<14年度総括、第12弾>
映画の総括、第三夜目。
きょうは、いくつかの項目に分けて、本年度の映画界を振り返ってみたい。
(1)新宿ミラノ座の閉館
今月末、ミラノ座の全スクリーンが幕を閉じる。
(頑張れば)1000人を収容出来る映画館も、これで「ほぼゼロ」となった。
最大にして唯一の理由は「もちろん」シネコンの席巻だが、入らない地域のシネコンは取り壊しなどが噂されていて、「シネコン憎し!」のスタンスを取ってもしょうがない。
ただ、まぁこれは、様々な世代のひとがそれぞれの思いを抱くのだろうけれど、自分が青春していたころの「コマ劇周辺」でなくなってしまったことによる寂しさ、、、というのはあるわけで。
昔、「どうしても」この地でこの劇場で「この映画を観たいんだ!!」と思っていた「この地」が別のものになっている・・・。
つまりは、自分もジイサンになったなぁ! と。
(2)「アナ雪」効果
好き嫌いはべつにして―という書き出しは卑怯か、ではとりあえず自分の立場をはっきりしておけば、「やや」嫌いかな笑
前日までのベスト20で語っているように、「クレしん」のほうが数倍優れたアニメーションだと思ったわけ。
しかしながら、経済的効果というものを考えれば無視出来ない「現象」ではあった。
CDが売れない時代にサントラがバカ売れし、May.Jを知るひとも増え、劇場で子どもたちが合唱する。
映画の主題と音楽がマッチして相乗効果を上げた映画としては『ボディガード』(92)や『タイタニック』(97)を想起するが、来年からはきっと「アナ雪みたい!」といわれるようになるのだろう。
これは、素直にすごいことだと思う。
(3)相次ぐ訃報
ここ数週間で健さん、ぶんちゃん、ジョニー大倉と映画に関連が深い大物が亡くなっているが、何度もいっているように「それなりの年齢に達したひと」であれば、惜しいと思う気持ちがありつつも「おつかれさまでした!!」と労いのことばをかけることが出来る。
しかし若いひとだと、そういう気持ちにはなれない。
自死でも事故死でも病死でも、衝撃度は同じ。
だから46歳で鬼籍に入ったフィリップ・シーモア・ホフマンの死は、自分には「そーとー」堪えた。
遺作となった『誰よりも狙われた男』の出来が素晴らしくてねぇ、「あぁもったいない、もったいない…」の思いが、現在もまったく消えていないのである。
※批評家・町山さんが語るホフマン
(4)フィルム、まだまだ踏ん張る
デジタル上映が「あたりまえ」になったいま、まだ若手と呼べるであろう俊英クリストファー・ノーランが、敢えてフィルムで撮った作品が現在公開中の『インターステラー』である。
日本では1館を除いてデジタルに変換し上映、でも、もし時間的経済的余裕があるのであれば、フィルム上映されている「丸の内ピカデリー」でこの映画を観てほしい。
だってノーランは、フィルムで上映されることを想定して撮っているのだから!!
QTタランティーノやノーランが居るかぎり、フィルムは死なない。
なんだかちょっと、いや、とっても安心したのである。
~ベスト20を含めた、14年度の良質映画セレクション~
※鑑賞順
『かぐや姫の物語』
『利休にたずねよ』
『セッションズ』
『ある精肉店のはなし』
『もらとりあむタマ子』
『祭の馬』
『麦子さんと』
『ゼロ・グラビティ』
『少女は自転車にのって』
『ほとりの朔子』
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
『小さいおうち』
『ビフォア・ミッドナイト』
『オンリー・ゴッド』
『アメリカン・ハッスル』
『メイジーの瞳』
『ニシノユキヒコの恋と冒険』
『17歳』
『土竜の唄 潜入捜査官 REIJI』
『ダラス・バイヤーズクラブ』
『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』
『東京難民』
『愛の渦』
『赤×ピンク』
『ラヴレース』
『それでも夜は明ける』
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
『マンガで世界を変えようとした男 ラルフ・ステッドマン』
『パンドラの約束』
『5つ数えれば君の夢』
『LIFE!』
『あなたを抱きしめる日まで』
『サンブンノイチ』
『アクト・オブ・キリング』
『白ゆき姫殺人事件』
『アデル、ブルーは熱い色』
『ヴィオレッタ』
『そこのみにて光輝く』
『アナと雪の女王』
『ディス/コネクト』
『ある過去の行方』
『とらわれて夏』
『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』
『ブルージャスミン』
『WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~』
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』
『六月燈の三姉妹』
『罪の手ざわり』
『捨てがたき人々』
『グランド・ブダペスト・ホテル』
『ノア』
『ホドロフスキーのDUNE』
『私の、息子』
『私の男』
『渇き。』
『her/世界でひとつの彼女』
『怪しい彼女』
『リアリティのダンス』
『思い出のマーニー』
『ちょっとかわいいアイアンメイデン』
『ゴジラ』
『2つ目の窓』
『るろうに剣心 京都大火編』
『友よ、さらばと言おう』
『めぐり逢わせのお弁当』
『STAND BY ME ドラえもん』
『プロミスト・ランド』
『喰女』
『フライトゲーム』
『イン・ザ・ヒーロー』
『海を感じる時』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『猿の惑星:新世紀 ライジング』
『ニンフォマニアック Vol.1』
『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』
『悪童日記』
『メビウス』
『レッド・ファミリー』
『誰よりも狙われた男』
『トム・アット・ザ・ファーム』
『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『流浪の「ネット」民』
映画の総括、第三夜目。
きょうは、いくつかの項目に分けて、本年度の映画界を振り返ってみたい。
(1)新宿ミラノ座の閉館
今月末、ミラノ座の全スクリーンが幕を閉じる。
(頑張れば)1000人を収容出来る映画館も、これで「ほぼゼロ」となった。
最大にして唯一の理由は「もちろん」シネコンの席巻だが、入らない地域のシネコンは取り壊しなどが噂されていて、「シネコン憎し!」のスタンスを取ってもしょうがない。
ただ、まぁこれは、様々な世代のひとがそれぞれの思いを抱くのだろうけれど、自分が青春していたころの「コマ劇周辺」でなくなってしまったことによる寂しさ、、、というのはあるわけで。
昔、「どうしても」この地でこの劇場で「この映画を観たいんだ!!」と思っていた「この地」が別のものになっている・・・。
つまりは、自分もジイサンになったなぁ! と。
(2)「アナ雪」効果
好き嫌いはべつにして―という書き出しは卑怯か、ではとりあえず自分の立場をはっきりしておけば、「やや」嫌いかな笑
前日までのベスト20で語っているように、「クレしん」のほうが数倍優れたアニメーションだと思ったわけ。
しかしながら、経済的効果というものを考えれば無視出来ない「現象」ではあった。
CDが売れない時代にサントラがバカ売れし、May.Jを知るひとも増え、劇場で子どもたちが合唱する。
映画の主題と音楽がマッチして相乗効果を上げた映画としては『ボディガード』(92)や『タイタニック』(97)を想起するが、来年からはきっと「アナ雪みたい!」といわれるようになるのだろう。
これは、素直にすごいことだと思う。
(3)相次ぐ訃報
ここ数週間で健さん、ぶんちゃん、ジョニー大倉と映画に関連が深い大物が亡くなっているが、何度もいっているように「それなりの年齢に達したひと」であれば、惜しいと思う気持ちがありつつも「おつかれさまでした!!」と労いのことばをかけることが出来る。
しかし若いひとだと、そういう気持ちにはなれない。
自死でも事故死でも病死でも、衝撃度は同じ。
だから46歳で鬼籍に入ったフィリップ・シーモア・ホフマンの死は、自分には「そーとー」堪えた。
遺作となった『誰よりも狙われた男』の出来が素晴らしくてねぇ、「あぁもったいない、もったいない…」の思いが、現在もまったく消えていないのである。
※批評家・町山さんが語るホフマン
(4)フィルム、まだまだ踏ん張る
デジタル上映が「あたりまえ」になったいま、まだ若手と呼べるであろう俊英クリストファー・ノーランが、敢えてフィルムで撮った作品が現在公開中の『インターステラー』である。
日本では1館を除いてデジタルに変換し上映、でも、もし時間的経済的余裕があるのであれば、フィルム上映されている「丸の内ピカデリー」でこの映画を観てほしい。
だってノーランは、フィルムで上映されることを想定して撮っているのだから!!
QTタランティーノやノーランが居るかぎり、フィルムは死なない。
なんだかちょっと、いや、とっても安心したのである。
~ベスト20を含めた、14年度の良質映画セレクション~
※鑑賞順
『かぐや姫の物語』
『利休にたずねよ』
『セッションズ』
『ある精肉店のはなし』
『もらとりあむタマ子』
『祭の馬』
『麦子さんと』
『ゼロ・グラビティ』
『少女は自転車にのって』
『ほとりの朔子』
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
『小さいおうち』
『ビフォア・ミッドナイト』
『オンリー・ゴッド』
『アメリカン・ハッスル』
『メイジーの瞳』
『ニシノユキヒコの恋と冒険』
『17歳』
『土竜の唄 潜入捜査官 REIJI』
『ダラス・バイヤーズクラブ』
『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』
『東京難民』
『愛の渦』
『赤×ピンク』
『ラヴレース』
『それでも夜は明ける』
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
『マンガで世界を変えようとした男 ラルフ・ステッドマン』
『パンドラの約束』
『5つ数えれば君の夢』
『LIFE!』
『あなたを抱きしめる日まで』
『サンブンノイチ』
『アクト・オブ・キリング』
『白ゆき姫殺人事件』
『アデル、ブルーは熱い色』
『ヴィオレッタ』
『そこのみにて光輝く』
『アナと雪の女王』
『ディス/コネクト』
『ある過去の行方』
『とらわれて夏』
『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』
『ブルージャスミン』
『WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~』
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』
『六月燈の三姉妹』
『罪の手ざわり』
『捨てがたき人々』
『グランド・ブダペスト・ホテル』
『ノア』
『ホドロフスキーのDUNE』
『私の、息子』
『私の男』
『渇き。』
『her/世界でひとつの彼女』
『怪しい彼女』
『リアリティのダンス』
『思い出のマーニー』
『ちょっとかわいいアイアンメイデン』
『ゴジラ』
『2つ目の窓』
『るろうに剣心 京都大火編』
『友よ、さらばと言おう』
『めぐり逢わせのお弁当』
『STAND BY ME ドラえもん』
『プロミスト・ランド』
『喰女』
『フライトゲーム』
『イン・ザ・ヒーロー』
『海を感じる時』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『猿の惑星:新世紀 ライジング』
『ニンフォマニアック Vol.1』
『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』
『悪童日記』
『メビウス』
『レッド・ファミリー』
『誰よりも狙われた男』
『トム・アット・ザ・ファーム』
『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
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明日のコラムは・・・
『流浪の「ネット」民』