Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(102)

2014-12-22 00:10:00 | コラム
とらう「ま」→「ま」ーだーけーすぶっく(マーダーケースブック)

『週刊マーダーケースブック』とは、世界の猟奇的殺人事件をファイル化した雑誌のこと。

95年に創刊号が発売され、96号までが発刊された。(97年に完結)
現在は絶版中でオークションや古本屋でしか手に入らないが、これらすべてを揃えた自分のことを自分で褒めてあげたいと思う。

趣味性や専門性に特化されたこれらの雑誌は、創刊時こそ書店で平積みされるが、(よほどの人気作でないかぎり)社会的な興味は薄れていき、発行部数そのものが激減していくものだから。

それを予約せず、近所の書店を回りに回ってすべてを揃えたのだから、自分は偉いなぁと。
だからこそいうが、なんで96号で終わるのかなぁ。100号までいこうぜ!!

こういうの集めるのに真剣になるのは、我ながら趣味が悪い。
ただそこそこ売れたのだから、みんな興味があるということではないか?

この世界? の90年代のトピックスといえば、元FBI捜査官ロバート・K・レスラーが著した『FBI心理分析官』がベストセラーとなり、プロファイリングやシリアルキラーという専門的用語が一般化したこと。

シリアルキラーとは、殺害そのものを目的とする犯罪者を指す。
つまり金銭や憎悪を目的としない、快楽先行のヘンタイ殺人鬼。

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男がほとんど。
身内に犯罪者やアルコール・麻薬中毒者が居る。
幼児期に児童虐待や育児放棄など、悲惨な体験をしている。
異性との正常な性交が不可能にちかい。
殺人の手口や被害者の特徴が共通している。

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・・・などなど、レスラーは様々な嗜好を項目化。
もちろんそれに当てはまらないケースも稀にあるが、大抵はその「いずれかに」含まれる。

自分が興味を抱くシリアルキラーは、

女優シャロン・テートを惨殺したチャールズ・マンソン、
「何百人殺した」と告白したヘンリー・リー・ルーカス、
パリで人肉を食した佐川一政、
そして、未だ未解決のゾディアック事件の犯人。

映画とシリアルキラーは、たいへんに相性がいい。
あんまり趣味がいい傾向とはいえないけれど、でも映像には「ある種の」インパクトが必要で。

血や暴力のおぞましさは、観たくない。目をふせる。でも、ちょっとだけ観てみたいと思う―この複雑な感情の揺れを、映画はきっちりと「掬って」くれる。

フィクションではなく、ノンフィクションのシリアルキラー「入門篇」として適切な映画をいくつか挙げてみよう。


『モンスター』(2003)

米国史上初の女性シリアルキラー、アイリーン・ウォルノスを描いた傑作。

シャーリーズ・セロンが、敢えていうが「初めて」女優した映画なんじゃないか。






『ゾディアック』(2006)

謎のシリアルキラーに翻弄される刑事や作家を中心に描く、デヴィッド・フィンチャーの野心作。

異常者は、ふつうの人間を異常にするほどのパワーを宿している、、、ということか。

『冷たい熱帯魚』(2010)

園子温が躍進するきっかけとなった大傑作。

「埼玉愛犬家殺人事件」をモデルに、狂気の世界をパワフルに描く。

『ロシア52人虐殺犯/チカチーロ』(95)

ノンフィクション『子供たちは森に消えた』をベースに描く問題作にして、シリアルキラー映画の教科書のような作品。

とはいえ、罪もない少年少女を惨殺した彼に嫌悪感を抱くひとも多かろう。

『悪魔のいけにえ』(74)

嘘みたいな話だが、(誇張はあるものの)実際に起こった事件だというのが恐ろしい。

この映画の殺戮描写は悪趣味から一線を超え、映画史に残ると評するファンも多い怪作である。


次回のしりとりは・・・
まーだーけーすぶっ「く」→「く」ーくらっくすくらん。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『HAPPY』

コメント (2)
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