57年11月30日生まれ・現在55歳。
東京出身。
公式サイト
全世代の? 男子が(引退する)AV男優の加藤鷹のことを呼び捨てにせず「鷹さん」と敬意をこめていうように、
30~40代の映画小僧、音楽好き、サブカルチャーマニアは田口トモロヲ(たぐち・ともろを)のことを呼び捨てにしません。
皆が皆、トモロヲ様という。
たぶん。
たぶん、ですけれど。
少なくとも自分はそうで、NHK『プロジェクトX』(2000~2005)のナレーションを務めてその名が浸透する以前の80~90年代前半、このひとは前衛、アングラの雄だったわけです。
そのころトモロヲ様は、純粋に正しく狂っていました。
塚本晋也の想像を絶する世界観に形を与えたのは、あるいはトモロヲ様だったのかもしれません。
やり過ぎ演技のためにオオシマやイマヘイから怒鳴られつつ、それでいてメジャー/マイナー双方の監督からの信頼は厚く、(受け手から見て)ぜんぜんイメージの湧かない岩井俊二や大林宣彦の映画にも出演しました。
メジャーからマイナーまで。
主役からカメオ出演まで。
とても穏やかな感じのひと―に見えますが、音楽家としてはパンクバンド「ばちかぶり」のボーカルを担当し、(いい意味で)筆舌に尽くし難い? パフォーマンスを展開していました。
好き嫌いは置いておいて、ヒトコト、すげぇな! と思います。
※代表作といえば、やっぱりこれでしょう。
『桐島、部活やめるってよ』では、橋本愛が「なんか、マニアックな映画」と評していました。
それは、そのとおり笑
<経歴>
俳優のほかに、ナレーター、ミュージシャン、映画監督としての顔も持つ。
なぜか? 獨協大学経済学部に入学・・・するも中退。
劇画やイラストなどのアルバイトで生計を立てつつ、小劇場や自主映画などに積極的に参加する。
映画俳優デビュー作は、82年の『俗物図鑑』。
筒井康隆の傑作を桂千穂の脚本で映像化したものですが、四方田犬彦まで出演させておいてこれか? みたいな出来でした。
ほぼ同じ時期に音楽活動にも興味を示し始め、84年に「ばちかぶり」を結成する。
まずは、2000年までの映画キャリアをドドドッと。
地味なサラリーマンが鉄化する過程をざらついたモノクロームで捉えた『鉄男』(89)、
そんな男の「もうひとつの物語」をカラーで描く傑作『鉄男II BODY HAMMER』(92)、
『オールナイトロング』(92)、石井隆の「復活」作『ヌードの夜』(93)、『愛の新世界』(94)、『KAMIKAZE TAXI』(95)、
『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(95)、『あした』(95)、『スワロウテイル』(96)。
『弾丸ランナー』(96)では主役を演じて監督デビューとなるSABUを全面サポート、まるでハーベイ・カイテルのような存在になる。
『うなぎ』(97)、『ポストマン・ブルース』(97)、『東京日和』(97)、
三池監督がタイトルが気に入っただけで撮った『FULL METAL 極道』(97)、
『アンドロメディア』(98)、『カンゾー先生』(98)、市川準が「間違って」撮ってしまった『たどんとちくわ』(98)、
『日本黒社会 LEY LINES』(99)、『双生児』(99)、『DEAD OR ALIVE 犯罪者』(99)。
オオシマ入魂の『御法度』(99)、『バレット・バレエ』(2000)、『MONDAY』(2000)、『弱虫(チンピラ)』(2000)・・・などなど、これ実際の半分以下ですから、そーとー人気者というか、1年で制作される日本映画の1割以上に出演していたことになると思います。けっしてオーバーではなくてね。
94年―漫画家のみうらじゅん(トップ画像左)とユニット「ブロンソンズ」を結成、様々な表現活動をおこなう。
ユニット名はもちろん、チャールズ・ブロンソンからきています。
では、2001年以降の映画キャリアを。
イマヘイの『赤い橋の下のぬるい水』(2001)やSABUの『DRIVE』(2002)、塚本の『六月の蛇』(2003)などでは常連俳優として安定した? 演技を披露、
『AIKI』(2002)、『刑務所の中』(2002)、『ヴァイブレータ』(2003)、『春の雪』(2005)、『カミュなんて知らない』(2006)、『やわらかい生活』(2006)では、大きな役であれ小さな役であれ、なんらかのインパクトを残す好演・怪演。
ここまで書いてきて思うのは、作品の出来がどうあれ、トモロヲ様の演技に関しては、いちども失望したことがない―ということです。
『ゆれる』(2006)、『龍が如く 劇場版』(2007)、『あしたの私のつくり方』(2007)、『オリヲン座からの招待状』(2007)、『クライマーズ・ハイ』(2008)、『石内尋常高等小学校 花は散れども』(2008)、『少年メリケンサック』(2009)。
2004年、『アイデン&ティティ』で映画監督デビューを飾る。
原作は、みうらじゅんの漫画です。
2009年の監督第2作『色即ぜねれいしょん』(2009)もそうでしたが、青春のモヤモヤを描かせたら天下一品ですね。
10年代も好調をキープ。
『GANTZ』『GANTZ PERFECT ANSWER』(2011)、
『軽蔑』(2011)、『探偵はBARにいる』(2011)とその続編(2013)、
『苦役列車』(2012)、『黄金を抱いて翔べ』(2012)、『その夜の侍』(2012)、『中学生円山』(2013)、そして最新作は、まもなく公開の『ルームメイト』(2013)。
トモロヲ様を知りたければ、とりあえず最近の日本映画を観ましょう―つまりは、そういうことなのです。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(207)田口浩正』
東京出身。
公式サイト
全世代の? 男子が(引退する)AV男優の加藤鷹のことを呼び捨てにせず「鷹さん」と敬意をこめていうように、
30~40代の映画小僧、音楽好き、サブカルチャーマニアは田口トモロヲ(たぐち・ともろを)のことを呼び捨てにしません。
皆が皆、トモロヲ様という。
たぶん。
たぶん、ですけれど。
少なくとも自分はそうで、NHK『プロジェクトX』(2000~2005)のナレーションを務めてその名が浸透する以前の80~90年代前半、このひとは前衛、アングラの雄だったわけです。
そのころトモロヲ様は、純粋に正しく狂っていました。
塚本晋也の想像を絶する世界観に形を与えたのは、あるいはトモロヲ様だったのかもしれません。
やり過ぎ演技のためにオオシマやイマヘイから怒鳴られつつ、それでいてメジャー/マイナー双方の監督からの信頼は厚く、(受け手から見て)ぜんぜんイメージの湧かない岩井俊二や大林宣彦の映画にも出演しました。
メジャーからマイナーまで。
主役からカメオ出演まで。
とても穏やかな感じのひと―に見えますが、音楽家としてはパンクバンド「ばちかぶり」のボーカルを担当し、(いい意味で)筆舌に尽くし難い? パフォーマンスを展開していました。
好き嫌いは置いておいて、ヒトコト、すげぇな! と思います。
※代表作といえば、やっぱりこれでしょう。
『桐島、部活やめるってよ』では、橋本愛が「なんか、マニアックな映画」と評していました。
それは、そのとおり笑
<経歴>
俳優のほかに、ナレーター、ミュージシャン、映画監督としての顔も持つ。
なぜか? 獨協大学経済学部に入学・・・するも中退。
劇画やイラストなどのアルバイトで生計を立てつつ、小劇場や自主映画などに積極的に参加する。
映画俳優デビュー作は、82年の『俗物図鑑』。
筒井康隆の傑作を桂千穂の脚本で映像化したものですが、四方田犬彦まで出演させておいてこれか? みたいな出来でした。
ほぼ同じ時期に音楽活動にも興味を示し始め、84年に「ばちかぶり」を結成する。
まずは、2000年までの映画キャリアをドドドッと。
地味なサラリーマンが鉄化する過程をざらついたモノクロームで捉えた『鉄男』(89)、
そんな男の「もうひとつの物語」をカラーで描く傑作『鉄男II BODY HAMMER』(92)、
『オールナイトロング』(92)、石井隆の「復活」作『ヌードの夜』(93)、『愛の新世界』(94)、『KAMIKAZE TAXI』(95)、
『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(95)、『あした』(95)、『スワロウテイル』(96)。
『弾丸ランナー』(96)では主役を演じて監督デビューとなるSABUを全面サポート、まるでハーベイ・カイテルのような存在になる。
『うなぎ』(97)、『ポストマン・ブルース』(97)、『東京日和』(97)、
三池監督がタイトルが気に入っただけで撮った『FULL METAL 極道』(97)、
『アンドロメディア』(98)、『カンゾー先生』(98)、市川準が「間違って」撮ってしまった『たどんとちくわ』(98)、
『日本黒社会 LEY LINES』(99)、『双生児』(99)、『DEAD OR ALIVE 犯罪者』(99)。
オオシマ入魂の『御法度』(99)、『バレット・バレエ』(2000)、『MONDAY』(2000)、『弱虫(チンピラ)』(2000)・・・などなど、これ実際の半分以下ですから、そーとー人気者というか、1年で制作される日本映画の1割以上に出演していたことになると思います。けっしてオーバーではなくてね。
94年―漫画家のみうらじゅん(トップ画像左)とユニット「ブロンソンズ」を結成、様々な表現活動をおこなう。
ユニット名はもちろん、チャールズ・ブロンソンからきています。
では、2001年以降の映画キャリアを。
イマヘイの『赤い橋の下のぬるい水』(2001)やSABUの『DRIVE』(2002)、塚本の『六月の蛇』(2003)などでは常連俳優として安定した? 演技を披露、
『AIKI』(2002)、『刑務所の中』(2002)、『ヴァイブレータ』(2003)、『春の雪』(2005)、『カミュなんて知らない』(2006)、『やわらかい生活』(2006)では、大きな役であれ小さな役であれ、なんらかのインパクトを残す好演・怪演。
ここまで書いてきて思うのは、作品の出来がどうあれ、トモロヲ様の演技に関しては、いちども失望したことがない―ということです。
『ゆれる』(2006)、『龍が如く 劇場版』(2007)、『あしたの私のつくり方』(2007)、『オリヲン座からの招待状』(2007)、『クライマーズ・ハイ』(2008)、『石内尋常高等小学校 花は散れども』(2008)、『少年メリケンサック』(2009)。
2004年、『アイデン&ティティ』で映画監督デビューを飾る。
原作は、みうらじゅんの漫画です。
2009年の監督第2作『色即ぜねれいしょん』(2009)もそうでしたが、青春のモヤモヤを描かせたら天下一品ですね。
10年代も好調をキープ。
『GANTZ』『GANTZ PERFECT ANSWER』(2011)、
『軽蔑』(2011)、『探偵はBARにいる』(2011)とその続編(2013)、
『苦役列車』(2012)、『黄金を抱いて翔べ』(2012)、『その夜の侍』(2012)、『中学生円山』(2013)、そして最新作は、まもなく公開の『ルームメイト』(2013)。
トモロヲ様を知りたければ、とりあえず最近の日本映画を観ましょう―つまりは、そういうことなのです。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(207)田口浩正』