Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

Creature Show

2013-10-12 00:33:47 | コラム
出来立てホヤホヤのシナリオは、軽犯罪ばかりを繰り返していた青年が殺人事件を起こしてしまう過程を、雑誌記者のインタビュー構成で展開していく―という物語。

冒頭5ページは、殺害描写がこれでもかと続く。
イメージとしてはリンチの『ワイルド・アット・ハート』(90)の冒頭だが、シナリオは小説ではないので、ここまでねちっこく描写する必要はなかったかな。

小悪党のなかにも潜んでいた怪物性―みたいなものが表現出来れていればいいのだが、そこらへんの評価は自分でやっちゃいけない、専門家に任せておかないと。


怪物性を扱った映画といえば、公開中の日本映画『凶悪』がまさにそうだ。
俳優3人―山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキー―の熱演によって、そーとー見応えのある力作に仕上がっていたが、
結局、いちばん怖くて厄介なのは人間だよと・・・そういう話なのだと思う。

見た目のおぞましさを凌駕する、ヒトの闇の恐ろしさよ!

ヒトの怪物性のなにが厄介かというと、関係性を築いていかないと「それ」が見えないところ、、、なのだろう。
映画に登場する「分かり易い」見た目の怪物というものは、まぁすべてがそうだとはいわないが、ヒトの闇を実体化したものだ―という考えがある。
「ある時代の」ホラー映画の裏テーマが人種差別だったという歴史的事実もあるわけで、その考えは正しいと思う。


以下に挙げた10作品に登場する怪物たちは、上記のような「実体化したもの」もあれば、そうでないものもある。
共通するのは、醜く、敵意に満ち満ちていて、ひたすら恐ろしい―ということだろうか。


(1)『ポゼッション』(81…トップ画像)

美女イザベル・アジャーニが妄想のなかで生み出したとされる、「でっかいタコ」のような怪物が登場する。

アジャーニと「でっかいタコ」のセックスは一見に値する。

(2)『デッドリー・スポーン』(83)

80年代に量産された「クダラナステキ」なB級ホラーのなかでも、一際異彩を放つ珍品。

無数の牙を持つ「ヒト喰い」モンスターが登場。

(3)『イレイザーヘッド』(77)

リンチ、伝説の処女長編作。

エイリアンのような赤ちゃんが出てくるが、
よく知られているように、この物語は貧乏映画小僧だったリンチが彼女の妊娠を知り、パニックに陥ったことをヒントにして生み出されたものである。

(4)『スターシップ・トゥルーパーズ』(97)

でっかい昆虫が登場。
あんな連中に突き刺されて死ぬくらいなら、自ら命を絶ってやろうと思う。

いや、マジでマジで。

(5)『ロボコップ』(87)

広義の意味で捉えれば、彼もまた怪物である。

気の毒な、真に気の毒な犠牲者ではあるけれど。

(6)『ゴジラ』(54)

日本代表は、これで決まり。

異論はほとんどないだろうし、この怪物は「人間の闇の実体化」にほかならないのだから。

(7)『裸のランチ』(91)

喋るし、なんか脚まで生えてくるタイプライター。

気持ち悪いのに、なんとなくエロティック。

(8)『鉄男』(89)

ヒトから、怪物へ―。

鉄化していく過程は「たいへん痛そう」だが、完全に鉄男になると、なんかそれはそれで、楽しそうだぞ。

(9)『エイリアン2』(86)

卵を守ろうとするエイリアン・クィーンの威厳と異形と。

いま観ても造形というかデザインは斬新、H・R・ギーガーって、ほんとうすごい。

(10)『グエムル』(2006)

韓国代表。

なかなか怪物を見せないところはスピルバーグ的でもあり、
怪物誕生の真相はゴジラ的でもあり、監督は映画をきっちり勉強してきたひとだと思う。


※Creature(怪物)とCreep(俗語で、気味が悪いヤツ)は、意味がちがうけれど、
世界で3番目くらいに好きなこの曲の「Creep」は、どちらかというと「Creature」的な意味合いが強いのではないか、、、なんて、勝手に思っている。




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コメント (2)
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