
しかし。
「わぁ」といったひとたちの6割くらいが、拒否反応を示すかな。
ただ今回の業者さんのように、ひじょうに稀ではあるが、こんなキチガイ部屋を「オアシス」と評してくれるケースもある。
こういうひとたちのため? にも、自分はこれからも部屋をカオスな感じにしていこうと思う。
じつは「まったく」恥ずかしくないかといえば、そんなこともない。
これから友人に「なっていく」ひとであればいい、
しかし2度と会わないであろうひとを1度だけ部屋に招き? 入れる際だけは、多少の羞恥心が生まれるのだ、こんな自分だってね。
だから冒頭の会話「半分は趣味、半分は仕事です」というのは事実だが、イイワケの要素も入っているわけでね、引かれてもいっこうに構わないと思っていながら、そういう保険を用意しているのだった。
ゆえに、「オアシスだ」なんていわれたら救われるのだ自分は。
向こうはオアシスを見て救われ、こっちもオアシスと評され救われる。
こんなキチガイ部屋で、ふたつの救いが存在したっていう、阿呆らしい話である。
※きょうのコラムには、なんとなくこの曲があっているような気がするので・・・
高橋優×園子温×染谷将太
このドラマの夏帆、すごくよかった
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(209)竹内力』